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「知らざあ言って聞かせやしょう」 はじめに その6

2017年02月12日 00時37分21秒 | 伝統芸能(歌舞伎など)
 「知らざあ言って聞かせやしょう」 心に響く歌舞伎の名せりふ 赤坂 治績 新潮新書 2003年

 はじめに その6

 ところが、名せりふとして現代まで伝わっているものは、初演の狂言作者(劇作家)が書いたとは限りません。原作の浄瑠璃や初演の台本にないく、のちに俳優や狂言作者が工夫して作ったと思われるものも多いのです。(「入れ事」と言う)台帳(「土台になる帳面」という意味)というように、歌舞伎は台本をあくまで基礎であると捉えていたので、台帳が作られてからも、俳優たちは工夫を加えたのです。
 歌舞伎に限らず、演劇は観衆がいなければ成立しない芸術です。歌舞伎の名せりふは、作者、俳優と、観衆が共同して作りあげてきたのです。我々の祖先培ってきた文化遺産と言えるでしょう。

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