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「江戸っ子はなぜこんなに遊び上手なのか」 その1

2017年10月08日 01時00分42秒 | 本の紹介(こんな本がある)
 「江戸っ子はなぜこんなに遊び上手なのか」 中江 克己 青春出版社 2016年

 はじめに その1

 江戸っ子は、遊び上手だった。長屋暮らしで、さほど経済的なゆとりがなくとも、なにかの遊びを楽しみ、明日の活力の糧にした。
 江戸時代は武家中心の身分社会だったが、やがて消費経済が発達するにつれ、町人が経済力を持ち始める。それとともに遊び心が育っていく。遊び心は精神の解放といってよいが、身分の上下や経済力の有無にかかわりなく、知恵を働かせて遊んだ。

 江戸の町には両国、日本橋、浅草などの盛り場ができ、しだいに遊びも多様化した。品川、千住、板橋、内藤新宿などの宿場町も旅籠(はたご)や茶屋、料理茶屋などが整備され、人びとの遊び心に応えて盛り場化していった。

 江戸っ子の遊び心は多方面に向い、広がるばかりだった。こうして江戸の各所に誕生した盛り場は繁盛し、軽業や綱渡り、曲独楽(きょくごま)、手品をはじめ、相撲や芝居、寄席などが人気を集めた。さらには花見や月見、雪見、川遊び(舟遊び)、花火、郭遊びなど、行動の文化の多様化が進んだ。

 それは江戸文化の幅を広げ、江戸っ子の暮らしを豊かなものにした。

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