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「狐の詫び証文」 宇都宮の伝説

2013年12月06日 00時13分27秒 | 民話(笑い話・伝説)
 「狐の詫び証文」 宇都宮の伝説 ネットより

 この話も 成高寺 第4世 天英禅貞禅師の話です。

 当時の成高寺は 女人禁制で、寺男が 寺内の仕事を 全て 行っていましたが、
そのころ、新左衛門という寺男と 二人で 暮らしていました。

 ある時、檀家の法事に出かけ帰ってみると、いつも出向かえてくれる寺男の爺やが 見当たりません。
あちこち さがしまわると、竹やぶの中から 大きなイビキが聞こえるので 
不思議に思って 近づいてみました。
すると、年老いた大狐が 寺男の着物を着て 昼寝をしていました。

 和尚は 夕方に爺やを呼んで、
「爺や お前は 寺のため また わたしのために 大変よく働いてくれました。
しかし 今日 お前の正体を見てしまったので 今日限り 出ていって欲しい。」と、言うと、
狐は 驚いて 涙を流しながら
「今後は 絶対に 正体を見せるようなことはいたしません。
このお寺に仕えてから 私は,楽しい思い出でいっぱいです。
どうか 今まで以上に 一生懸命働きますので、終生 置いてください。」と、頼みました。

 和尚は かわいそうになり、
「それなら 今 言ったことを書いて出しなさい。」と、言って、証文を書かせました。
狐の新左衛門は.死ぬまで 寺のため,和尚のために よく働きました。
そこで 和尚は「新左衛門稲荷」として祀(まつ)り その恩に報いました。

 また その時に書かせた証文は 今でも 成高寺に残されています。


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