「お話を文章通りに覚えるの?」 櫻井美紀
私の語った物語について、「その物語(民話)を、私も覚えて語りたいと思います」
といわれることが度々あるのですが、その度に私は心の中で
「え? 一字一句、文章の通りに覚えたいの?」と思ってしまうのです。
私は文章になっている物語を語るときに、何度も本を読んで語句や言い回しを確かめることは
ありますが、それは文を暗記するのとは違うのです。
語るときには、常にどこかを変えて語っています。
そのときそのときに、語る内容のイメージに合う適切な言葉を探し求めて語っていることに気付きます。
民話を語る人は、自分ではそれと気付かずに、聞き手に合わせて言葉を変えたり、一部を省いたり、強調するところを新たに創ったりしています。
民話は語り手の個性が少しずつ加わり、ゆるやかに姿が変わります。
創作の物語も、語る場と聞き手に合わせて少しずつ変わっていきます。
語りは変わるのが当たり前、と思うのです。
「その物語(民話)を、自分なりに語ってみたい」という言い方をしていただいた方がよいように
思うのですが……。
私の語った物語について、「その物語(民話)を、私も覚えて語りたいと思います」
といわれることが度々あるのですが、その度に私は心の中で
「え? 一字一句、文章の通りに覚えたいの?」と思ってしまうのです。
私は文章になっている物語を語るときに、何度も本を読んで語句や言い回しを確かめることは
ありますが、それは文を暗記するのとは違うのです。
語るときには、常にどこかを変えて語っています。
そのときそのときに、語る内容のイメージに合う適切な言葉を探し求めて語っていることに気付きます。
民話を語る人は、自分ではそれと気付かずに、聞き手に合わせて言葉を変えたり、一部を省いたり、強調するところを新たに創ったりしています。
民話は語り手の個性が少しずつ加わり、ゆるやかに姿が変わります。
創作の物語も、語る場と聞き手に合わせて少しずつ変わっていきます。
語りは変わるのが当たり前、と思うのです。
「その物語(民話)を、自分なりに語ってみたい」という言い方をしていただいた方がよいように
思うのですが……。