標高330mのモノローグ

富士山の10分の1、東京23区最高峰の10倍の山間に暮らして20年。地域の自然や思いを綴ります。

半世紀前のオルゴール曲「太陽がいっぱい」と庭のくちなしの花

2018-06-26 20:20:14 | 日記
妻が持っているオルゴール付きの小さなジュエリーケースがある。黒い漆塗りの箱だ。ふたを開けると曲が鳴るはずだが、スイッチの部分が錆びついているのか、開けただけではならない。スイッチ部分を指でつまんで刺激すると、メロディーが流れた。
曲は映画音楽「太陽がいっぱい」。箱の裏にあるネジを巻く曲が流れる。ネジを一杯に巻くと回転数を間違えたレコード曲のようにテンポが速すぎて、曲の趣がそがれる。しかし、オルゴールが何回か周回し、ゼンマイが伸びきる寸前の方がゆったりとしたテンポで、この曲には合っている。


45年前のジュエリーケース(横21cm、立て10cm、高さ8cm)で、蓋を開けると「太陽がいっぱい」の曲が流れる。

さて、このオルゴールの話題が、出たきっかけを語ろう。数日前から、庭に「くちなしの花」が咲きだしている。45年ほど前に妻が働いていた職場の数人の仲間で、「くちなしの会」という個人的な集まり(いわゆる女子会だが)を創設したそうだ。全員が退職後も数年に一度どこかに集まって、いまもって親睦を図っている会だ。妻と私の間でも、くちなしの花が咲くと毎年「くちなしの会」の話題になる。


今年も咲きだしたくちなしの花。

改めて妻に、何故「くちなしの会」になったのか、聞いたのだが、「よくわからない」という。しばらく妻の昔話を聞いていいたが、妻が、「そいう言えば・・・?」と語りだした。「当時、おしゃべりばかりしていたから、誰かが、『くちなし』という名前を付けたのかもしれない」と言う。もしかしたら、会のメンバーでなく外部の誰かが、付けたのかもしれないという解釈もできそうだ。

その会で、会の思い出として記念品を残そうとして、メンバーの一人が、オルゴールケースを人数分買いそろえたという。曲が「太陽がいっぱい」だったとのこと。

太陽がいっぱいは1960年の映画だ。私も、「冒険者たち」といっしょに、アラン・ドロン主演の映画が好きだった。当時、フランス映画は、どこか哀愁、無常観が漂っている。日本と共通するものがあるという評論が、私のお気に入りの映画になった切っ掛けだった。

1960年代は私が10歳前半から20歳の初期時代だった。私達団塊世代にとっては、忘れられない人生の青春期だった。1964年の東京オリンピックを中心に高度経済成長期といわれた。しかし、1960年に日米新安全保障条約が締結され、安保闘争、学生運動が高まった時期でもあった。

その他、わが国の1960年代の出来事:NHK連続テレビ小説(朝ドラ)の開始(1961)。ビートルズ来日(1966)。NHK大河ドラマ開始(1963)。小笠原諸島返還(1968)。府中刑務所外での三億円事件(1968)。東大安田講堂占拠(1969)など。

世界の出来事:ベトナム戦争(1960~1975)。人類初の有人宇宙旅行(1961)。ベルリンの壁の設置(1961)。ケネディ大統領暗殺(1963)。中華人民共和国、初の核実験(1964)。日韓基本条約の調印(1965)。アポロ11号人類初の月面着陸(1969)。

国内外問わず半世紀前にあったことが、続いている事項もあれば、変わったことも。しかし、50年たっても課題が山積している。年月を重ねた割には、平和を求める人類として、努力しているはずなのに、成長しているのだろうか。先日の相良さんのことばのように、国境、人種、宗教を超えた平和がくることを願うばかりだ。
コメント
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