息子が使っていたバイクを、彼が海外留学することとなり、2年前に私に名義変更して預かってきた。誰か乗る人もあるだろうと、私の名義にしたのだが、バイクは124CCなので普通免許では乗れない。私も妻もバイクの免許証は持っていない。結局2年間は一度も公道を走らなかった。預かった後数か月は、エンジンをかけることは頻繁に行い、時には別の息子が狭い空き地を周回するなどしていた。
最近になりバイクは、息子の知人に譲渡することとなった。今日、運搬業者が引き取りに来た。運転手さんは、挨拶の後、「寒いですね」と半そでからでた腕を擦っていた。当地は都市部より2~3℃は低い。また、4トン車で来たので、道が狭く難儀したと語っていた。
輸送業者さんが、バイクの傷状態などのチェックをしている。
いよいよ、バイクとの別れの時がやってくる。妻と私は業者さんがバイクをトラックに載せる一部始終を見守りながら、バイクが近所の何人かの人たちにお世話になった忘れられないエピソードを思い出していた。
思い出とは
月日が経つにつれエンジンをかける間隔も長くなってきた。あるときエンジンをかけようとセルボタンを押してが、音もしなかった。ランプは点灯するのでバッテリーはありそうだ。何度も挑戦した。始動しなかった。
ご近所の、車整備のご主人も来て、トライしたが動かない。さらに、いつもバイクに乗っている別のご主人も駆けつけてくれた。皆で、サイクルハウスから出し、バイクのエンジン始動に挑戦した。ご主人たちの奥さんまで参加し、数人でああだのこうだの言いながら、何回も行ったが始動しなかった。
いつも乗っているご主人が、バッテリーを充電してみたらということで、家に帰りバイク用バッテリー充電器を持って来て、貸していただいた。充電に時間がかかるということで、その日は解散となった。
次の日、充電が完了したので試したところ、またまた始動しなかった。故障かなとトライするのはあきらめていた。数日後、たまたま次男の妻がやってきた。確かバイクに乗ったことがあると聞いていたので、エンジンが始動しない旨話した。彼女は「サイドスタンドをかけているのではないか」との明答が返ってきた。
すぐさま、サイドスタンドを払って、セルボタンを押すと「ククク、ブルン・・・」と難なく始動した。彼女の何とも表現できない、微笑み顔がいまでも思い出される。
思えば今まで、サイドスタンドを払ってスタートさせていたのだった。微笑みだけでなく、彼女、妻と私の大笑に変わった。
先日、大人が何人も集まってワイワイ言いながら挑戦したのは、何だったのだろうか? そのとき集まった人たちは、「エンジンが始動しない」というネガティブな固定観念に縛られていたのだと思う。ある意味で全員小さなパニック状態だったのかもしれない。それとも、年齢のせいかな?
今となれば笑い話だ。
バイクはトラックに積まれた。いよいよ別れの時が来た。バイクの長野県までの長旅の始まりだ。
最近になりバイクは、息子の知人に譲渡することとなった。今日、運搬業者が引き取りに来た。運転手さんは、挨拶の後、「寒いですね」と半そでからでた腕を擦っていた。当地は都市部より2~3℃は低い。また、4トン車で来たので、道が狭く難儀したと語っていた。
輸送業者さんが、バイクの傷状態などのチェックをしている。
いよいよ、バイクとの別れの時がやってくる。妻と私は業者さんがバイクをトラックに載せる一部始終を見守りながら、バイクが近所の何人かの人たちにお世話になった忘れられないエピソードを思い出していた。
思い出とは
月日が経つにつれエンジンをかける間隔も長くなってきた。あるときエンジンをかけようとセルボタンを押してが、音もしなかった。ランプは点灯するのでバッテリーはありそうだ。何度も挑戦した。始動しなかった。
ご近所の、車整備のご主人も来て、トライしたが動かない。さらに、いつもバイクに乗っている別のご主人も駆けつけてくれた。皆で、サイクルハウスから出し、バイクのエンジン始動に挑戦した。ご主人たちの奥さんまで参加し、数人でああだのこうだの言いながら、何回も行ったが始動しなかった。
いつも乗っているご主人が、バッテリーを充電してみたらということで、家に帰りバイク用バッテリー充電器を持って来て、貸していただいた。充電に時間がかかるということで、その日は解散となった。
次の日、充電が完了したので試したところ、またまた始動しなかった。故障かなとトライするのはあきらめていた。数日後、たまたま次男の妻がやってきた。確かバイクに乗ったことがあると聞いていたので、エンジンが始動しない旨話した。彼女は「サイドスタンドをかけているのではないか」との明答が返ってきた。
すぐさま、サイドスタンドを払って、セルボタンを押すと「ククク、ブルン・・・」と難なく始動した。彼女の何とも表現できない、微笑み顔がいまでも思い出される。
思えば今まで、サイドスタンドを払ってスタートさせていたのだった。微笑みだけでなく、彼女、妻と私の大笑に変わった。
先日、大人が何人も集まってワイワイ言いながら挑戦したのは、何だったのだろうか? そのとき集まった人たちは、「エンジンが始動しない」というネガティブな固定観念に縛られていたのだと思う。ある意味で全員小さなパニック状態だったのかもしれない。それとも、年齢のせいかな?
今となれば笑い話だ。
バイクはトラックに積まれた。いよいよ別れの時が来た。バイクの長野県までの長旅の始まりだ。