なんとなく、情けない気がしたのは、知床の遊覧船の海難事故に、海上保安庁だけでなく、160キロほど離れた自衛隊の基地に、ヘリコプターでの救難要請があったのだが、他の作業中で、すぐには出せなかった。
後に、小型の航空機も出て、沖合の空から捜索にも加わっていたが、ヘリコプターが救難要請から、現場に飛んできたのは、何時間も後だった。広い太平洋の真ん中を捜索するのではない。海岸線を航行する小さな遊覧船で、波はすぐ目の前の海岸線に向かっているし、潮流は海岸線に沿って、半島の先の方に流れている。
陸路のない入り組んだ海岸線が延々と長く続く場所だから、ヘリコプターやドローン、航空機を駆使して捜索するのが一番、効果的だが、午後1時頃の救助要請や2時頃の30度傾いて、エンジン停止の連絡を最後に、日没に至る3、4時間ほどの間には、全く手がかりもなく、夜になってしまった。
その後の捜索の映像などを見ていると、何だか「昭和時代の海難事故」のような捜索風景だった。自衛隊の基地に、ヘリコプターは1台しかなかったのだろう。それも、最新型とは言えそうもない。普通サイズ。スピードも遅い。動物などの熱感知レーダなども備えていたのだろうか?まあ、海や海岸に投げ出されていても、死亡していたら熱感知しなけれど、海岸線を動き回る熊や狐を感知する能力がなければ、北朝鮮の兵士が夜間上陸しても、見つけられない。
その程度の機器類が最新などとは言えない時代だが、夜間に捜索できるだけの能力のないヘリコプターなら、自衛隊の装備品とは、とても言えない。まさか、同乗隊員が双眼鏡など使って、目視捜索? そんなもの、遊覧ヘリコプターじゃないか?
岸田くんはヘリコプターで全国を飛び回って、今回の事故報告を受けて、いみじくもヘリコプターで首相官邸に戻ったが、日本の防衛上、一番大事な北海道、そして日本海の海岸線上を監視するのに、最新型の超高速ヘリコプターを配備しなきゃ、ほとんど意味がない。
富士の裾野でどんな最新型の戦車を何千台用意して、演習を行ったところで、40キロも離れたところから、兵士一人が飛ばした2200万円のスイッチブレード一機で、搭乗員も戦車も一瞬にして、鉄屑と棺桶になる。数十億円がパーだ。
しっかりしてくれよ、防衛省。庁が格上げされて、待遇が変わっても、世界ははるかに進化している。ウクライナ戦争を、嫌というほど研究してくれよ。わずか、二十人の命も助けられなきゃ、1億2000万人の命は、風前の灯火だ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます