まあ、「骨折り損のくたびれ儲け」とは、まさに私の今朝の行動をいう。高枝きりや長靴、ダンボール箱など、あれこれ車に積み込んで、福井市の南東方向、街の向こうの山の中へ、片道20キロほども走って行った。
で、結局、どうなったかというと、一個の柿もなかった。完全な無駄足になって戻ってきた。で、我が地区の奥の集落に住む後輩に電話して、彼の隣の家(ついに、無人)の裏庭にある数本の柿から、気に入ったのだけ取ってきて、ついでに、棗の残りも頂いてきた。ここなら、車で、数分の路則。
あっという間に、午前中が終わってしまった。
友人の医者の話も「老人の妄想」なら誇張された話で「なんともうまそうな甘柿」を連想した私も「妄想」に過ぎない。所詮は山奥の峡谷。日照時間は短い。手入れもしないし、肥料も与えないし、間引きもしない。美味しい柿が出来るわけもない。
昨日、私が行くと言ったので、責任を感じてか、医者は息子を連れて、作業着姿で、先に来ていた。実は、熊が出るので、県の指導もあって、管理を任せている近所の人が、全部柿を始末してしまったらしい。隣の村人に言わせると、「今年の柿は、あかん」という。数も少ないし、小さいらしい。
傷だらけの「クズ柿」など、どんどん、熊に食わせてやればいい。わたしゃ、欲しくない。誰も食わないのに、熊の出没騒ぎは、迷惑に違いない。いや、熊が、ね。