メディア を意識した時(触覚)
互いの隔たりがもどかしく、
言葉を重ね、語りつくしたその果てで、
ふと、手の甲に触れてくる、
彼女のおずおずとした指先から、
心が満たされてくるような感触・・・
それは、完全に思い込みなのだけれど、
触れるということは、触れ合うことで、
抜き差しのならない関係の始まり。
しかし、実際に触らなくても、
ラジオでの音質が良くなると、その臨場感が増し、
音から触 . . . 本文を読む
メディアを意識した時(香り)
街中の雑踏で、
ふと振り返る。
それは、残り香、
もう、忘れたと気を緩め、
無防備なところへの風のいたずら、
カルヴァン・クラインの・・・ONE、
名前さえ忘れているのに、鮮やかに、
大脳は、時と場を越えて想い出を引きずり出し、
内臓は、きゅーっと締め付けられる。
その後から、何だったかと気が付いて、
今の喧騒に戻ってくるのです。 . . . 本文を読む
メディアを意識した時(音)
コルトレーンのインプレッションを、
新宿のDIGで聴いたいたときは、
音の塊がぶつかってきて、身体を暖めてくれる感じで、
気持ちよく寝入っていたものでした。
’75頃、プロモーターの仕事柄、
マイルスを舞台の脇で聞いていることがあって、
時の流れの中に音が置いていかれるような、
気持ちの良い時間がありました。
最近、映画「Ten Minutes Older : R . . . 本文を読む
今まで、一番印象に残っている映像は、
昔、引きこもって小説を読みふけっていたころに、
ふと学生寮のロビーで観てしまった、
コカコーラのCF。
その鮮やかで、ゆっくりとした映像、
グラスの付く水滴の冷たさ、
栓を抜く、スポーン、シュワーーーー
そして、
「スカッとさわやか、コカコーラ」
生活の刺激を避けていた日々の事故みたいなもので、
そのシーン、映像も、音も、身体を駆け巡り、
一日中、どこでも . . . 本文を読む
映画「Ten Minutes Older」
15人の監督に、10分間という時間だけ制約して、つくられたオムニバス映画を、観た。
一つの独立した作品としての最少単位としての10分、
それぞれの監督の設定、映像、音、台詞などの、起こし方から終わり方もなどなど、いろいろ面白いけど、
それぞれを繋いでいる”間”が面白い。
最初にまとめたのが、「Trumpet」編の7本、
前の映画の暗転、
水の流れの映 . . . 本文を読む