踊りにコトバを入れ、身体とともに表現してきた矢内原美邦の舞台は、同期する映像と照明・音響とともに、ここまで来ていた。
発話と身体の最大値による命の衝動は、コトバの内容を状況の中での動作や動きにまで拡大して見せられる。
大都会の男女の衝突も過去の思い出も、たたみかけるように叫び、叫びながら相対の位置を変え続け、走り回りまた、精緻に歩み、身体と心を開いてゆく。
舞台は、持ち回る椅子とテーブル、鳥の巣箱のような整然とした家並。廻る電車と舞台奥からの2台のカメラからの生中継と、眠る姿の映像が、別の視点、別の時間を重ね合う。
この豊かな夢が覚めれば、また静かな一日が、そして、それが来る。
生の衝動、生命から子ども、学校、姉妹、そして夫婦と、
表現も内容も大人の世界へ。夢のなかでの奔放さに、生の衝動が。
そして、311は、否が応でも、社会の死を意識せざるをえなかった、久しぶりの矢内原美邦さんの舞台を堪能。
映像・美術の高橋啓祐さんの多視点な映像を楽しみ、
出演の川田希さん、松永大輔さんの体力と気力の生気に大拍手をした。
「あーなったら こうならない」 矢内原美邦 2010年
舞台「五人姉妹」 ・・・身体の衝動と言葉の、葛藤から表現へ2008年
矢内原美邦さんの舞台’07『青の鳥』
舞台『no direction』 nibroll 矢内原美邦 人間の方向について
舞台 矢内原美邦「さよなら」 シアタートラム12月23日夜 2006年
舞台『青ノ鳥』:自然と身体とコトバの関わりの豊かさへ 2006年
舞台『3年2組』、生命の衝動・共振を伝える身体と言葉 2005年
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