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『ホリー・スモーク』、『インザ・カット』 ジェーン・カンピオン監督が愛と性を描く映画

2006-08-05 21:47:15 | 映画・音楽・・・パッケージ・メディア
『ホリー・スモーク』(1999年)は、
信仰と性と生を、まざまざと描いている。
オーストラリアの自然の中で、より煮詰まってしまっている、
家族・知人・地域社会の中、
インドで帰依した女性主人公と
それを解こうとする、米国の男性カウンセラーの物語。
そのぶつかり合う二人のこだわりを溶いたのは、
”思い遣り”という言葉だった。
女性の生の自然さが印象的。

『インザ・カット』(2003年)は、
犯人と疑っている相手に対する意識、
信じたい気持ち、
性による感情が並存し、
生命の危機感を超えてしまう性の強さということでしょうか?

<男性は愛することを愛するのに対して、
 女性は男性を愛している。
 そうであるがゆえに、女性は、一方では男性よりも深く
 また自然のままに愛しており、
 他方では男性よりも拘束的で非反省的に愛している。>
「情熱としての愛」P.207 二クラス・ルーマン著

愛、政治、経済、貨幣、道徳、教育など、
社会システムが分化したなかで、男性は、自身をバラバラにしがちです。
しかし、女性の経済的な自立の可能性が高くなるほどに、
その自然さが貴重なのでしょう。

ジェーン・カンピオン監督の映画は、
エンジェル・アット・マイ・テーブル (1990)
ピアノ・レッスン (1993)
ある貴婦人の肖像 (1996)
と観てきました。
ジェーン・カンピオン監督作品に、女性の不思議さを観る

ニュージーランド、オーストラリアの背景が
よりプリミティブな生と愛の姿を浮き立たせ、
またイギリス、フランス、スペインと歴史ある生活社会を背景にすると、
近世から近代への愛の変遷を感じます。

では、現代はと、
小津安二郎生誕100年記念、『珈琲自光』を次に


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