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資本とテロの社会の明日を見たい 「社会的インパクトの評価基準の未来」シンポジウム以後を

2016-07-16 11:49:28 | 暮らし・街・環境

自家用車一台で複数人の意図的な殺戮が可能になった現実を目の当たりにした。 世界的なテロの拡散期に入って、社会的インパクトの評価基準は、必須となっている。

<社会的価値観の喪失>

社会意識は、近世から近代へ、西欧では「中心の喪失」、日本では「自然感の喪失」という変化が続いたと考えている。近代が「理性的個人の科学・技術の万能感」とすると、近代以後は、ポスト・モダンといわれた価値観の並列期と、過去の価値感を楽しめる時代だった。キリスト教社会での様式の変転では、ルネッサンス以後の、各時代の社会を覆っていたゴシック、バロック、ロココ様式などが、19世紀以後は、選別される好みになった。近代では、モードの変化として人為的に差異市場をつくって、流行というサイクルを回せた。ポスト・モダンでは過去の形象にともなう価値観の記憶を基想に、組み合わせによる差異市場をつくり、一方で伝統から時間軸をはずしてこだわりの細分化をしてきた。国際化は、植民地趣味から多文化趣味へ、は宗主国という立場からのし好から、自身の基想自体が危うくなって、生活背景を問わない直感的刺激をメディア技術とネットワークが支えている。

<孤立した近代的個人が生きる刺激市場>

生活地域の共通のコミュニケーション基想が崩れれば、人は社会的行動より、一次刺激に反応し続ける動物的人間へと、変わってゆく。モノや空間を増やし細分化して私有して孤立する一方で、大量の情報の断片を浴び続け持続的な意識を保てない生活。持続的に関わる身の回りの変わりにくいモノとの繰り替えされる相互反応は、積分され、次の一瞬へと微分されて、互いのリスクを縮減してゆく。しかし、瞬間の刺激に反応し続ける存在同士は、たえず互いを確かめ合わざるを得ない群れとして、自身と他との不安を深める。これは、多様な変化に対処して自律を続けようとする近代的個人の行き着く処。刺激は、五感を通じた身の回りと、通信・交通・運輸と増殖還流するメディアという人工物の所産である。誰かが意図して伝えるコストを回収する仕組みからもたらされる、交換市場からの刺激が級数的に増大し、身体の周りで関わる刺激は相対的に縮小している。

<資本の自律的な運動>を社会と呼ぶ時代なのか

言語文字で一番字数が少ないのはローマ字、地中海貿易の結果、標準となった。ラテン語からの欧州各国語は、修道院から学術へ、そして科学技術を支え、世界の植民地化・工業化を経て広まった。新大陸、多民族が集まる米国で英語から米語へ、情報科学と金融工学で市場世界を座験する国際語となった。 しかし、欲望と不安の金融資本市場が膨張しつづけると、個人富豪や格差の話題の裏側に、資本自体の自律的な運動が覗き見えてくる。世界企業もまた、その資本運動の一部として、もはや人間の社会的価値観を問えないのではないか。数字/数学は人間が使っているのか、資本のために使わされているのか? かって、18世紀まで世界最大のGDPを誇った漢字文化圏は、その漢字字体の複雑さが科学展開に災いした。今、国家的資本経営による再拡張を開始している中国が、その資本の自律運動の世界に飲み込まれるのか?  

生命の遺伝子のキャリアーの一種である人類が、もう一度社会的動物として、社会的価値観を、それぞれの身体と周りの地域から興し、言語や行政域から共通化して、世界社会の基盤にできないか?

その期待を膨らませる、社会的インパクト評価基準づくりのためのシンポジウムを取材する機会があった。

2016年6月14日笹川記念財団ビルで開かれた、シンポジウム「いよいよ動き出す社会的インパクト評価の未来」の記録映像です。

基調講演 社会的インパクト評価 世界の潮流 Philanthoropy Capital (NPC)ディレクター Mr.Tris Lumley

社会的インパクト評価の基本概念の解説 伊藤健 氏

日本の社会的インパクト評価の現状について 水谷衣里氏

 

第1部 社会的インパクト評価の「価値」を語る パネルディスカッション 紹介と総括

チャンス・フォー・チルドレン 代表理事 今井悠介 氏

ソーシャル・インベストメント・パートナーズ 代表理事 白石智哉 氏

あいちコミュニティ財団 代表理事 木村真樹 氏

明治大学公共政策大学院ガバナンス研究科 教授 源 由理子

第1部 社会的インパクト評価の「価値」を語る パネルディスカッション

第2部

日本で社会的インパクト評価を推進するための提言 鴨崎貴泰氏

G8インパクト投資タスクフォース国内諮問委員会 評価ツールセット発表 藤田滋 氏

第2部 社会的インパクト評価を推進する「仕組み」を考える パネルディスカッション

コーディネーター 
伊藤 健 氏  慶応義塾大学
       SROIネットワークジャパン 代表理事
今田 克司 氏 CSOネットワーク 代表理事
        日本NPOセンター常務理事
岡本 直樹 氏 内閣府 参事官 共助社会づくり推進担当
鴨崎 貴泰 氏 日本ファンドレイジング協会 事務局長
Mr.Tris Lumley NPC: Director of Developmento, Senior Management Team

 

設立された

社会的インパクト評価イニシアチブ

 


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