のんのん太陽の下で

初めての一人暮らしが「住民がいるんだ・・・」と思ったラスベガス。
初めての会社勤めが「夢を売る」ショービジネス。

イースター・ボネット

2009-04-05 | 日記
 今日も良く分からずに、仲間が参加をする“何か”を観に行きました。場所はリオスイートのあのチッペンデールの舞台。チケット売り場はどこかと探していると、KAで帽子を担当しているブランディがいらして場所を教えて下さり、一緒に観ることになりました。
 ブランディに訊きながら“何か”の様子が分かってきました。もうすぐイースターがあります。その時にかぶる帽子をイースターボネットといい、今日はそれのコンテスト。ラスベガスで事業をしている団体が参加出来ると言う事でした。主催しているのは、神父さんを中心にHIV感染者ととエイズ患者の支援をしている団体で、チケットの収益はそこに寄付されます。
 コンテストが始まると、いろいろなボネットが出てきました。実際にかぶりたいと思うような素敵なものは少数で、思わず笑ってしまうものばかりでした。例えば花屋さんは生花をふんだんに使って頭を覆い、その上に大きな蝶を置いているもの。モデルの方は男性だったようですが、上品に輝く黒のドレスを着て艶やかにお化粧をして全体に素敵なものでした。事務用品を売っているお店は、コピー用紙を積み上げてクリップを垂らしたものだったり、教会は、1メートルぐらいありそうな教会の模型を頭にのせた修道女が出てきたり。各ショーからの参加となると、ボネットを披露する前にダンスやコーラスなどを数分してからおもむろにボネットをかぶった人が出てきたりします。『ジュビリー』は、あのショーらしくピンクの羽を使った素敵な帽子。『オペラ座の怪人』は、あのショーらしくキラキラ輝く豪華な感じ。『チッペンデール』は、あのダンサー達のフィギュアモデルがぐるりと取り囲まれているものでした。『ジャージーボーイズ』は、あのショーに出ている主役の方々がショーの中の一場面をするところから始まったので、ボネットが出てくる前に客席からはシャッターを切る音が聞こえました。
 さてさて、「次だよ。」とブランディに言われると、KAの仲間の登場を待つことになりました。参加団体名は『KA』ではなく『Art of Love』。まずはブライアンが出てくると、筆を持ってキャンバスにハートを描き始めました。そこへ同じハートの付いた衣装を着たエリカが登場します。KAでメイクを担当するティッシャはバレエシューズを履いて踊り、ピエールルックがボールのジャグリングをしながら現れると、ボビーが宙返りをして横切りました。ケリーはスティルツと言われる竹馬のような物に乗って現れ、それを見たことがなかった私はビックリしました。そして最後にエリカとブライアンが少し間隔を空けて並ぶとそこに大きな板が載せられ、脚が長く背が高くなっているケリーがもう一つ棒をその上に載せ、三つの扇子を一つ一つ広げました。扇子を広げると“Art of Love”と単語が並び、板の端からは布が出て来てそれを広げてボネットの完成です。
 彼らの作品は、それまでのものとは全くと言っていいほど何もかもが違かったので、反応をどうしたらいいかという感じの客席。私は好きでしたが、さてこのボネットはどう評価されるのだろう…。
 全てのボネットが紹介されると、もう一度それをかぶった人たちが登場し、舞台を一回りします。エリカとブライアンのかぶったものは、二人にかぶせたあることもあり大きく不安定で、小さな舞台を回るのが大変そうでした。
 結果発表は3位から。同点の3位がいくつかあり、同点の2位がいくつかあり、「ふーん。」と思いながら聞いていると、なんと1位はKAの仲間『Art of Love』でした。びっくりして跳びあがって喜んだのは私達観ている側だけでなく、舞台に立っているみんなもです。
 終わると、振付をしたローラに会いました。これはローラが中心になって行ったものかと思うとそうではなく、衣装部屋のジェニーが持ちかけたもので、彼女が衣装もボネットもすべて作ったという事でした。彼女はとても喜んでいて、また、楽屋に行くとメイクなどを手伝った他の衣装部屋のみんなも本当に嬉しそうでした。
 彼女のボネットだけでなく、他のボネットのほとんどが寄付され、オークションに掛けられるという事でした。
 アメリカへ来て感心することの一つは慈善事業への参加です。出来る人が出来ることを気負わずに出来るこの雰囲気は素敵だと思います。参加したみなさん本当におめでとうございました。