のんのん太陽の下で

初めての一人暮らしが「住民がいるんだ・・・」と思ったラスベガス。
初めての会社勤めが「夢を売る」ショービジネス。

6時15分前に知ったこと

2009-04-15 | KA
 ヨガをしていると、ライトに呼び出されました。「今日出演するの知っている?」ビックリすると、配役表を見せられ、確かに今日の日付に“NORIKO”と。そこに居たステージマネージメントのみなさんに笑われました。「配役表は観たのですが、それはまだ先週のだったかもしれません…。」と言い、お礼を言いながらすぐにトレーニングルームへ戻り、ヨガの先生にお断りして更衣室へ走りました。
 更衣室の前では、カツラ担当のメイガンが笑っていました。どうやら私がいつもの時間に彼女のところへ行かないので、心配して連絡を取ってくれたようでした。お化粧もまだ完成されていない状態だったのを見て、「お化粧をしながら、髪の準備をしてあげるから。」と言ってくれました。お蔭で、15分後の6時には、通常の6時の状態に全てが整っていました。ヨガの前にはジャイロキネシスをしていたので、身体の準備もできています。あとはフルートを回すこと。フルートを持ってトレーニングルームへ駆け上がりました。途中でステージマネージメントのライトにもう一度お礼を言うと、彼は「混乱させてしまってごめんね。」と。私が悪いので謝っても、そのことは何も言わずに送り出して下さいました。
 それから、いろいろなことを振り返りました。まずは先週の土曜日に今週の配役表を見た時のこと。来週から代役の日は隔週となると言われていたのに、私が見た配役表は変わっていませんでした。そのことは、代役の日となっている今日、時間があるので訊いてみようと思っていました。でも、時間が掛かることではありません。それを事前にしていたら、こんなことにはなりませんでした。
 今日、出勤途中にアーティストコーチのマチュウに会い、イスを持っていることを尋ねられた時、「そうだよね、今日はアイの日だもんね。」と言われました。昨日、彼女に床のことを話した時も、すっかり今日は代役の日と思って話していましたし、彼女も何も言っていませんでした。
 でも、考える余地がなかったわけではありません。昨日のショーの最中に、父役のグリシャが「今週はずっとノリコが出るんだよね。」と言いました。ジェニファーと話している時も「なんだ明日は代役の日ではなくてノリコが出るのかと思っていた。」と言われました。そこで出ていたサインに、気付くべきでした。
 愚かではありましたが、6時にはいつもの状態になっていたことが私を安心させ、焦らずショーに臨むことが出来ました。それどころか、とても幸せな気持ちになってきました。
 ショーに出る日と思ったら、仕事前のあの行動はできなかったから、良かったのかな。到着が自分の予定よりも遅れて、お昼は半分しか食べられなかったけど、今日は大きなサンドイッチにしたから、お腹がいっぱいになり過ぎず、良かったのかな。そして、メイガンのお心遣いに改めて感謝し、ライトの話し方に感謝すると、自分の愚かさよりもショーに出演する喜びが断然に上回り、6時15分前に知ったこととは思えないくらい、自分でもびっくりするほど落ち着いてショーに臨むことが出来ました。この幸せを運んでくれたのはあの二人。感謝を込めてショーをしました。
 お客様の中には、こちらを向いて一生懸命に手を振って下さる、日本からと思われる女性二人の姿が見えました。今日は出演できて本当に良かったと改めて思いました。
 愚かな私の愚かさを思い知らせずに、舞台に立たせてくれたメイガンとライトのお蔭で、私はいつまでも幸せな気持ちで過ごすことが出来ました。感謝致します。