のんのん太陽の下で

初めての一人暮らしが「住民がいるんだ・・・」と思ったラスベガス。
初めての会社勤めが「夢を売る」ショービジネス。

何も出来なかった

2010-02-10 | KA
 先日大きな事故に遭ったアーティストと、階段ですれ違いました。あんなに大きな事故であったのに、彼はもう軽快に走っていました。ビックリしました。
 一回目のショー、キャプティビティに出ていく直前に暗いと思いました。暗い中でスポットライトになると、投げたものが見えにくくなり、危険です。何が起きているのか緊張しながら舞台に出て行くと、今度はいつもより明るくなっているのを感じました。さて、明るさにどれくらいの違いがあるのでしょう。さらに、換気扇の音がとても大きく、静かなシーンには有り余る大きな音を立てて回っているのが聞こえました。その音は大きすぎて、踊り始めの音が聞こえませんでした。予想して動き始めると、音が良く聞こえた時には早過ぎていることが分かりました。天井にはライトがたくさん点いていました。スポットライトの中に入って見えなくなるようなこととは違い、たくさんの様々な色のライトがごちゃごちゃ点いていていて、フルートを投げると、オレンジ色と白色のフルートは同じ色のライトの中に入り、どこにあるのか分からなくなりました。フルートを見失いました。さらに、踊っていると、正面が分からなくなりました。
 がっくりしながら舞台を降り、そこに居たステージマネージメントに謝ると「ちょうど始まる時に問題があって…。」と。一階上がるとすぐにステイシィに会い、謝ると「普通問題があると電気が落ちるでしょ。でも今日は全部点いちゃったのよ。次はノリコだから、って思ったのだけどどうすることもできなくて。」
 ニコルはいつもさっぱりしている人なのですが、「よくあの中でやったわね。」と。私は、何も出来なかったと言っても、全く問題ないかのように「あの中であれだけやって感心するわ。」とニコニコしながら過ぎていきました。私は、もっと出来なければいけなかった、いや、もっと出来たはずと考えられるのですが、ありがたい言葉でした。
 二回目は、ライトの問題は直ったと言われました。そこでいつも通りできなければ、一回目に出来なかったのは電気の所為にしたことになってしまいます。だから緊張しました。
 ショーが終わってからステイシィに会うと、彼女はもう一度謝ってきました。私は「いえ、私がもっとちゃんと出来なければいけなかったのです。」と言いましたが、彼女は「あんなにライトが点いたら出来ないでしょ。あなたは何も心配することないのよ。」と。みなさんの言葉は少しは慰めになっているのでしょうが、お客様のことを思うと、いつまでも悔いが残りました。
 『瀕死の白鳥』の曲を見付けたので、合わせて見ましたが、音がゆっくり過ぎます。全てが不完全な状態。金曜日までに何とかなるのでしょうか。
 夜は、マッスルミュージカルの出演者、バトントワラーの方の誕生会に誘って頂きました。私も参加させて頂くということをみなさんが内緒にしていたので、彼女は本当に驚いて喜んで下さいました。パーティ開始からもう時間がだいぶ経っている時にお伺いしたので、始めは自分の居場所に戸惑いましたが、みなさんがいろいろな思いを話しに来て下さると、落ち着きました。誠実に舞台に立っている若者達の話を伺えて、心が嬉しくなるひとときでした。