のんのん太陽の下で

初めての一人暮らしが「住民がいるんだ・・・」と思ったラスベガス。
初めての会社勤めが「夢を売る」ショービジネス。

美しい涙

2010-08-21 | KA
 陽の光が、長く部屋に差し込み始めたことに気付きました。

 昨日、イベント出演のことで涙を流していた二人。真剣に取り組んでいるからこそ、流れた涙。あまりにも悔しんでいたので、メモ程度の短い手紙を書き、彼女達の机に置いておきました。ジェニファーが入ってくると、その手紙を読み、涙を目にしていました。彼女がいつも考えていることがそこに書いてあると言い、天国のおばあさまのことを思い出したようです。少し話してくれました。シェリーが入ってくると、彼女も目に涙をためながら、「ホントウニ、アリガトウゴザイマス。」と日本語で言いました。私も涙を目にためながら、お化粧を続けました。
 しばらくしてトレーニングルームから戻ると、彼女達はしんみりとした感じでお化粧をしていました。そして、私が支度をしていると、「シェリーにおばあちゃんのこと話したの。」とジェニファーが言い、今度はシェリーがおばあさまのことを話し始めました。時々声を詰まらせながら話す彼女達。私の目からも涙が零れていました。彼女達の話を聞き、私は自分の祖母のことを思い出していると、また涙が零れてきました。お互いに亡き人のことを想った少しの静かな時間。すると、「ごめんなさいね。」と彼女達。私は、私も涙を零していることを伝えました。そして、「こうやって、昔を振り返りながら亡き人を想い、涙を流せるって、時には良いじゃない。」と言い、美しい涙だと思うと言いました。
 整った身体でショーが出来るのはとても嬉しく、弾んでいました。その上、シェリーとジェニファーのお蔭で安らかな気持ちでいました。ところが、何もかもが整い過ぎている気がしてきて、踊る前には緊張してきました。おもしろいことです。
 二回目のショーのお客様は、声を出す方がたくさんいらっしゃいました。また、バックステージテクニシャンのお嬢様もいらしていたようです。五歳になり、初めて観たKA。私のキャラクターをとても気に入ってくれたようで、お手製のカードを頂きました。純真な子供に喜んでもらえることは、とても嬉しいです。
 ショーの後、ゲイルの楽屋での小さなパーティに招待して頂き、ひと踊りしてから、少し遅れて伺いました。ゆったりとお喋り。ここの楽屋ならではの雰囲気は、楽しかったです。
 帰りも、時々強い風が吹きました。建設中のThe Cosmopolitan of Las Vegas、大きな看板に点灯されていることに気付きました。
 帰ると詩集が届いていました。六十歳になったら一冊の詩集を創り上げるという、十六歳の時からの夢を叶えられたそうです。素敵な人生、素敵な詩集。先生らしい水色の詩集を眺めながら、いろいろなチャンスを与えて下さり、私のバトンを発展させて下さった先生のことを改めて思い出しました。還暦おめでとうございます。