のんのん太陽の下で

初めての一人暮らしが「住民がいるんだ・・・」と思ったラスベガス。
初めての会社勤めが「夢を売る」ショービジネス。

ビーチ、クライム、デュエットなし

2010-12-08 | KA
 曇り空で少し寒かった朝ですが、出掛けるころには晴れました。
 ピラーティスを終え、ステイシイの部屋でミーティングが行われているのを横目で見ながら通り過ぎ、階段を下りました。すると「ノリコ、ステイシイのところに来て下さい。」と呼び出し。すぐに戻りました。
 今日は、ビーチの場面が出来ないとのこと。アーチャーズデンから影絵に直接行くから、「あなたは走らなくてはならない。」とのこと。計画をホワイトボードに書いて説明して下さると、オートメイションがこの為に直した舞台の動きを丁度モニターで観ることが出来ました。四時から四時半頃リハーサルをしてみるとのことでしたが、その時間にカツラ合わせが入っていました。しかし、それはキャンセルするとのこと。それなら時間は大丈夫だと思い、昼食をとっていました。すると、衣装部屋の方がいらして、カツラを作って下さっている方がいらしているので、カツラの合わせは今日でなければならないと言われました。都合の良い時間を訊かれましたが、リハーサルが何時に始まるか分からないので何とも言えず、遅いよりは早い方が良いので、お昼を半分でやめて、すぐに試着をすることにしました。四時前に終わったので、メイクを始めると、アーティスティックコーディネイターがいらして、少し話すと、すぐに呼び出されました。
 パスレイルと呼ばれる花道のような部分は、安全を確保するためのエアバッグの準備が間に合わないので使えないとのことで、影絵は客席から出るように言われました。舞台の準備が整うのを待ち、準備ができるとアーチャーズデンで使われるタタミと呼ばれる舞台にのり、その舞台が引いていき、私が舞台から降りて客席とのドアまで行き着くのに、どれだけ時間が掛かるか測りました。「競争するように走らないでね。」と何度も言われていたので、軽く走りましたが、時間は充分ありました。それから、もう一度舞台をセットし直して、今度は照明付きで行うことにしました。普段はパスレイル横にあるライトで安全を確保できたか知らせることになっていますが、客席に出て行くとなるとそのライトのところで待機は出来ないので、ステージマネイジメントがついて下さることになりました。シェリー達も客席を使うので、私はいつものところではなく、二列目の椅子の陰に隠れました。いろいろなことを確認して、大丈夫と言うことになりました。
 戻るともう四時五十分でした。舞台を動かすのに時間が掛かるので、こういうリハーサルには時間が掛かります。それからお化粧を急いでして、ヨガに急いで向かい、六時から特別のミーティングがあるというので早目に終わりにして頂いて、一度通し練習をして、ミーティングに向かいました。ミーティングでは、昨日の電球のことで今日はクライムだけではなく、ビーチの場面も出来ないことを伝えられました。ビーチで使われているコルクにもガラスの破片が見付かった為とのことでした。コルクは全部を取り替えるようですが、ポルトガルから来るコルク、一度六月に注文を入れたところ、その会社で火事があり、その後は運搬に問題、ストライキがあって、届くのに時間が掛かるようでした。古いものを掃除して、水分を含ませて、ショーで使えるようにするには最低四日間は掛かるということ。今週いっぱいは、ビーチの場面をカットすることになるだろう、クライムは、もしかすると二回目はできるかもしれないとのことでした。私がどう走るかも事細かに説明され、他に大きな変更があるアーティストの名前と、どう行動するのかが言い渡されました。ビーチの場面がカットされるのは、ショーが始まって以来、初めてのことです。
 一回目のショーの為に待機場所に向かいながら「グッド・ショー。」といつものように声を掛け合っていると、「ハッピー・ランニング!」とプロップスの方に言われました。私はにこっとしました。
 アーチャーズデンの後、いよいよ走り始める時に、父役が少し邪魔で、衣装部屋の人とその後ろを歩くアーティスト二人位が邪魔でしたが、間に合いました。ステージマネイジメントも一緒に客席を走って下さって、安全ネットの確認を知らせて下さいました。いつも走っていますし、今日の距離はそれより短いので、思ったよりも大変ではありませんでしたが、それよりもクライムもなく、身体の動かしが足りないかと思えるほどでした。
 いつも精一杯のことをしようと思っていますが、ビーチも、クライムも、この後のデュエットもない今日は、“しなければならない”という感じでした。無事に踊り終えられて良かったです。ところで、私達クリフデッキに入っていますが、それは大丈夫なのでしょうか?
 スレイヴケイジに向かう時、シェリーが、「ここまででいつもより十五分早い。」と言いました。お客さまに申し訳ないと言い、ライオンキングとか、代役の時はお知らせが出ていたり、何か問題がある時もお知らせがあるのでしょうがないと思うが、KAはそれがないからと本当に申し訳なさそうに言いました。彼女は「私は、影絵を長くやることだってできるのよ。ショーの時間が二十パーセント短い分、チケットの割引があっても良いくらいだと思うわ。」と。
 ビーチがないので、ヒトデもカメもエピローグに出てきません。イモムシのズラがその隙間を埋めるように、演技を長くしていたのは可愛く、経験を積んでいると思いました。お客様の前に出てからミュージシャン達の方を振り向くと、舞台ががらんとしていました。ショーは二十分程早く終わりました。ショーの開演時間が今と違っていたとき、一回目のショーの後に今よりも長い待ち時間がありましたが、今日はその時を思い出しました。
 ズラがモンゴルの赤ちゃんのことを話してくれました。お医者様は、産まれてくる赤ちゃんの性別を言ってはいけないことになっているそうですが、いわゆる“袖の下”で知ることも出来るそうです。しかしながら、それが外れることがあるそうで……。
 さて二回目。一回目は上手くいきましたが、ここで安心してはいけません。二回目こそ、注意深くしないといけないと思いました。ジュリアが、「グッド・ショー、グッド・ラン!」と言いました。アーチャーズデンの後、父役は相変わらずでしたが、一回目で邪魔だった人たちもよけてくれて、スムースに走れました。少し余裕があったので、少し演技も付け加えられました。
 今日は隠れたところの席にお客様はいらっしゃいませんでいたが、明日は空いていないかもしれないので、上手く隠れられるかと考えながらいました。
 二回目のエピローグの前、ブライアンが、ソノマでのチャリティーショーでお世話になった方がいらしていると教えてくれました。ショーが終わるとカツラを取り、彼女にお会いして、衣装を脱いで、トレーニングルームへ行きましたがまだ二十三時。
 今日のショーは、双子の男の子に関係する場面はそのままで、女の子の場面が三つ抜けていました。物語が、分かり難かったことでしょう。私は次々に走って登場していたような感じでしたから、こちらの繋がりは分かり易かったと思われます。次々に出番なのは、もしかすると身体には良さそうですが、本当にお客様には申し訳ないです。明日はせめて、クライムが入りますように。
 多田先生から嬉しいメールを頂きました。ありがとうございます。