山頭火つれづれ-四方館日記

放浪の俳人山頭火をひとり語りで演じる林田鉄の日々徒然記

ふるさとはみかんのはなのにほふとき

2011-01-15 16:34:24 | 文化・芸術
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―世間虚仮― 大阪7.7%、全国81.6%

この圧倒的な数値の差はなにか、といえば中学校における完全給食実施率。
滋賀46.0%、京都61.7%、奈良69.2%、和歌山55.6%、兵庫50.7%と、総体に近畿府県での普及は低いが、それにしても大阪の低さは他を圧倒している。因みに神奈川が16.1%で、大阪と神奈川がその低率において双璧だ。
統計は09年5月1日現在の状況だというが、これはいったいどういう背景や行政事情あってのことか、理解に苦しむ。

その昔、私が小六の時だったから、半世紀以上にもなるが、小学校における完全給食実施三周年とかの記念イベントが中之島公会堂で開かれ、学校から児童代表で出席させられた記憶がある。
舞台にあがって、各学校からの児童代表たちがシンポジウムよろしく意見交換をするといった躰の場面があったが、たしかこれには、ご丁寧にも事前にリハーサルのための場が設定されていたりして、ヤラセもいいところだったが‥。
それはともかく、小学校における完全給食実施に関して大阪は、おそらく当時としては、全国に先駆けその普及を誇っていたのだろう。
それが半世紀を経た今日、中学校の完全給食実施率において逆転現象どころか、きわめて特異な現実にあるというのは驚きを超えてあまりあるというもの。

―四方のたより―

<日暦詩句>-5
わたしの屍体に手を触れるな
おまえたちの手は
「死」に触れることができない
わたしの屍体は
群衆のなかにまじえて
雨にうたせよ
   ―田村隆一「立棺」より-昭和31年―

―山頭火の一句― 行乞記再び -138
5月24日、晴、行程わづかに1里、川棚温泉

すつかり夏になつた、睡眠不足でも身心は十分だ、小串町行乞、泊つて食べて、そしてちよつぽり飲むだけはいただいた。
川棚温泉―土地はよろしいが温泉はよろしくない-嬉野に比較して-、人間もよろしくないらしい、湯銭の3銭は正当だけれど、剃髪料の35銭はダンゼン高い。

妙青寺-曹洞宗-拝登、荒廃々々、三恵寺-真言宗-拝登、子供が三人遊んでいた、房主さんの声も聞える、山寺としてはいいところだが。―
歩いて、日本は松の国であると思ふ。
新緑郷―鉄道省の宣伝ビラの文句だがいい言葉だ―、蜜柑の里だ、あの甘酸つぱい匂ひは少年の夢そのものだ。
松原の、松のないところは月草がいちめんに咲いてゐた、月草は何と日本的のやさしさだらう。

※表題句の外、4句を記す

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Photo/寿永2-1183-年の開湯といわれる下関の奥座敷、川棚温泉

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Photo/曹洞宗龍福山妙青寺の山門

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Photo/三恵寺境内の石仏たち


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