<世間虚仮>
<「人体の不思議展」の不思議??>
*http://www.jintai.co.jp/main.html
東京で「人体の不思議展」という催しが大層評判を呼んで連日大入りだそうな。
プラストミック標本なる新技術で、あまりにもリアルな実物の人体標本に触れられるというので、評判が評判を呼び、昨年の9月から開催中の東京国際フォーラムではすでに2月末日まで会期の延長をしている。
ところがこの催し、なんともいかがわしく胡散臭いのである。
3年も前から全国的に展開しているイベントだというのに、
そのタイトルどおり、どうにも不思議なこと、怪異なことが多いのだ。
ネット探索してみると、どうしても以下のような疑問点なり怪異な情報が浮かびあがってくる。
1. 主催団体の実態がよく判らないということ。
「人体の不思議展」HPを閲覧しても、主催-人体の不思議展実行委員会とあり、総合企画・運営のマクローズ社なるものも実態は詳らかでない。販売出版物の連絡先となっている㈱日本アナトミー研究所もこれまた実態が明らかでない。
しかし、この催し、2002年3月の大阪を皮切りに、広島、福岡、名古屋、東京、札幌、静岡と経てきて、現在開催中の東京、さらにこの後、京都、新潟での開催が予定されている。日本の大都市をほぼ網羅して巡回しているというイベントなのに、実態のない団体が主催しているとはあまりにもミステリアスだ。
2. プラスティネーションからプラストミックへ、
その標本技法の名称が変化していること。
この人体標本の技法を発明考案した人物は、ドイツのフォン・ハーゲン博士なる人物らしく、彼の標本技法は「プラスティネーション」というのが考案者自ら名付けた名称のようだ。ところが、この人体不思議展では同じ技法でありながら「プラストミック」標本と別称を名乗っているのは何故か、これまた奇妙ではないか。
*ドイツにおける人体不思議展
http://hotwired.goo.ne.jp/news/news/culture/story/20010521207.html
ところで、1995年9月から11月に、日本解剖学会主催で国立科学博物館において「人体の世界」という名称の展覧会が開催されているのだが、この時の標本技法の名称は「プラスティネーション」であり、後援にドイツ大使館が名を連ね、また協力にハイデルベルク大学」の名があるところを見ると、標本開発者であるフォン・ハーゲン博士との結びつきも明らかだろう。しかるに、現在進行中の「人体不思議展」では同じ標本技法でありながら「プラスティネーション」の語もフォン・ハーゲン博士の名前も一切触れられていないのは何故か、頗る疑惑がつのる。
*日本解剖学会主催「人体の世界」展http://www.kahaku.go.jp/special/past/human/human.html
3. ハーゲンス博士のドイツでも、国内各地で展覧会開催中で、
且つ、アメリカでも西海岸を中心に展開中とか。
日本で開催中の昨年、同時期に、ハーゲンス博士はドイツ国内においてと同様、アメリカにおいても「人体の不思議展」を開催しているが、これらの記事には、日本での三年間に及ぶ同様の開催に触れた記載はまったくない。
*フォン・ハーゲン博士が仕掛けたアメリカにおける人体不思議展。上
http://hotwired.goo.ne.jp/news/news/culture/story/20040910201.html
4. 中国には、標本技法開発者フォン・ハーゲンス博士の経営する、
社員200人を抱えるプラスティネーション製造の会社があるとのこと。
さらに、この記事の末尾には、上記のごとく、ハーゲンス博士のプラスティネーション製造会社があるという。
*フォン・ハーゲン博士が仕掛けたアメリカにおける人体不思議展。下
http://hotwired.goo.ne.jp/news/news/culture/story/20040913207.html
そして、日本の「人体不思議展」に展示されている標本の献体者はすべて中国人だということだが、ここにも大きな疑念が起こる。献体といえば医学発展のためと聞こえは良いが、日本のような「献体に関する法律」に則って為されていれば問題なかろうが、この場合、生前の契約に金銭の授受が介在することは大いに可能性としてあるとみるのが妥当だろう。もしそうだとしたら、あまりにも人道上問題ではないだろうか
*A.K氏のDiaryより
http://homepage2.nifty.com/treknz/diary_031101_human_body.html
5. 東京開催と同時に、現在、北京でも開催中との情報もあり、
且つ、これらの主催団体は、ハーゲンス博士から抗議を受けているという情報。
現在、日本だけでなく、同様の開催が北京においてもなされているという。
しかも、これらの主催団体、日本の場合は㈱日本アナトミー研究所なのだろうが、ハーゲンス博士から抗議を受けているというのだ。
*ブログ「okey-dokey」より
http://www.nora.co.jp/mt/turkey/archives/000185.html
上掲の事柄を総合勘案するに、浮かび上がってくる事実は、この標本技法を開発したフォン・ハーゲン博士本人もとかく問題の人であり、賛否両論、賞賛と非難の渦中にあるようだが、
日本における「人体の不思議展」なるものは、かのハーゲン氏が経営するといわれる中国の標本製造会社が日本の主催者サイドと結託し、ハーゲン氏に秘密裏に仕掛けているのか、或は、標本を横流ししているケースが考えられるのではないか。
いずれにしも、いかがわしく胡散臭いもので、これに対して週刊誌などのマスコミも取り上げた形跡もなくひっそり感としているのも、まったく腑に落ちない。
なにやら闇の事情があるのか、裏世界が絡んだイベントやもしれぬなどと、穿った観方も否定しきれない、と思うのだが如何。