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田村一/からみコップ すっぽん口
コップという名ですが、酒器や茶器として活躍してくれそうなサイズです。
【からみ】については、田村さんの詳しい説明があるので、ラストに転記させていただきます。
からみに続き、気になるのが「すっぽん口」。
口と付くように口縁の造りが由来です。
田村さんの口縁は、のびやかでシャープな印象がありますが、すっぽん口は、一度、縁を内側に絞りってあることを言います。
形が、すっぽんの頭に似ているということで、その名がついたと言われています。
天目茶碗に見られる造りで、内側のせりあがったところで、酒や茶が一度止まり、一気に流れてこないようになっています。
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すっぽん口の幅に違いがあり、自分みたいな たらこ口には、幅が広い方が合う気がします。
画像をクリックしていただけるとon-line storeに繋がります。
ちなみにすっぽん口でない からみコップはこちら
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さて、からみについてです。
少し長文ですが、秋田県らしいモノ作りにこだわった、田村さんの言葉にお付き合いください。
「からみ」ですが、これは簡単にいうと鉄とマンガンの化合物の結晶です。
秋田には銅山が数ヶ所ありました。そこで産出される鉱石から銅を選分け抽出する際に出るこれらの金属を含んだ不純物を「からみ」と呼びます。からみは必要ないものなので、鉱山の周囲に小石状になって廃棄されてました。それを数年前にお客さんには何かに使えないかということでいただいたのですが、当初どう使えばいいかまったく分からなかったですが、ある日埋め込むことを思いつきました。
鉄とマンガンが主成分なので融点が低く、本焼きする事で釉薬の中に成分が解け出してなかなか、面白い効果になります。なかなか宇宙的かと。
このからみはは阿仁銅山産のものになります。
(田村一)
ギャラリー樟楠