月の晩にひらく「アンデルの手帖」

writer みつながかずみ が綴る、今日をもう一度愉しむショートショート!「きょうという奇蹟で一年はできている」

江戸のサクラ咲く。

2018-04-10 23:48:35 | 東京遊覧日記



東京の桜は、都会の空気を深呼吸する低温の桜だ。花が白く乾燥している(暑かったせいだろうか)

こちらは日本橋の背高のっぽのビル群に守られた桜。







私の目がなんとか桜の中に、江戸風情をみようとしている。



皇居の西側、千鳥が淵。
菜の花と壕と、水辺。そこに桜が花弁をひろげて悠々と幸せそうにたくさん、並んで植わっていた。
















手こぎボート場の反対側を歩いた後で、芝生の堤防をかけあがって、今度は松並木をてくてくと歩き、東京近代美術館や日本武道館の方向へ。

夕暮れ時が近づいていた。

千鳥が淵の遊歩道を45度ほど歩く。
初夏の雲間を歩くように、ふわっふわっと江戸のサクラは咲いていた。

 「今度は手こぎボード絶対に乗ろっと」
 「誰と、、、、?」
 「来年の春、一緒にいる彼氏だね」








 
ふーんと鼻で笑ったが、ちょっと嫌な予感。Nの横顔は不確かで何かをはぐらかしたようないやな笑い方だった。
 (ここで純粋なはにかんだ可憐な花のような笑顔がみたい)


東横線「中目黒」。
















そこから桜をみながら、約1時間ほど歩く。
雑踏は容赦がない。京都の混雑はひと味違う、若者ばかり目立つ。


夕方からの日差しが桜に乱反射して、ノスタルジーな空気感。
みる角度によっては、夙川や芦屋界隈にもみえなくはなく、おそらくそれは目黒川の川幅が狭く、(桜の大木が両端から手を広げてつないだように)小世界的な美しさがこう見せるのだろう。

緑の季節も気持ちいいだろうな。

それにしても、両側には屋台やカフェ、ブティックが立ち並び、人、人、人。東京の桜はにぎやかだ。
 

 
少しいくと、「COWS BOOKS(カウズ・ブックス)」をみつけて小躍りする。
あれもこれもほしくて悩んだあげく、幸田文さんの著書「季節のかたみ」を購入。

今度は反対側のファッションブティックで
アースカラー調の天然素材で仕立てたイタリア製のワンピースとスカートを買ってしまった。

夕ご飯は、恵比寿。「アンティーカ・ピッツエリア ダ・ミ・ケーレ恵比寿」へ。

本場さながらの陽気な雰囲気。本場ナポリで150年続く老舗だ。
定番のマルゲリーターもこの大きさ。薄皮のピザはトマト&チーズ、バジルの風味がいきたジューシー満点!
最後まで食べ飽きず、2枚くらいペロッといけどうなほど軽いピザ。
ビールをグイーと飲み、このチーズたっぷりのピザをほうばる、タコのカルパッチョも、新鮮なタコが噛むほどにコリッ。
1日弾丸東京も、これにて本日はエンド。