虹のくうき ~ヒーリングミトン~

カラダとココロが喜ぶこと大好き♪

アロマ・アーユルヴェーダ・お料理をご提案いたします。

ケンの葱ゴマやきめし

2011-03-22 | おいしいもの
私の本棚に、10年以上前の雑誌があります。
その雑誌には、小林カツ代さんのコラムが掲載されています。

1度は処分しようと思った雑誌。
掲載されていたコラムを読んでみたら、なんとも胸にジ~ンと沁みました・・・・

それ以来、この雑誌は永久保存版です。

ここに、そのコラムをご紹介いたしますね。



「ケンの葱ゴマやきめし」



1995年 1月17日。
日本中がショックをうけた阪神淡路大震災。

ある日、震災関係の報道写真を見ていて目にとまったのは、
犬や猫や、え?こんなものまで?
と言うような動物たちが、ところ狭しと収容されている写真です。

みな、自分がなぜこうなったのか理解できない悲しげな目。

人々にはもう手厚い援助が各地から届いていました。

しかし、動物たちに何か手助けをと、行動する人に必ず言われる言葉は
「人間をさしおいて!」なのです。

だからこそ、動物にというより動物ボランティアの人達にお礼を言いたくて、
3月初旬現地へ。


私とケン(息子さんで料理人のケンタロウさん)は、
まるで露営するかとばかりの大荷物。

仕事で疲れ果てた体を夜行に乗せて、アークという動物保護施設にやっと到着。
イギリス人のエリザベスさんが私財で作ったもので、
彼女の母国から何人ものボランティアが来ていました。

ただ動物の世話に明け暮れている人達の大半がベジタリアンです。

不便な土地ゆえ、水煮缶の豆だけが彼らの食事。
ホロリと涙が出そうになりました。

ちょっと待ってと大急ぎでご飯をいっぱい炊きました。
何か材料があるかと聞くと、葱とゴマくらいしかないと。

「じゃ、葱とゴマだけで”やきめし”作るか」とケンは言い、
2人で葱を山ほどきざみました。

彼は黙々と炒め始め、部屋中がなんともいえぬ、香ばしい香りに包まれました。

大皿にあふれんばかりの葱とゴマやきめし!
大急ぎでボランティアの十数人に。

あっという間と言うけれど、
ほんとに、右向いて左向いている間にお皿はカラッポ。

また葱をきざみ、炒める。

いったい何皿作ったことか・・・・

山間部だからとても寒いのに彼の額には汗がにじんでいました。

出来上がっては次々運び、次々無くなりました。

右手はしばらくしびれていたそうな。

でもどの人も嬉しくて嬉しくて、
美味しくて、美味しくての顔。

ご飯と山ほどの葱といりゴマだけの香ばしい醤油味のやきめし。

こんなに少しの材料で、みんなが幸福な気持ちになれるなんて、
料理って本当に素晴らしい。

それから毎月ベジタリアン料理作りと、
犬猫里親探しと犬猫を届ける人間宅配便を2年間しました。

大変ではあったけれど、
いろんなことを学んだ日々でした。











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