暑さ寒さも彼岸まで、なんてことをよく言いますね。ここへきて、私の住んでいる辺りはようやく秋めいてきた感じがします。
皆さまのところはいかがでしょうか。
お彼岸というのは日本独自の風習で、元々の仏教にはないものです。
抑々先祖供養という観念が仏教にはなかった。お盆にしろお彼岸にしろ、遥かなる往古より日本にあったと思われる祖霊信仰を、仏教にうまく取り入れて祖霊信仰が廃れないように仕組んだもの、なんですね。
よほど賢い人がいたんですねえ。
お墓というのは縄文遺跡などからも出土しているし、しかも人間だけじゃなく、犬を埋葬した跡も出てきているとか。
亡くなった方を土に埋める風習は遥か昔からるわけですが、しかし一方では
例えば平安時代の京の都では、三条河原あたりに遺体を遺棄する習慣があったといい、必ずしも土に埋めるわけではなかったらしい。
川というのは「異界」との境界線。だから河原に遺棄することで、亡くなった方々が境界線を越えてあの世へ行けるようにする、とでも考えたのかな。
どことは言いませんが、ある山深い山村では、遺体を山に遺棄する風習があったらしい。いわゆる「風葬」あるいは「鳥葬」というものです。
山は神が住まう神聖な場所であり、人が亡くなると行く場所でもあると考えられていましたから、遺体を山に遺棄するというのは、先祖のおられる場所に届けるという意味で、これはこれで先祖供養なわけですよ。
日本中どこへいっても先祖供養、祖霊信仰の風習は必ずある。ただその「かたち」が、時代や地域によって異なっていた。
けれども、祖霊信仰そのものが、廃れたことはなかった。
日本人にとって、先祖供養、祖霊信仰はなくしてはならない大事なものだった。
だから、今でも廃れることなく続いている。
秋のお彼岸。現代までも続いている、日本人にとってとても大事な風習。先祖供養。
かたちはどうあれ、先祖を思う気持ちが大事。
先祖へのご供養、しましょうね。
できればお墓参り、
してあげてね。
小田和正『秋の気配』
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます