リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

民進「一発逆転」ねらいの希望合流はリベラルつぶしの策謀だ

2017-09-28 | 政治
離党ドミノが止まらない民進党の前原代表が,「希望の党」への合流を表明した(朝日新聞9月28日).「一発逆転満塁ホームラン」をねらったものだというから,やけっぱちとしかいいようがない.だがこれは,単に両党が反安倍政権で合同するというものではなく,民進党が一方的にすべての候補公認を取り下げ,「希望の党」に公認を申請するというものだ.「希望の党」のほうでは,民進党の候補を受け入れるとは限らず,憲法改正への姿勢を踏み絵にして選別する方針だ.これで民進党のリベラル派が公認を得られないことはまず確実で,「党を売る話」との声も出ているという.「希望の党」側ではリベラル系議員については「そういう方はそもそも(公認申請に)来られないんじゃないでしょうか」と完全に突き放す態度だ(夕刊).前原代表はもともと共産党との野党協力に否定的だった(改憲についても自民党に近かったのではないか).前原氏にとってリベラル派の切り捨ては何ともないことなのだろう.もっと勘ぐれば代表戦に立った時から漠然とこのような機会をねらっていたのではないかと思いたくなる.
小池新党=「希望の党」が最も重視するのは憲法改正であり(9月25日のブログ),安倍政権の対抗馬として期待するのは,とんでもない思い違いだ.
こうなると民進党に切り捨てられたリベラル派が結集して新党を立ち上げてくれればと思うが,夕刊によれば,現に「右派新党と一緒になれない」と新党結成を模索する動きもあるが,時間的に難しいという.「無所属で戦って選挙後に一からやり直すしかない」との声も出ているが,ここはいっそのこと共産党や社民党に身を寄せるくらいの思い切った対抗策が必要ではないか.

追記:前原代表に公平を期すため書いておくが,前原氏は小池氏に民進党候補者全員の公認を要請したそうだ.ただ小池氏の回答は「全員受け入れ さらさらない」だった.もし前原氏が本気で全員の公認が受け入れられると思って,事前の調整もなく一方的に合流を表明したのだとしたら,政治戦術としてあまりにお粗末ではないだろうか.

追記2:10月3日の朝日新聞2面「『反安倍』受け皿自壊の恐れ」によれば,前原氏も小池氏との間で「口約束」まではしたらしいが,やはり「政治的稚拙さ」を指摘されている.同じ面の別の記事によれば,民進党内では「前原氏はだまされた」との受け止め方が大勢だという.

追記3:11月19日の朝日新聞が民進分裂に関連する検証記事を載せているが,民進党候補の全員受け入れについては小池氏が「口約束」した形跡は見られない.離党者続出で追い込まれたとはいえ,やはり前原氏の判断は拙速だったのではないか.

追記4:11月21日の朝日新聞に続報.前原氏は希望への合流を提案した両院議員総会において安保法制について「憲法違反の法律はだめでしょう」と言ったという.だとすれば希望の党による「踏み絵」で民進党議員が裏切られたと感じたのは無理もない.だが今回の検証記事を読んでも,前原氏がどこからそういう解釈を持ち出したのか,本当に「口約束」があったようには思えなかった.前原氏の致命的なわきの甘さだ.


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