リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

学校再開できないまでも、限定登校を!

2020-05-16 | 一般
政府は経済活動を再開させるために緊急事態宣言の解除に向けて動いている。学校についても、再開した地域もあるし、再開に向けて動いているところも多い。だがすぐ再開できない地域もあるだろうし、感染状況によっては再度休校という可能性もある。コロナ禍の終息までには年単位の時間がかかるとされており、再開できそうだからと思って安心せず、休校継続・再度休校の場合のことをしっかり考えておく必要がある。

まず、「コロナ対策:「休校」の前に「限定登校」の検討を」でも書いたが、休校するかしないかの二択で考えるべきではない。
学校を普通に再開できる状況であれば再開すればいい。だが再開には踏み切れない場合、たとえば週に一回でも登校日を設けて健康観察したり、課題を交換したりするだけでも意義があるのではないか。週一回なら人との接触を8割削減したことにもなる。学年や学級によって曜日をずらせば、人との接触はさらに少なくできる。登校日には何時間か授業をしてもいいと思うが、心配なら長めの「朝の会」をして、校庭で遊ぶだけでもいいと思う。子供にとってはクラスメートと触れ合うだけでもプラスになる。ただ、限定登校でさえも不安に思う家庭もあるかもしれないから、家庭の判断で登校しなくても欠席扱いにはしない、などの配慮もあっていい。
週一回でも課題の交換は重要だ。1か月の休校となって1か月分の課題を渡されても子供はペースをつかみにくいが、1週間ずつなら日々何をすればいいかがわかりやすいのではないか。つまづきやすい算数だけでも添削してもらえればなおよい(休校中の先生はヒマだという前提で書いた。そうでなければ、添削で教員の負担を増やすべきではない)。習っていない箇所を課題に出しにくいのであれば、復習プリントの添削をしてもらってもいい。できる子にはつまらないだろうが、できない子が追いつき、「格差縮小」のチャンスになる。

だが再開にしても限定登校にしても、学校での子供どうしの密接な接触は避けられることが求められる可能性が高い(4月からの再開が期待されたときもそうだった(過去ブログの追記))。これは今の過密な学級ではとうてい不可能だと思われるが、どうしたらいいだろう。子供どうし、おしゃべりしたり一緒に遊んだりするなと指導したりするのは、子供の成長によくないのではないか。
私も、長期的に少人数学級に移行すべき、という以外、現実的な解決策はないが、限定登校であれば、登校する人数を減らして机の間隔を広くするという事例が海外にある(朝日新聞2020-5-13)。フランスのように「優先職業」の家庭の子を優先して登校させるというのは日本ではなじまないだろう。一方、ドイツでは州にもよるが、クラスをグループに分けて各グループが週2回程度通うなどしているという。完全な再開ができない状況ではこれが現実的な解決策ではないか。

休校継続の場合のオンライン授業についても考えておきたい。
政府は長期化に備えてオンライン授業の環境を整えようとしている。特にタブレット端末の配布を前倒ししようとしているようだ。だが、IT機器は一度購入したら終わりではなく、数年おきに買い替えが必要になる可能性がある。政府は当初だけ政府が支給して、更新は自治体で負担する考えだと先日読んだが、これでは地方財政への負担が大きすぎないだろうか。
また、学校が再開できない場合のオンライン授業やオンライン朝の会は、タブレット端末の整備を待たずに始めることを考えるべきだ。「休校中の先生は何をしている? 長期化を見据えてできることから始めよう」でも書いたように、「全家庭が対応できなければやらない」というスタンスでは何もできない。
ただ、今どきネットワーク環境くらい多くの家庭にはあるが、親が在宅勤務でパソコンを使っていたら子供が使えない、ということもあるかもしれない。親が出勤したら端末が使えなくなることもあるだろうし、親が在宅していても、長時間スマホを占有されたら困る親もいるだろう。パソコンやスマホがない家庭は少数派だとは思うが、オンライン授業中に子供に貸せる端末がある家庭となると、少なくなるかもしれない。さらに、物理的に端末があっても、格安プランなどで動画視聴に制限がある場合もあるかもしれない。この点もふまえた事前の調査が必要だろう。
家庭で端末を用意できないケースが少なければ、そうした子には学校のパソコン室を使ってもらう(朝日新聞2020-5-13夕刊)というのも一案だ。
また、家庭でプリンターを使うことが求められるケースもあるかもしれない。だがプリンターはあってもランニングコストは高いのが普通だ。補助的に使うならいいが、大量の教材を家庭に印刷させるのは、難しいのではないか。

追記:朝日新聞2020-5-16神奈川版は、首都圏でのいろいろな取り組みを紹介している。通信環境が整わない家庭のために学校で視聴することも行なわれているようだ。動画を作成した相模原市は必要なアカウントを生徒に配布しているという。横浜市の場合もそうだったが、どうせ作るなら全国の生徒が見られるように公開すればいいのになどと思ってしまったが、アクセスが殺到してつながりにくくなることを懸念した配慮なのだろう。
緊急事態宣言が継続になった神奈川県でも、松田町では週1~3回の登校日を設けるという。ただ、やはり登校は任意であり、出席しなくても欠席扱いはしない。この記事で初めて知ったが、神奈川県教育委員会は各市町村教委に対して休校中の登校日は週1回程度できると通知しているという。緊急事態宣言の現状であっても、週1回の登校日はやはり許されているのだ。
ただ、限定登校にしてもオンライン授業にしても、それによる学習内容が「履修」したことになるのかどうかははっきりさせておいたほうがいい。出席が任意の限定登校であったり、全員できるとは限らないオンライン授業であれば、正式な授業ではなく「履修」にはならないのだろう。学校再開時にまた同じことをやるかと思うと学ぶ側のモチベーションは下がるが、再開時の授業が通常よりハイペースになることに備えて、こなしておいたほうが有利なのだろう。


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