リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

エレベーター停止時でも宅配業者は階段で配送しなければならないのか?

2018-09-03 | 一般
高層マンションのエレベーターが地震などで止まると買い物すらいけなくなる問題は以前から指摘されているが,そんな時でも宅配業者は階段を使って配達しているということを知った(朝日新聞2018-9-3).もちろん住人にとっては死活問題で,新聞では断水時に階段で重い水を届けて感謝されたといった美談にされているが,配達員のことを思うとどうも釈然としない.
ただでさえネット通販の普及で日用品の多くが配達してもらえるようになって,運送会社の負担が増している.数年前よりは改善されたのかもしれないが,大口割引のため荷物量の増加ほど利益にはなっていないとも聞く.エレベーターが止まった住民がネット通販で日用品を取り寄せれば,住民としては大助かりだが,それを階段を使って配達させるというのは当然のサービスなのだろうか?6階以上の高さの建物にはエレベーターの設置が義務付けられているが,それは建物を利用する人にとってそれ以上の高さを階段で上り下りさせるのは酷だという判断があるはずだ.ましてや配達員となると何度も上り下りする必要が生じるはず.災害時だからといって,階段での高層階への上り下りを当たり前のように期待していいこととは思えない.
災害時にエレベーターが止まったときに,どこまで配達の義務があるのか,配達員の労働環境の問題として検討しておくべきではないだろうか.
利用者としては災害時にも交通機関や電気・水道が使えることを当然のように期待してしまうが,その背後ではそうした公共サービスを支える人たちが努力している.だがエレベーターのない高層階への上り下りというのはそれとは次元の違う話だと思うのだがどうだろうか.

追記:ちなみに引っ越しの場合、エレベーターがないと料金が高くなる。

追記2:アメリカでは上階への配達は当たり前ではないようだ。「米国で私が見たのは、荷物はビル1階の入り口で渡し、上の階に持っていく場合は追加料金を取る姿でした」と話すのは楡周平氏(朝日新聞2021-7-3)。巨大通販プラットフォーマーと戦う配送会社を描いた小説『ドッグファイト』などで知られる作家だ。氏の経験がどこまで一般的なものなのかは調べる必要があるし、また日本のきめこまやかなサービスを否定するつもりもないのだが、サービスに対しては十分な対価が払われているのかは考えてもいい。

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