リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

電力会社の組織票の影響力

2018-04-22 | 政治
民進党(またはその前身の民主党)が原発ゼロを打ち出したとき,電力総連の反対にあって腰砕けになったことがあったと思う.電力総連というのは民進党の主要な支持団体で,電力関連会社の労働組合の連合組織だ.電力会社が原発推進というのはわかるとしても,その社員(組合員)もみな原発推進なのだろうか?たしかに会社の業績が下がれば自分のボーナスにも響くかもしれないから,できるだけ自分の会社に都合のいい政策を支持するというのはわかる.だがそれにしても原発はいやだ,という人はいないのだろうか.
電力総連でなくてもそうなのだが,私は「組織票」というものがよくわからない.投票の秘密が保証されている(はず)ので,所属団体が「××に投票して」と言ったからといってそうするとは限らないのではないか.

だが電力総連の「集票力」はデータで実証されている.2016年の参院選比例区では,電力総連の組織内候補が民進党最多の約27万票を獲得したそうだ.比例区で党名ではなく候補者の名前を書くこともできるので,電力総連の関係者は身内の候補者の個人名を書いて投票したのだろう.総連の影響力は,「組合員数だけ票を出すのは電力だけ」と言われているそうだ(朝日新聞2018-4-22).

その総連が実際に選挙で協力するためには,条件があり,「政策協定書」への署名を求める.2014年の衆院選では,ある候補者の協定書には「安全性の確立された原子力発電所については,立地地域の理解と信頼を得つつ,早期かつ円滑に再稼働が果たされるよう努めること」とあったという.要は「原発を頭から否定する」ことには反対ということだ.
厳しいようだが,「安全性の確立された」とか,「立地地域の理解と信頼を得」るという条件がついているので,再稼働に慎重な姿勢まで否定される内容ではない.だが,立憲民主党が3月に国会提出した「原発ゼロ基本法案」に対して総連は「唐突感が否めない」と批判しており,電力総連の支持を受ける政党にとって長期的な目標として原発ゼロを掲げることも難しいのが現状のようだ.

関連リンク:
「「脱原発は困る」 電力労組、民主議員に組織的な陳情」(asahi.com 2011-12-1)


この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« セクハラ告発は取材で得た情... | トップ | セクハラ官僚を「推定無罪」... »
最新の画像もっと見る

政治」カテゴリの最新記事