公文書改竄：首相は関与していないならなぜあれほど調査に後ろ向きだったのか？

森友学園への国有地売却契約をめぐり，財務省による公文書の改竄が明らかになった．これまでも政府が否定したことがあとになって事実と判明することが繰り返されてきた．政府の誤った答弁のたびに国会の貴重な審議時間が空費されたことになる．今回の偽造のおかげで無駄になった時間はどれほどになるだろう．

まだ改竄が誰の指示によるものかは解明されておらず，政府は財務省の問題として片付けようとしているようだ．だがそれにしては，調査に後ろ向きだったこれまでの政府の姿勢が気になる．官僚が調査をするかどうかすらはっきりしないような答弁をしたことが何度かあったと思う．そんなときに政府が「ちゃんと調査して報告しなさい」と言っていれば，「財務省の問題」という態度もわかる．だが政府は一貫して調査に後ろ向きだった．
異例づくめの契約の経緯の解明も大切だが，これまでの政府の姿勢も検証が必要だろう．

追記：１１日に改竄が認められる前に政府に報告が上がっていたらしい．政府は「それまでは最終的に文書を確認できる状況ではなかった」と弁明しているらしいが，きちっと検証してほしい．（朝日新聞2018-3-16）