時間の遅れ
片方だけを宇宙飛行に送った1組の原子時計の時間のわずかなずれや、スペースシャトルに搭載された時計が地球上の基準時計よりもわずかに遅いこと、GPS衛星やガリレオ衛星の時計が早く動くようになっていること[1][3][4]、東京スカイツリーの展望台に置かれた光格子時計が地上のそれよりわずかに進んでいる事[5][6][7][8]で実証されている。出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
一般的に、相対性理論における時間の遅れは、特殊相対論と一般相対論が、ごちゃ混ぜになって、訳が分からなくなっている印象がある。
もっとも訳が分からないのは、双子のパラドックスと呼ばれているものだが、当のアルベルト・アインシュタインでさえ、相対論は間違いだと言っている。
双子のパラドックスは良い説明がウィキペディアに記載されているが、結論としては、等速運動時の兄弟の固有時間の相違はキャンセルされている。
即ち、ロケットで等速運動をしている場合には、兄弟は何方も同じ慣性系であり区別ができないのだから、固有時間の相違はキャンセルされており、実際の時間の遅れは加速運動に集約されるのだと説明されている。
又、スペースシャトルに搭載された時計が地球上の基準時計よりもわずかに遅いという事実に関しても同様に、一般相対論で説明され、加速運動を伴うスペースシャトルの固有時間は重力効果によるものであると説明できる。
結局、特殊相対論に於ける時間の遅れはキャンセルされているのだろうか?
実は、キャンセルされてはいない。事実としてロケットの慣性系の固有時間はゆっくりと進むのである。
すると、今度は、再び双子のパラドックスを思い出して、おかしいと思うことになる。
殊相対性理論は、2つ(以上)の等速直線運動をする慣性系群について、両者に互いに区別はなく、対等・等価な存在であることを原理とした力学理論であるから、双子のパラドックスが生じてしまう。
結論は単純である。殊相対性理論に於ける対等・等価が概念が時代遅れになっているのだ。
実際、素粒子の衝突実験では殊相対性理論は必要不可欠な道具になっており、的となる標的に弾丸粒子をぶつけて、ハドロン破壊実験をしている。
結論は単純で、的と弾丸の慣性系は対等・対価ではないのだ。
では、殊相対性理論が間違っているのかと言えば、そうではない。ただ単に、殊相対性理論に於ける対等・等価の概念が時代遅れになっているだけなのである。
双子のパラドックスは、時代遅れのパラドックスであったのだが、それを正当化しようとして泥沼に嵌ってしまった感がある。
遠ざかるロケットも、近付くロケットも共に時間が遅れ、この遅れは偏向的なローレンツ変換で記述される。決して固有時間の相違がキャンセルされている訳ではない。
そして、このシステムから、絶対時間の観念を導くことになる。