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11 なぜアメリカは、対日戦争を仕掛けたのか 「 1ヌ  着々と進む日本追い詰め政策 」

11 なぜアメリカは、対日戦争を仕掛けたのか 「 1ヌ 着々と進む日本追い詰め政策 」

 第1章
 ルーズベルト(FDR)が敷いた開戦へのレール 一部引用編集簡略版
本章は以下の内容を投稿予定です。
1イ まえがき
1ロ アメリカの決意、日本の一人芝居
1ハ ルーズベルト(FDR)による敵対政策の始まり
1ニ なぜルーズベルト(FDR)は、中国に肩入れしたか
目次漏れ項目 日独伊三国に向けられた「防疫演説」
1ホ 中国空軍機による九州来襲
1ヘ 日本の外交暗号をすべて解読していたアメリカ
1 ト 中国軍に偽装した日本本土空襲計画
1チ 日本を戦争におびき寄せた本当の理由
1リ ルーズベルト(FDR)を喜ばせた三国同盟の締結
1ヌ 着々と進む日本追い詰め政策
1ル 開戦五か月前に日本攻撃を承認した文書
1ヲ 「日本という赤子をあやす」
1ヨ 直前まで対米戦争を想定していなかった日本
1タ 日米首脳会談に望みをかけた近衛首相

************************

1ヌ 着々と進む日本追い詰め政策

  10月7日に、海軍情報部(ONI オフィス・オブ・ネイバル・インテリジェンス)極東課長のアーサー・マッコラムが、上司を通じて、大統領に日本をどのようにして対米戦争まで追い詰めるか、提案書を提出した。
   ルーズベルト(FDR)大統領はマッコラムの提案を、ただちに承認した。

  マッコラムの提言は、蒋介石政権に可能なかぎりの支援を行なう。米英が協力して日本に対して完全な禁輸を実施する。蘭印(今日のインドネシアは、オランダ(蘭)領東インド諸島と呼ばれた)に日本へ石油を輸出させない。日本を挑発するために、日本近海に巡洋艦を出没させるなどの項目から、成り立っていた。

  マッコラムは1898(明治31)年に、バプティスト派教会の宣教師の子として、長崎で生まれ、父が日本で客死するまで、少年期を日本で過ごした。帰国てアナポリス海軍兵学校を卒業して任官した後に、まだ少尉だったが、日本語の能力を買われて、東京のアメリカ大使館付海軍武漢補として、勤務した。

  マッコラムは、日本で育った宣教師の子の多くと同じように、日本に対して強い嫌悪感をいだいていた。親が布教のために献身的な努力をしたのにもかかわらず、ほとんどの日本人がキリスト教に改宗することを、拒んだ。キリスト教宣教師にとって、日本人は太陽や、山や、木や、狐などの動物を拝む未開な宗教を信じる、救われない民族だった。

  10月30日に、ルーズベルト(FDR)はボストンでの遊説で、「何度でも言おう。皆さんの息子たちが、外国の戦争に送られることは、けっしてない」と、演説した。
  ルーズベルト(FDR)は、11月5日に、三選を果たして、すぐに、1億ドルにのぼる援蒋(介石)借款を発表した。これは、日本に対する敵意をあらわにしたものだった。

  1941(昭和16)年元日、スティムソン陸軍長官は、「ニューヨーク・タイムズ」紙に投稿して、
「過去三年にわたって、アメリカの資源である、特に石油と屑鉄が、日本の極東における悪業を援けてきた。日本への供給源はアメリカだけだから、その責任はアメリカにある。
  アメリカ国民は日本が中国に対して進めている侵略に、一致して反対しているが、もし、アメリカが日本の悪業を阻止するために、何か手段を用いたら、日本と戦争を戦うことになると思って、恐れている。
  それは、何の根拠もない。もしアメリカが、日本による中国における戦争を、やめさせようとするならば、日本が必要とする資材や、資源の供給を停めることである」
  と、説いた。

  1月30日にルーズベルト(FDR)は59歳の誕生日を迎えた。
  誕生会が終わったすぐあとに、イギリスとオランダの東南アジアの植民地から、日本に向けた石油や、ゴムなど天然資源の輸出が停まったという報告を受けて、ルーズベルト(FDR)は満足の意を表した。

  この日、ギャラップ社が全米で行った世論調査が発表されたが、回答者の圧倒的多数の88パーセントが、アメリカがヨーロッパ戦争に参戦することに、強く反対していることが示された。

  2月3日に、ルーズベルト政権は国務省のなかに、日本と戦って屈服させた後に、日本をどのように処理するか研究する、「特別研究部」を発足させた。日米開戦の十カ月前に当たった。
  特別研究部は、コーデル・ハル国務長官の特別補佐官であるレオ・バルボルスキが統括し、極東を専門とする省員がこれに連なった。特別研究部は部内では、スペシャル・リサーチの頭文字をとって、「SR」として知られるようになった。

  三月に入ると、ルーズベルト(FDR)政権は武器貸与法を、中国にも適用することを決定した。また、イギリスと蒋介石政権のあいだに、英中軍事協定が結ばれた。

参考:加瀬英明著「なぜアメリカは、対日戦争を仕掛けたのか」
 加藤英明氏は「ブリタニカ国際大百科事典」初代編集長
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