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 6 なぜアメリカは、対日戦争を仕掛けたのか 「 1ホ 中国空軍機による九州来襲 」

6 なぜアメリカは、対日戦争を仕掛けたのか 「 1ホ 中国空軍機による九州来襲 」

 第1章
 ルーズベルト(FDR)が敷いた開戦へのレール 一部引用編集簡略版
本章は以下の内容を投稿予定です。
1イ まえがき
1ロ アメリカの決意、日本の一人芝居
1ハ ルーズベルト(FDR)による敵対政策の始まり
1ニ なぜルーズベルト(FDR)は、中国に肩入れしたか
目次漏れ項目 日独伊三国に向けられた「防疫演説」
1ホ 中国空軍機による九州来襲
1ヘ 日本の外交暗号をすべて解読していたアメリカ
1 ト 中国軍に偽装した日本本土空襲計画
1チ 日本を戦争におびき寄せた本当の理由
1リ ルーズベルト(FDR)を喜ばせた三国同盟の締結
1ヌ 着々と進む二本追い詰め政策
1ル 開戦五か月前に日本攻撃を承認した文書
1ヲ 「日本という赤子をあやす」
1ヨ 直前まで対米戦争を想定していなかった日本
1タ 日米首脳会談に臨みをかけた近衛首相

************************

1ホ 中国空軍機による九州来襲

  翌年の1938(昭和13)年5月20日の午前4時ごろに、数機の中国空軍機が九州の熊本県と、宮崎県の上空に侵入した。
  日本は完全な奇襲を、被った。蒋介石政権は日本を威嚇する効果を狙って、爆撃機を日本本土に侵入させたのだった。

  飛来した中国機は、アメリカ製のマーチンB10爆撃機だった。ところが、B10は航続距離が短かったために、九州とのあいだを往復するには、機体を軽くする必要があった。そのため爆弾を搭載できなかったかわりに、ビラを投下していった。
  これは、外国の航空機が日本の上空を侵犯した、史上最初の事例となった。

  軍は中国機の侵入を許したことによって、面子が潰されたので、国籍不明機として扱った。そして、「日本労働者諸君に告ぐ」と題するビラが撒かれただけで、他に被害もなかったために、この事件をことさら軽視しようとした。
  軍は国家よりも、面子を大切にしていた。

  そのために、蒋介石政権が日本を威嚇しようとした目論見が、外れた。
  翌朝の朝日新聞は、「支那? 怪飛行機 九州に現はる 反戦ビラを撒き遁走」という見出しを組んで、次のように報じた。

<記事略>

  軍は飛来した中国機が三機であったのを把握していたのにもかかわらず、「国籍不明の飛行機一台」だけとして、発表した。
  さらに、「笑止お祭り騒ぎ 漢口では爆竹」という」小見出しがあって、

 「【ニューヨーク二十日発同盟】ニューヨークに達したAP漢口電によれば、支那側は支那機の九州襲(しふ)を以て大戦果を挙げた如く針小棒大に報道し漢口市内は爆竹を上げるやら宛然(えんぜん:まるで)戦そう気分であるが、これは徐州陥落をまぎらわすための宣伝であると見られてゐる」(古い文字をひらがな等に一部代替)

  と、述べている。

  5月30日午後9時に、中国機二機が鹿児島県南部から、再び九州に侵入した。
  この時は、西部防衛司令部が1時間14分遅れて警戒警報を、その38分後に空襲警報令を発令して、ラジオによって放送された。
  敵機は午後11時20分に、爆弾もビラも落とすことなく、海上に退去した。この時も日本側は、迎撃機を発進させるいとまがなかった。

  この直後に、国内防衛を担当していた参謀本部第四課が参謀総長に、「中国機の来襲は少数機、夜間という悪条件であったものの、現防空体制では来襲機の補足が極めて困難である」と述べ、「相手国に補充、補給の能力があり、また空襲の企画があれば、わが制空の間隙を縫い空襲の実施が可能である」と、意見を具申した。

  しかし、大本営は11月30日、10月に武漢と広東を攻略したことによって、中国機による本土来襲の懸念が減ったと判断して、戦闘機の待機部隊に「命令受領後おおむね12時間以内に出動し得る準備に在らし」めるように命じて、戦備を緩めた。

参考:加瀬英明著「なぜアメリカは、対日戦争を仕掛けたのか」
 加藤英明氏は「ブリタニカ国際大百科事典」初代編集長
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