勝手にお喋りーSanctuaryー

マニアックな趣味のお喋りを勝手につらつらと語っていますー聖域と言うより、隠れ家ー

嫌われたヒーロー

2009-04-01 | 映画のお喋り
ウィル・スミス率が高い。
すごく好き、と言うわけではないが、自然と手が彼の映画に伸びている。
コメディが主流だけど、シリアスなウィルも悪くない。

だけどやっぱりコメディ。
思い切り笑えるコメディがあまり作られない昨今、貴重な1作に巡り合えた気がする。
嫌われ者のヒーローの設定がいい。
それも別にダーティーなつもりもないのに、不器用だから嫌われるなんて。

ハンコック
2008年 アメリカ
監督:ピーター・バーグ
出演:ウィル・スミス、シャリーズ・セロン、ジェイソン・ベイトマン

今日も大都会に凶悪犯罪が発生する。
だけどスーパーヒーローは無精ひげで酒びたり。
子供に悪態をつかれて、しかたなく現場まで空を飛んでいく。
何者か知らないけど、とてつもないパワーと不死の肉体を持つ彼が来たからにはもう大丈夫。
…にはならない。
とてつもないパワーで、ビルを破壊し、犯罪者より多額の被害を街に与えてしまう。
トホホなヒーロー・ハンコック。

だけど貧乏神みたいなヒーローにも、理解者が現れる。
踏切で死にかけているところをハンコックに助けられた(ひどい目に遭いながら)レイが、初めて彼に感謝の言葉を口にする。
助けても感謝されたことのないハンコックの表情が少しだけ変わる。

レイは世界を幸せにしたいと言う夢を持つ理想主義者だ。
理想が高すぎて、PRの仕事もうまくいかない。
彼は自分の仕事を生かして、ハンコックが愛されるヒーローになるようPR作戦を開始する。

初めは乗り気でなかったハンコックも、初めてできた友達で、心底お人よしのレイの熱意にほだされていく。
スーパーマンのようなスーツを着て、物を壊さず、現場の警官には礼儀を尽くし(グッジョブと言え)、誰にでも親切に。
レイの思惑通り、ハンコックのイメージは少しずつ変わっていく。

だけど、だけど…。
平和で幸せに見えたレイの家庭にも、実はとんでもない秘密があって…。
(以降、思いきりネタばれ)

ハンコックはかつて、病院で目覚めた時に記憶を失い、自分が何者かを知らない。
持っていたのは映画のチケット2枚。
誰かと映画に行ったはずだ。
だけどその誰かは名乗り出てくれない。
自分は誰からも愛されていないんだ。
その思いが、彼に投げやりな生き方をさせていた。

ハンコックの過去と正体がわかった時、彼は二つの事実を知る。
愛されていたことと、その愛が決して幸せをもたらさないこと。
ハンコックが感じたものはなんだろう。
喜び?哀しみ?

たとえ悲しい選択を迫られようとも、事実は知らないより知った方がいい。
自分が何者か知らない人間こそ、何よりの悲劇だからだ。
自分で選択して、結果が不幸でも、人はそれを受け入れられる。
何も知らない人間には、何一つ受け入れられない。

ま、そんなことはどうでもいいんだけどね。
バカじゃないのと言いながら笑って見る映画だから。

バカバカしいけど、ウィル=ハンコックの哀しげな表情にはちょっとやられちゃう。
また次のウィル映画も借りてきちゃうんだろうな。
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