年を取ると涙腺が弱くなる。
よく聞く言葉だ。
そういえばそうだな、と最近思う。
昔(いつだよ!)は確かにそんなに泣かなかった。
子供時代も泣かない子で有名だった。
多感な時期もそうそうは泣かなかった。
「泣く」と有名な映画を見てもあまり泣かなかった。
水道の栓をきちんと締めたはずなのにぽとぽと音がする。
古くなるとパッキンというものを交換しないといけない。
どうやら涙腺というのはパッキンと同じものらしい。
古くなると緩むのだ。
でもね、水道工事の人に頼んでも涙腺は交換してくれないのよ。
『原神』はどうも古くなった私の涙腺をさらに痛めつけてくる。
まあ、ちょっとウルっと来るくらいならいいんですけどね。
そんなことは、近頃よくあるし。
前にやっていたゲームは月一のフルボイスストーリーで泣くのが楽しみだったし。
でもあれはね、ちょっとなんてもんじゃなかった。
水回りがびしょ濡れになるよ、あれは。
止まらない鼻水のせいで何枚ティッシュ使ったか。
ーー森林書ーー
スメールの長い長い世界任務だ。
魔人任務(メインストーリー)伝説任務(キャラストーリ)
これらはフルボイスだが、世界任務にボイスはない。
それでもかなりいい物語が多いので、私はきちんと読む。
(多いときは週10冊の本を読んでた人間なので)
だけど長いんだよね。
特に第2章は。
しかも主役は「アランナラ」という森の精霊。
この名前がわざとやってるのかと思うほどややこしい。
知っている言葉もアランナラ用語に書き換えられている。
ナララナを救うためアランラナに言われてアランナラの世界にいく。
そこでアランマというアランナラに出会い、ヴァナラーナに入る。
ウツァヴ祭をやるために多くのアランナラを探しにあちこち旅をし、
伝説のナラヴァルナの話を聞きながらアランマと冒険を続ける。
アランラカラリを使うアランバリカと一緒に戦った時は楽しかった。
わかんないでしょう?
人間は名前の上にナラをつけられて呼ばれる。
アランナラはすべて名前の上にアランがついてる。
だけどアランラカラリは人名じゃなく彼らの使う魔力のこと。
もうアランナラの可愛らしさがなかったら、途中でぶん投げてた。
ぶん投げなくてよかった。
第3章のウツァヴ祭のアランナラの合唱は感動的だった。
そしてラスト。
とっくに崩壊した涙腺は、流れ落ち、どこかに行ってしまった。
まさかゲーム内のストーリーでここまで泣くなんて。
おまえの涙腺がゆるゆるのせいだ?
いや、誰だって泣く。
普通の人間の心と読解力があれば、だけど。
アランナラのアランマ