「ユ・ヒョルのスケッチブック」というお気に入りの音楽番組があった。作曲家で歌手タレントで韓国で有名なユ・ヒョル氏がMCを担当。毎回新旧の2~3組のゲストを迎えて、たっぷり歌とその人となりを堪能できる番組だった。中でもヒョル氏とゲストとのトークが面白く、若いこれからの人を応援したいというヒョル氏の温かいお人柄が伝わって来た。観客参加型で、見に来ている人との掛け合いも楽しめた。この番組のお陰で、日本では知られていないいろんなジャンルの韓国の歌手を知ることが出来た。皆さん歌が上手い。時には人気のIUやCNBLUE、SHINeeも登場。いつも歌わないジャンルの歌も披露し、魅力を堪能させてくれました。日本でもこういう歌番組があればいいのにと思っていた。
見なくなって久しく。もう一度見たくなり探したけれど見つからず。残念に思っていた矢先、坂本龍一氏の曲を、韓国の有名な作曲家が盗作という記事が出てきた。その作曲家がユ・ヒョル氏だった…。盗作疑惑が持ち上がり、600回を区切りに番組は終了したとあった。
2022年夏のこと。否定していたヒョル氏も類似性を認め謝罪。坂本龍一氏は、法的措置を取らず、ヒョル氏の成功を応援するとメッセージを送ったそうです。当時、坂本龍一氏はがんと闘い余命わずかな中での対応でした。その半年後に逝去されました。
ヒョル氏の謝罪文
~哲学と配慮を込められたメッセージを受け取り、偉大な芸術家として、そして温かい大人の対応に更に尊敬するようになった。一方で自分自身がどれほど未熟な人間か壮絶なまでに思い知らされた。改めて感謝するとともにお詫び申し上げます~とありました。
ソウル大出身のヒョル氏は音楽会の知性とまで言われていた。人柄のいいヒョル氏だけに複雑な思いと共に、坂本龍一氏の器の大きさに胸を打たれた。2年前のコロナ渦の出来事でした。
追記
ヒョル氏は、長い間最も影響を受けて尊敬するミュージシャンなので無意識に私の記憶の中に残っていた類似した進行方向で曲を書いた。ファンだった人として現在坂本先生の健康が非常によくないという事実がさらに心痛いですと述べ、アルバムの発売は中止となりました。