自宅から山を一つ越えると、景色が一変する。
源平のその昔から何百年も続く集落がある。
その一軒に用があって伺った。200年以上続く農家。
帰りに、山の中の一本道が町に繋がっていると聞いた。
トラックの往来の激しい道より、地元の人はこの山道を使っていると。
知らない道を歩くの大好き! 今日はバイク。
ヘビなんか出ます? 出るよ! 出るんや・・・。
一本道だからね~と見送っていただく。
教えてもらった通り、急な坂を上るとお墓があった。
うっそうとした薄暗い道。
山の中の一本道。こんな山の中にも家がぽつんとあった。
どんどん進むと、道が細く悪くなる。
左に池が。河童でもいそうだ・・・。
誰もいない・・・もう町に着くはずなんだけど・・・。
行けども行けども延々と山道が続く。
一体この道はどこまで続くのだろう・・・。
砂利にハンドルを取られそうになりながら、
走るバイクを止めることも出来ず。
もしかしてブラックホール。異空間に入ってしまったようだ。
あかん。 引き返そう。 ブレーキをかけた。
バイクを止めて今来た道を戻る。
一軒家の辺りまで戻ってくると、畑の向こうにもう1本の道があった。
こっちだったのか・・・分かりずらい。
こちらは道も広くて人が通る道だ。
ほどなく森を抜けた気配。明るくなったと思ったら
いきなり見慣れた景色が飛び込んで来た。
町はずれのゴルフ練習場。
な~んだ。ここに繋がっていたんだ。
真夏のミステリー。
いえいえ道を間違えた。それだけのことだった。
帰ってから確認すると、あの道はず~っと山の中を走って隣の区へ出ていた。
ちょっと冒険。ちょっとどきどき。