八月の鯨
2021-09-10 | 映画
老姉妹の淡々とした日常を描いた物語です。
しみじみと心に残ります。
小さな島の別荘で暮らすリビーとサラの姉妹。
病気で目を悪くした姉のリビーはプライドが高くわがままではっきりものを言う。
妹のサラの世話になっている。サラがいないと暮らしていけない。
リビーは長い間、戦争で夫を亡くしたサラの面倒を見てきたのだ。
この島の入り江には、夏になると鯨がやって来る。
少女の頃、鯨が楽しみで島にやって来た二人。
冒頭の白いワンピースの二人の少女の姿が印象的です。
きっと素敵よ。海が見える大きな窓をつける事がサラの夢だった。
年寄りに新しいものは不要とリビーに反対される。
ある日サラが、ロシア移民のマラノフ氏を食事に招待する。
花を摘んで正装してやって来るマラノフ氏。
白いテーブルクロスに銀の食器。長い白髪をくるくるときれいに巻いて、
ドレスに着替えて迎えるサラ。ロウソクを灯して。
最後のお茶は場所を変えて。こんなおもてなしが素敵ですね。
楽しい食事と会話だったのに、サラが取られてしまいそうで気に入らないリビー。
リビーの辛辣な言葉にマラノフ氏は帰ってしまう。
目が悪くなるといろいろ見えるのよ。
傷ついたサラ。結婚記念日にワインとバラ。想い出のレコード。
お気に入りの青いドレスに青い靴。夫の写真に話しかける。
リビーは意地悪なの。年を取ったお終い。もう手に負えない。
そこにサラ サラ サラがいないと悪夢にうなされたリビーが・・・。
姉さんと私は違う。姉さんは勝手に死ねばいいわ。
遺された時間はもうわずか。
もう喧嘩は止めましょう。
撮影時、姉のビリー役はベティ・デイヴィス79歳。
妹のサラ役はリリアン・ギッシュ93歳。姉妹の年齢が逆の配役です。
93歳で主演。現役の女優とは。凄過ぎます。
米国の名女優の演技が素晴らしい。
人生は長すぎるわ。
長すぎはしない。死ぬまでずっと人生。
窓の工事に何日かかるのとリビー。サラの笑顔。
散歩に連れてって頂戴。リビーの手を取って出かけるサラ。
ママが植えた花。庭が形見ね。
分かってる?
私もあなたもママが死んだ年を越えたのよ。
鯨はもういないみたい。
いるかもよ。すぐそこにね。
手を繋いで海を見る姉妹の姿で終わります。
沖の鐘は昔と変わらずカンカンと鳴っていました。
この作品好きです。
マギー・スミスとジュディ・ディンチの老姉妹の物語、
「ラベンダーの咲く庭で」もいいですね。
映画に夢中になっていた頃、大毎地下劇場の2本立てで観たことを思い出しました。
あの頃は一日中観ていても何も言われなかった。
気に入った映画は何度も観ましたね。
この映画もしみじみといい映画だと思います。
落ち着いた時にじっくり観て見たいです。
いい映画は何度見ても感動しますね。
そうそう2本立て♪ 懐かしいですね。
大毎地下劇場、神戸はパルシネマ。
パンと珈琲持参で行きましたよ。
朝から一日中見てる人もいましたね。
オーナーこだわりのプログラムでした。
時々見たいので保存します。優しくなります。
機会があったらゆっくり見てくださいね。