花と私
純白の胡蝶蘭を眺めていた。
5枚の花びら。中央に小さな突起。
突起の下に黄色と紫の混じった花弁。
じっと見ていると、人の顔に見える。
不思議な感覚に浸っていく。
花弁から人の息が感じられる。
眺めている私の鼓動が伝わっているのかもしれない。
胡蝶蘭からエネルギーをもらった。
クジャクサボテンの真っ赤な羽根は、目に染み込んでくる。
大きく広げた羽根は、凛々しく逞しい。
高らかな自己主張をしている。
羽根の寿命は一日ぐらい。
精一杯、羽根を広げてもらいたい。
アロエは、中央から長い茎をひとつ伸ばした。
どんどん伸びて、途中で3つに分かれた。
オレンジの花は、ラッパのような形をしていた。
花を咲かせて、ラッパは散った。
どんな演奏をしたのだろう。
年年歳歳花相似たり
歳々年々人同じからず
毎年花は同じような花を咲かせるようだが、決して同じ花ではない。
年々特別な花を咲かせる。
人もやはり、毎年同じではない。
年々特別な個性を咲かせる。
半年が過ぎた。
私にはどんな花が咲くのだろう。