わたしがライフワークにしているアジアのこどもキャンプで、感想文を兼ねたアンケートをしたところ、モンゴルの男の子がこんなことを書いてきた。
“ロシア人は清潔だと思っていたのに、一度も風呂に入るところを見なかった”
面白いなぁと思って、ロシアに行った時、一般家庭の風呂を見せてもらった。
ロシアでは、都市部を除いてサウナ方式が主らしい。
水不足だからというわけではないだろうけれど、極寒の地では、水を温めるより空気を温める方が効率的なのかしら。熱と蒸気で汗をかいて、最後に少量の湯で洗い流すのだそうだ。
(サウナ風呂の外でお母さんが薪を燃やしてくれる)
一方のモンゴル。
首都ウランバートル市内の高級アパートでは、こんなお風呂が一般的。
手持ちのシャワーだけでなく、側面からもブファーッと温水が噴射する構造で、お尻から腹から首まで一気に泡を流してくれる。どこの国のメーカーかチェックし忘れたけれど、日本だったら…そうね、なんとなくラブホテルにありそうでドキドキしてしまいました。
ちなみにモンゴルの遊牧民が住んでいるゲルの中には、お風呂はない。
内陸ならではの乾燥気候なので、基本的に風呂に入る必要性が非常に薄いということもある。
草原では、羊たちと一緒に川や湖に行った時に水浴びする程度なんじゃないかな。もちろん昼間。
なので、「ロシア人は風呂に入らない!」と驚いたのは都会の子ならではの反応だったというわけです。
川風呂といえば、南の国では当たり前の光景。
これはスリランカ。
橋の上から川を覗き込んだら、女の人たちが楽しそうに水浴びしていた。
(この大きさでは見えないけれど、中央の女性はカメラに気づいてにこやかに微笑んでくれてるの)
インド圏を旅していると、こんな風に、あちこちで水浴びや洗濯の風景を垣間みることができる。
そしてみんな一様に、とっても気持ちよさそう。
しかしですね、真似して同じようにやってみると意外と難しい。
女性は特に、首から足下まですっぽり隠れるくらいの布を巻いて入るんだけれど、その布越しに体を洗う方法や上がった後に服を着る方法が分からない。
そしてモタモタしているうちに手が滑って布がハラッと落ちちゃったりして、ギャーッと形相変えて再び川に飛び込んだりして…。しかも肌が生半可に白いもんだから目立つんだよねぇ…。
ということで、やっぱり日本人には日本人らしい風呂が一番だ。
ここは大阪、西成区にある銭湯。
もうずいぶん銭湯が減ってしまったけれど、風呂なしアパートがたくさんある地域には昔ながらの銭湯が生き残っている。
(鏡には日払いアパートの宣伝)
(マ○コ洗粉かと思ってギョッとしたら、マクコ洗粉でした)
こういうところもええですなぁ。
ここは宮城県石巻市の山中にある「追分温泉」。
全館木造の、まるで昭和の小学校みたいな建物です。ここは絶対に穴場。
(脱衣場も妙に味がある)
それで、こういう昔の面影を残す風呂に感動すると、今度はもっと昔の風呂が知りたくなる。
というか、図書館でこんな本を見つけたので思わず借りてしまった。
女体好きが高じて…というのもあるけれど、これは文化的にみてとても面白い文献だと思う。
たとえば、銭湯の先駆けになった「施浴(せよく)」というのは、共同生活者が多かった“寺院”にできた浴場を一般に開放する行事のことだったらしい。8世紀後半ごろから記録があるという。
その頃は蒸し風呂造りで、寺院の社会事業だったのが次第に庶民の間でも習慣になっていったようだ。
家庭に風呂が付けられたのは豊臣秀吉の頃。1592~98年の朝鮮出兵から持ち帰った簡易入浴法によるらしい。「据え風呂」「居風呂」「水風呂」と呼ばれ、いわゆる五右衛門風呂の先駆けとなった。
(入浴中に亭主が浮気しているところを発見し、自分まで欲情しちゃってる図)
そして江戸時代の共同浴場は、基本的に混浴だったらしい。
湯は今みたいに自由に使えるのではなく、手桶を持っていくと1杯分の湯を注いでくれる「湯汲み男」というのがいた。入浴は、「柘榴(ざくろ)口」という洗い場との仕切りをくぐった先にあり、そこは湯気がもんもんと立ちこめいたのだとか。…そんな混浴湯だから中で何があってもおかしくないということで、女だけの特別営業日が設けられるようになったそうだ。
(左側の壁の奥にいるのが「湯汲み男」、その隣の赤い門が「柘榴口」)
(女風呂では喧嘩も勃発)
そんなこんなで、なまめかしくも賑やかな共同風呂は、日本と韓国と中国の一部にしかない“裸の付き合い”文化なのです。
ちなみに上の写真に近い光景は、今の日本よりむしろ韓国で見られる。
沐浴湯(モギョクタン)と呼ばれる共同浴場では、さすがに取っ組み合いの喧嘩はしないけれど、あちこちで女の人が大胆な格好でアカスリに励んでいるの。
これは実際に行って見てもらわなきゃわからない。(男性は見られないけど…)
今や大人しい日本の女風呂とは違って、なかなか面白いですよ。
女体(男体も)は同じでも、国が変われば風呂の景色が変わってくる。
乾燥していて風呂文化がほとんどない国の人でも、日本に住めば風呂が習慣化して帰国後ちょっぴり大変なんだとか。風呂が恋しくなっちゃって。
だから旅に出たら、その土地の風呂に入るのが一番いい。
国内でも国外でも、 裸体でこそ感じられる文化が、そこにはありますから。
毎度ありがとうございます☆
そして、毎度お返事が遅れてすみません^^;
今年こそブログを定期的に書くぞ!と意気込んだのはいつぞのことやら…情けない限りです(..' x `..)
先週は韓国にいたのですが、帰国前日に無理矢理モギョクタンに行き、アカスリしてきました。
そして、やっぱりスゲー…と全身硬直したまま、約40分間水着姿のオバチャンになされるがままゴロゴロ転がされ…、そしてピチピチに蘇りました。v
本場のアカスリは「やっぱりスゲー」です。
男性はオジチャンに転がされるのかな。
それもそれで「スゲー」ですねw
こんばんは~。おじゃましま~す!
・ロシア→サウナ方式
・モンゴル・ウランバートル市内のアパート→噴射式(?)シャワー
・南国の人々の川風呂(?)
・韓国→モギョクタン
それぞれに、お風呂のスタイルがあるんですねー!
そして
・石巻の追分温泉
・大阪の銭湯
日本国内でも、関東と関西の違いや、いろいろな温泉があって、興味深いですよね(^^)
東京の大田区蒲田周辺~川崎市内の武蔵小杉周辺の銭湯では、黒湯の天然温泉に入れるので、こちらもぜひぜひ!!
そうそう!
江戸時代の共同浴場って、混浴だったんですよねー!
ということで、みやびでした!
アジアのこどもキャンプ、『違いを豊かさに』
とても素敵だなぁって思っています。資金面など、大変なところがあっても、知恵を出し合って乗り越えていきましょう。