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DAZN観戦 2021年J2リーグ第42節 京都サンガFCvsツエーゲン金沢

2021-12-06 18:25:55 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の京都の記事はこちら(40節・岡山戦、0-0)
※前回の金沢の記事はこちら(38節・琉球戦、1-2)

降格ライン間際の戦いを最後まで強いられる破目となった金沢。
特にリーグ序盤は上位に居た時期もあり、苦しみに慣れていないといった感じで成績は停滞の一途を辿っていきました。
後半戦は僅か3勝のみという有様で、37節・愛媛戦(2-1)では大谷が2ゴール。
そして前節・山形戦(2-1)の劇的勝利では瀬沼が2ゴールと、1人の選手のマルチ得点に救われた感があり。

迎えたこの日の最終節、降格の可能性を未だ抱えており。
相手は2位の京都と、2016年の最終節(札幌戦)を彷彿とさせる状況。
あの時は札幌側が昇格・優勝が懸かっていたという要素もあり、試合終盤は談合ともいえるような内容で、スコアレスドローにより勝ち点1を確保。
札幌は優勝を決め、金沢は自動降格回避→入れ替え戦で勝利して残留、とともにwin-winとなりました。
しかし今回は京都が既に昇格を決めているため、交渉に使えるカード(?)も無く、己の力で決めなければならない状況です。
他のライバルクラブの動向も気になる中、少なくとも序盤からリードを奪われる展開だけは避けたい所でしょう。

前節は完全に相手(山形)にボールを支配されながらも、最後の所でやらせない守備を貫いたのが奏功したという内容だった金沢。
右サイドハーフに力安を起用したのが最大の変化でしたが、この日もそれを継続。
ヒーローの瀬沼はスーパーサブに留め置き、やはり守備的な入りを見せました。
最初に好機を得た(前半1分)ものの、この時もセンターバック・庄司朋乃也が一気にエリア内へロングパスを通そうとしたもの。(嶋田・力安が走り込むも繋がらず)
京都サイドにボールを握らせ、それに対抗して構える体勢を築きます。
こういう展開になると、対戦相手はボールポゼッションに嫌でも傾倒せざるを得ず、実際前節の山形の支配率は70%越え。
それにも拘らず敗戦と術中にハマった結果となりましたが、果たしてこの日の京都はどうか。

6分に右コーナーキックを得た京都、キッカー松田天馬クロス→ニアで長井フリックで上空で上がったボールをGK後藤がかき出すも、福岡が拾って二次攻撃。
荻原がドリブルで左サイドを切り裂いてクロスを入れ、ピーター・ウタカがヘディングシュートを放つもGK後藤がキャッチ。
これで堰を切ったようにフィニッシュに持ち込むシーンが続き、10分には武田のミドルシュート。(枠外)
11分には再度荻原のドリブル、今度は中央へ向かっての前進から繋ぎ、左に開いたウタカがクロス。
逆サイドへ流れて今度は右で繋ぎ、一旦は奪われるも金沢・庄司朋の蹴り出しを白井康介がブロックし、こぼれ球をエリア内へ福岡が落とし。
荻原のフリックを経てウタカが中央からシュート(GK後藤キャッチ)と、長い攻撃をシュートで終わります。
ボールを持たされる状況でも、攻めあぐみを見せない京都。

この日も脅威となっていたのは荻原の突破力で、対峙する金沢・力安は悪戦苦闘を重ねるも、16分にはドリブルを止めるなど次第に慣れを示し。
しかしそうなると逆の右サイドで攻めたり、逆に右ウイング・曽根田が左でプレーして好機を作ったりと、多彩な攻撃を絡めて来るのが京都。
プレッシングからのショートカウンターも頻発し、敵陣でのボール奪取から18分に武田がミドルシュート(ゴール左へ外れる)、23分には曽根田がエリア内右からシュート。(枠外)
金沢は何度かカウンター気味の攻撃を試みるも、シュートを放てないまま飲水タイムを迎えます。(23分)

ブレイク明けの26分、逆に敵陣深めで松田陸がボールカットに成功した金沢、細かくパスを回したのち松田陸のクロスに繋げ。(シュートまではいけず)
ここからにわかに金沢の流れとなり、左からの長峰のロングスローを廣井が収め、ディフェンスに遭うもCKに持ち込み。
続いての左CK、キッカー藤村のクロスを中央で庄司が合わせるも、浮いてしまい枠外に。

初シュートを放った金沢でしたが、同時にターンチェンジとなり再度受ける展開に。
京都の左サイドアタックを松田陸が反則で止めるシーンが目立ったこの時間帯、35分にはその反則によるフリーキックから、さらにCKへと移行。
ここからセットプレーも多く交えての攻勢となった京都、39分の左CKでキッカー松田天はサインプレーを選択、グラウンダーでエリア内遠目中央へクロスを入れ。
シュートにいったのは荻原でしたがミートせずにこぼれ、そのボールを拾った長井からのシュートはGK後藤がキャッチ。
奇襲にも惑わされず凌いだ金沢、その直後に右サイドで丹羽が京都・麻田に反則を受けると、クイックリスタートで素早くエリア内右を突く攻撃。
一旦戻すも、再度エリア内に出されたパスを力安がシュート(ブロック)と、こちらも奇襲で応戦します。

攻撃権は圧倒的に支配していた京都ですが、昇格目前まで迫った後の、無得点が続く流れを跳ね除けられずといった内容。
その後も多彩な攻撃で金沢を押し込んでいくもシュートを放てず、スコアレスのまま前半終了となりました。

メンバーはそのままで迎えた後半も、最初の攻撃は金沢。(後半1分、シュートには持ち込めず)
この日は前半から2トップの一角の嶋田が様々な場所に降り、何とか攻撃の橋頭堡にならんとしていましたが、中々実りません。
金沢がもどかしさを覚えるなか後半最初の好機を掴んだ京都(3分)、空中戦を経て右サイドで受けた曽根田がそのままドリブルでエリア内右を突き、一旦はこぼされるも武田のパスを経てシュート。
GK後藤がセーブし、中央でウタカが詰めにいくも間に合わず後藤に抑えられ、惜しくも先制ならず。

後半も京都の流れが続くのを予感させたものの、5分の金沢の攻撃。
左サイドから中央→右へと渡り、嶋田がエリア内へ送った浮き球に松田陸が走り込み。
合わせるもミート出来ず枠外となりましたが、勢い余って前に出たGK清水と交錯し、足を削られてしまった清水はその場に倒れ込み。(反則は無し)
危ぶまれたものの、治療を受けつつ2分程で起き上がった清水、患部にテーピングを巻いて気合でピッチに立ち続けます。

11分の金沢はクリアボールを力安が拾って右サイドで攻撃、力安は松田陸とのワンツーを経てクロス、クリアされたこぼれ球をエリア内右で松田陸がシュートにいき。
再度訪れたシュートチャンスでしたが、ここも大きく枠を外してしまいモノに出来なかった松田陸。
ワンチャンスを確実に……という流れを中々得られず。

先に京都サイドが動き13分、曽根田・武田・福岡→三沢・イスマイラ・庄司悦大へと3枚替え。
ウタカが左WGへと回り、松田天・川﨑インサイドハーフという形を採ります。(庄司悦がボランチ・三沢は右WG・イスマイラがセンターフォワード)

その直後の14分、右サイド手前から庄司悦の速いクロスを三沢がフリック気味でのヘディングシュート。(枠外)
交代効果で流れを取り戻した京都、続く15分には左CKからキッカー庄司悦はニアにクロス、ウタカのフリックを経て中央でイスマイラが合わせ。
ゴールネットを揺らして観衆が沸いたものの、イスマイラは右腕で合わせた所謂「神の手ゴール」を犯したという事で、ハンドを採られてノーゴール・イスマイラに警告となってしまいました。

左サイドへと働き場を移したウタカの影響か、荻原がそれに呼応して一層上がり目となり。
ウタカが開く分インサイドでプレーしたりと幅を見せた荻原。
しかし逆に、その上がりを金沢に突かれるシーンも目立つようになります。
24分にボールカットからカウンターに繋げる金沢、右サイドで力安がスルーパスを送り、受けた丹羽が持ち運びエリア内へ進入。
ここで決めれば……というシーンでしたが、放たれた丹羽のシュートは大きく左へ逸れてタッチを割ってしまい。
しかし直後の25分、京都のズレたパスを庄司朋がダイレクトで中央へ縦パス、力安のポストプレイを経て嶋田がミドルシュート。
GK清水がセーブした所を力安が詰めてエリア内でシュート、清水の逆を突いたものの、京都・長井のブロックに阻まれてしまいます。
全てをひっくり返すゴールは奪えなかった金沢。

飲水タイム(25分)ののち、金沢は平松・嶋田→大谷・瀬沼へと2枚替え。
瀬沼投入で前節のような流れを作りたかった所でしたが、橋頭堡の嶋田が下がった影響は大きく。
再び攻勢に出る京都、29分にはエリア内右で切り込む白井康が金沢・藤村に倒されるという際どいシーンも。(反則無し)
32分に松田天→李忠成へと交代(三沢がIHへ)し、あくまで金沢に勝ち点を譲る気は無く1点を奪う姿勢を見せます。

それでも金沢の必死のディフェンスを前に、何か起爆剤が欲しいという状況を強いられ。
36分、イスマイラ狙いのロングパスのこぼれを拾ったウタカが前進からエリア内へスルーパス、カットされるも川﨑が浮き球を落とし。
そしてペナルティアークで受けたウタカがシュート(ブロック)と、閉塞感をウタカの能力で打ち破らんとする京都。
しかしゴールは生まれる事無く時間が進んでいき、終盤を迎えます。

金沢サイドはバランスを崩したくないという意識からか、2度目の交代はかなり引っ張り。
一方の京都は42分に最後の交代カードを使用。(荻原→荒木)
43分にウタカが左サイドでボールキープ、金沢のアタックを巧にかわして前進する姿で場内を沸かせ、得点へのムードを高めつつ尚も攻撃。
44分に右ハーフレーンから、長井のエリア内への浮き球のパスに李が合わせヘディングシュート。(枠外)
45分にウタカの左からのクロスを、中央ややニア寄りでイスマイラが合わせヘディングシュート。(ゴール左へ外れる)
FWの選手もシュートを見せ始めましたが、どうしてもゴールに辿り着けないままアディショナルタイムへと突入します。(金沢は44分に丹羽→杉浦恭平へと交代)

クロスを何度も入れるものの、シュートを放てないATの京都。
それを尻目に金沢が攻撃権を得て、ロングボールのこぼれから繋ぎ、瀬沼がPアークからシュートしたもののブロックに阻まれ。
金沢が最後にフィニッシュシーンを作ったものの、結局双方スコアレスのまま、試合終了の笛を聴く瞬間が。
引き分けで勝ち点1に留まった金沢ですが、19位の相模原の敗戦により、無事に残留に辿り着きました。

最後は3試合連続スコアレスドローと、攻撃面に不安を残しての幕切れとなった京都。
しかし既に昇格への道は不変であり、この日の前に既に契約満了により退団決定となっていたヨルディ・バイス(この試合はベンチ外)然り、来季に向けての編成は既にスタートが切られており。
J2の中ではかなりの資本力を持っていた京都だけに、大きく顔ぶれを変える事も不可能では無いでしょうが、基本形の維持を壊さないような補強が望まれる所です。

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第41節 FC町田ゼルビアvs大宮アルディージャ

2021-12-03 16:40:49 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の町田の記事はこちら(35節・栃木戦、0-0)
※前回の大宮の記事はこちら(35節・北九州戦、3-1)

36節からの3連敗を含む、5戦未勝利という現状の大宮。
急転直下で再度降格ラインに脅かされる事態となっていました。流石は元J1のラインコントローラー
前節(水戸戦・1-3)は緩むディフェンス面を引き締めようとしたのか、既に今季限りでの引退を発表している河本をスタメン起用したものの、結果は出ずに終わり。
この日は河面をセンターバックに起用し、その河面がコーナーキックのキッカーを務めるなど苦しさが滲み出る試合になりました。

残留争いを強いられるクラブらしく、肉弾戦上等という意識を押し出している霜田正浩監督就任以降の大宮。
しかし急場凌ぎでは、既にそんな意識を下地としている町田相手にはやはり苦しく。

町田ペースの入りで試合がスタートし、大宮は町田のプレッシングの前に全く好機を作れずに推移します。
いきなり耐える時間を強いられましたが、町田サイドも、吉尾が顔面にボールを受けて倒れ込むなど無傷では済まず。(1分程で起き上がりピッチ外→復帰)

10分程が経過し迎えた大宮最初の攻撃(前半11分)、石川ロングパス→河田胸で落とす→黒川ダイレクトでシュート(ゴール左へ外れる)と、いきなりフィニッシュに持ち込む事に成功。
その後も13分に菊地がエリア内左からシュート(ブロック)、19分にCKから菊地がヘディングシュート(ゴール上へ外れる)と、少ないチャンスでシュートに結び付け。
町田ペースの中、好機を確実に生かしフィニッシュで上回るという計画が垣間見えました。

しかし今季の町田は、プレッシング・球際の強さだけに留まらないチームへと進化を遂げており。
長短織り交ぜ、ダイレクトプレイも巧みに行うパスワークに翻弄され続ける大宮。
前に出てそれを遮断しようとするも、一歩・半歩の立ち遅れが目立ち、繋がれて危機を招くシーンが頻発します。
シュート数では上回るもそれ以外は……という流れのまま、飲水タイムを迎えます。(24分)

肉弾戦を挑むチームが、チェックが立ち遅れると、何が起こるかは明白。
28分、町田・中島が縦パスを受けにいった所チャージを受け、倒れた所に大宮・河面の脚が入ってしまい痛むシーンが。
中島は無事に起き上がったものの、直後の30分には逆に中島が河面の頭部に脚を入れてしまい反則となり、ナチュラルな報復(当然偶然でしょうが)のようなシーンに思わず苦笑いしてしまいました。

それはともかく、第2クォーターは攻撃権を支配していた町田が、その羽を広げるかのようにフィニッシュに辿り着く攻撃を目立たせます。
36分、右サイドでの吉尾のパスカットから、エリア内で受けた中島のマイナスのクロスを安井が合わせシュート。
ループの軌道を描いたものの、惜しくもゴール左へと外れ。
直後の同じく36分、またも右サイドで奥山のパスカットから、平戸がエリア内を突いて中央からシュート(ブロック)とショートカウンターを仕掛け続けます。
38分には中島が再び河面に倒され、反則による直接フリーキック。
左ハーフレーン・エリアからやや手前という位置で、平戸が直接シュートを放ち、外から曲げてきたもののゴール右へと外れ。

パスワークに翻弄され、かつ自らのパスは奪われるという八方塞がり状態を強いられる大宮。
ゴールキックも短く繋ぐ事が多いスタイルな以上、何とか一本主体的な攻撃を展開して落ち着きたい所。
それが実ったのが44分、ここも短いゴールキックから、河面のロングパスを受けた河田から右サイドで攻撃。
菊地のポストワークも交え、馬渡がクロスを入れる展開にまで持ち込むと、ニアサイドに入れられた低いクロスに小野が頭から跳び込み。
放ったヘディングシュートは枠を捉えられずも、後半へ期待感を持ち込むには十分……と思われましたが、このプレーで小野が肩を痛める事態となってしまいます。
一旦は復帰したものの、ハーフタイムで交代の措置が採られる事に。
その後、町田・奥山が大宮・翁長を倒した(アドバンテージで流れる)事で警告を受けるなど、肉弾戦の様相が色濃く表れつつ前半を終えます。

大宮が小野→奥抜へと交代した一方で、町田も動いてきたHT。
安井・中島→太田・ドゥドゥへと2枚替えを敢行。
この日は平戸が左サイドハーフで出場したため、セカンドトップを務めていた安井。
太田が左SHに入った事で、平戸が本来のセカンドトップに回り後半を迎えました。
最近は勝利する際は「点の取り合い上等」な展開が目立つ町田。
特に前節・山形戦(5-3)は後半に一挙5点を挙げる逆転勝利となり、この日もベンチに控える攻撃の駒をふんだんに利用して挑んだ後半。

その効果は早速表れ、後半1分に佐野のロングパスにドゥドゥが走り込み、大宮サイドがクリアしきれずに拾ったドゥドゥから受けた太田が左からクロス気味にシュート。(GK南キャッチ)
続く2分には右サイドから平戸が左へとスルーパス、走り込んだ太田からクロスが上がり、クリアボールを高江がエリア内へ送り込んだ所をドゥドゥが合わせ。
ドゥドゥはゴールと逆向きながらボールは枠に向かいましたが、ポストを直撃してしまい先制ならず。
尚も攻め立てる町田、平戸のエリア手前からのシュート(2分・枠外)、CKからの二次攻撃で吉尾のエリア手前からのシュート(5分・GK南キャッチ)とフィニッシュ地獄を浴びせます。

何とか窮地を脱した大宮、8分には中盤からのFKで、キッカー馬渡が直接シュートを狙い。(ゴール左へ外れる)
その後も18分に中盤で拾った河田がロングシュートを狙う(ゴール右へ外れる)など、押され気味の状況故に遠目から撃つ姿勢で流れを引き戻したいという思惑が見え隠れしていました。

前半同様にクオリティ溢れる攻撃を展開する町田に対し、大宮は交代で入った奥抜の推進力を交えて応戦。
攻撃機会では互角に持ち込んでいったものの、20分に町田の決定機が。
左サイドで三鬼の縦パスを平戸がダイレクトで前へ送り、そのボールをさらに太田がダイレクトで中央へ。
そして受けたドゥドゥがエリア内に進入する絶好機となりましたが、放たれたシュートはゴール上へ外れてしまいます。
冷や汗をかく事となった大宮。

その後23分に平戸が大宮・西村に反則を受け、再び直接FKのチャンス。
今度は右ハーフレーン・エリアからやや手前という、前半の場面とは逆の位置からで、キッカーも平戸とは逆足の吉尾。
しかし放たれたシュートは壁を直撃、頭部でブロックした大宮・菊地が痛んだ所で後半の飲水タイムとなります。

明ける際に菊地が退いた(山田と交代)大宮、馬渡が右SHに回って山田が右サイドバックへ。
この日は3トップというよりは、両翼を若干下げて中盤を厚めにした4-2-3-1の布陣を採っていた大宮。

町田は攻め疲れかここから後手に回ってしまい、大宮ペースの流れとなり。
それを手繰り寄せたのが奥抜で、彼を軸として左サイドで攻撃。
34分には三門のミドルパスを受けた奥抜がそのまま前進、町田・深津の股を抜いてのカットインでエリア内に入り、中央まで流れた末にシュート。
しかしGK福井のセーブに阻まれてCKに。
直後の左CK、キッカー河面のクロスを直接GK福井が抑えたものの、あろう事かこれをファンブル。
すかさず河田が詰めにいくも、再度福井に抑えられてモノに出来ません。

一転して防戦となった町田、当然の如く流れを変える交代カードを切りに掛かり。
36分に吉尾・平戸→岡田・鄭大世(チョンテセ)へと2枚替えを敢行すると、目論見は当たり再度町田ペースの展開となります。
右サイドから鄭のポストプレイを交えつつ前進、ドゥドゥも右へ開いてのプレーが目立ち、その分太田をターゲットとしてのクロス攻勢を仕掛け。
圧力を取り戻したものの、それでも先制点には辿り着けない町田。
42分には大宮・山田が町田・深津との競り合いで、頭部を痛めてしまい倒れ。(1分程で起き上がりピッチ外→復帰)
このブレイク以降、流れを失った感がありました。(大宮は39分に黒川→中野に交代)

そしてアディショナルタイムへ突入という所で大宮が好機を掴み、再び左サイドでの攻撃で、翁長のスルーパスを奥で受けた奥抜がカットイン。
エリア内からマイナスのクロスを入れると、逆サイドから走り込んだ馬渡がニアで合わせたものの、惜しくも枠を捉えられず。

再び大宮に流れが傾きかけた、という所で双方選手交代。
町田は三鬼→水本、大宮は河田→佐相。
この交代で大きく動いたのは町田で、深津・高橋・水本の3バックとなる3-4-2-1へとシフトしました。(岡田が左ウイングバックに回る)

しかし双方フィニッシュに辿り着く事はこれ以降無く。
大宮はセットプレーからボールを握り、放り込み体勢へと持ち込んだものの、好機を作れないまま試合終了の笛が鳴り。
スコアレスドローで勝ち点1を得たものの、当然物足りない大宮。

残留か降格か、という審判は最終節まで持ち越された大宮ですが、それはまだ幸せな方でしょう。
9クラブを巻き込んだ残留争い、今節まで残留も降格も確定していませんでしたが、今節終了の結果ようやく大きく傾き。
松本と愛媛が残念ながら降格決定、栃木と山口が目出度く残留決定。
北九州も降格圏確定で、残留の可能性は限りなく低いという状況となりました。
残りのクラブの中では得失点差で最も有利なのが大宮で、そのアドバンテージを活かしたい所ですが、最終節の相手は群馬。
最後の最後で行われる直接対決が、どんな結果を齎すでしょうか。

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第41節 レノファ山口FCvsヴァンフォーレ甲府

2021-12-02 16:19:42 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の山口の記事はこちら(39節・北九州戦、0-1)
※前回の甲府の記事はこちら(33節・琉球戦、1-0)

昇格の可能性をほんの僅かに残している甲府。
諦めの姿勢を見せるのは許されず、とにかくあと2戦を勝利するのが絶対条件と苦しい状況で、山口のホームに乗り込んでの試合となりました。

その山口も、残留という目標に向けての戦いを強いられており。
3連勝の後未勝利と、あと1勝が遠いとボヤきたくなる状況ですが、目前に迫っているのは変わらず。
落ち着いて最後のヤマを越えたい所。
そんな両クラブの状況が齎すものは、緊張感故の焦りか、ないしは緊迫した好試合か。

開始早々の前半1分にコーナーキックを獲得した山口、その二次攻撃で石川の右からのクロスを渡部がヘディングシュート(枠外)に繋げて先制攻撃。
山口とは違い敗戦は許されないという状況で、硬さが目立つ甲府を押し込むという展開になりかけます。
しかしその刹那の3分、今度は山口が最終ラインでパスミスを犯し、拾った宮崎がそのままエリア手前からシュートを放つ(枠外)シーンが生まれてしまい。
お互い硬いという印象を残した入りとなりました。

その硬さを突くように山口は6分左サイドで高井の前進から、戻しを受けた佐藤謙介が手前からクロス、と見せかけてゴールを狙うボールを蹴り込み。(ゴール上へ外れる)
甲府はプレッシングを嵌めて主導権を握るものの、そこから得たセットプレーでは振るわず。
12分の左CK、14分の左サイドからのフリーキックともにメンデスがオフサイドを取られて終わり、とフィニッシュに繋げられません。

立ち上がりの15分が過ぎると、ともに最終ラインから繋いでボールを握り、主体的な攻撃を展開しようとします。
山口は前監督・渡邊晋氏の残り香というべきか、最終ライン3枚+ボランチでパスを繋ぎ、甲府の守備意識を前に向けた所で裏へロングパスを送り込む攻撃。
一方の甲府も、普段通りに新井が一列前に出る形でのビルドアップを見せ。
双方ぶつかり合い、攻撃機会は山口に分があったものの、甲府は17分に山田陸が中央からシュート(GK関キャッチ)とフィニッシュでは上回り。
どちらも譲らないまま、22分に飲水タイムを迎えます。

ブレイク明け直後から、次第に地力で勝る甲府が押し込み、サイド奥を突く展開が増え始めます。
27分には荒木の左からのロングスロー、こぼれ球を宮崎が繋ぎ、受けたメンデスがシュート(GK関キャッチ)とロングスローからのフィニッシュを見せ。
この時間帯辺りから、プレッシングを強めて山口のボール回しを遮断しにいくなど、絶対勝利が求められている故の立ち回りを展開します。

しかし次第にそれに慣れを示し始め、好機を作っていく山口。
第1クォーターの裏狙いから、今度はミドルパスから1トップ・大槻のポストプレイという流れを多くする微調整を敢行。
甲府はやはり1トップのウィリアン・リラのチェイスの甘さもあり、相手を逃がしてしまう場面が増えていきます。
それでも39分に甲府はGK河田から繋ぎ、左サイドで野津田のスルーパスを受けた宮崎がカットイン、エリア内左からシュート。(GK関セーブ)

フィニッシュでは全体として甲府が上回りを見せていましたが、前半も終盤を迎えてとうとう山口が決定機を掴む流れに。
41分、左サイドで人数を掛けてのパスワークから橋本がカットイン→エリア内へパスという流れで中央を突き、大槻のポストプレイを経て高井がシュート。
しかし甲府・メンデスのブロックに阻まれてしまいます。
アディショナルタイムに突入し尚も攻め立てる山口、今度は右サイドで田中渉のスルーパスに石川が走り込んで低いクロス、中央で大槻が受ける絶好機。
トラップが大きくなった所をGK河田がブロックするも、こぼれ球を池上がシュート、しかしゴール寸前で今度は甲府・新井のブロックに阻まれ。
直後のCKからも、こぼれ球をヘナンが奪って二次攻撃、クロスの右往左往を経て最後はエリア内左から高井がシュート。
しかしこれも甲府・浦上がブロックと、3バック全員がブロックでゴールを守るという甲府の凌ぎの前に、先制はならず。
スコアレスで前半終了、後半を迎えます。

その後半の前に、ハーフタイムで宮崎→鳥海へと交代した甲府。
リラが居る以上積極的なハイプレスを掛けられないにも拘わらず、状況が状況故に掛けざるを得ないというサッカーで、負担増となっていたでしょうか。

尚後半に入るにあたって、13時キックオフであった相模原vs松本が引き分けに終わった(1-1)ため、この時点で山口の残留が確定となります。(松本は逆にこれで降格が確定……)
そして文字通りプレッシャーから解放された事で、後半立ち上がりから攻撃権を掴む山口。
後半4分、最終ラインでのボール回しから渡部が裏へロングパスを送ると、右から走り込んで来たのは石川。
甲府ディフェンスは中央の大槻をケアしていたため通れば1点ものでしたが、GK河田が判断良く前に出て足でクリア。
8分には左サイド後方でのパス回しから、橋本が中央裏へミドルパスを送ると、エリア内で高井が足で合わせシュート。(枠外)
前半から、シャドーとウイングバックが何度もレーンチェンジを行っての攻撃を展開していた山口。
その結集ともいうべき、クオリティ溢れる攻撃で甲府ゴールに迫りを見せました。

しかしその流れも、12分に眞鍋が甲府のアタックを受けつつボールキープするも、転倒してしまいボールを両足で挟み固定したという事で反則を採られて終了。
この甲府の左サイドからの間接FK(キッカー長谷川クロス→ニアで新井フリックもクリア)以降、一転して甲府ペースの展開となります。
ポジションの流動性では甲府の攻撃もひけを取らず、2シャドー(長谷川・鳥海)が左右を頻繁に入れ替え、山口サイドに的を絞らせずにパスを繋ぎます。
17分、リラのポストプレイから浦上がラフに左サイドへロングパス、走り込んで受けた長谷川の戻しを経て野津田が左ハーフレーンからシュート。
これをゴール目前で鳥海が跳び込み、コースを変えにいったもののオフサイドを取られてしまい。(触れず)

17分に山口が動き大槻→梅木へと交代。
それでも流れは変えられず、甲府のプレッシングの前にあっさりとロングボールでボールを手放してしまうシーンが目立ち。
少し前までのような、意図的な狙いを持ったロングパスとは雲泥の差でした。
しかしその意図されたパスが出ると強く、22分に佐藤謙介のエリア内へのロングパスに高井が抜け出して受け、エリア内でシュートチャンスを迎え。
右へと流れてシュートと変化を付けた高井でしたが、GK河田の足でのセーブに防がれてモノに出来ず。

スコアレスが続いたまま後半の飲水タイムを迎え(24分)、甲府は明ける際に2枚替え。
リラ・野津田→三平・中村へと交代し、何としても1点を取らなければならない第4クォーターへ突入。

その立ち上がりも山口の攻撃機会が続きますが、転機は28分、その山口の右CKから。
クロスがクリアされ二次攻撃に入る所をボール奪取した甲府、カウンターになりかけるも繋がらず、再度山口が前進を図らんと最終ラインで繋ぎに入り。
しかし田中渉のパスがズレてしまい、拾った中村が中央エリア手前からシュートを放つと、ゴール右へと突き刺さり。
セットプレーの好機が一転、2度のネガトラを強いられてしまい守れなかった山口。
その隙をキッチリモノにした甲府、待望のリードを奪いました。

山口は失点直後もめげずに攻め上がり。
しかし31分に再度CKを得たものの、またも甲府のカウンターを浴びてしまいます。(シュートには繋がらず)
ようやく緊張の糸が解けたかのように、敵陣で細かくパスを繋ぎ時間を使う立ち回りを見せる甲府。

行き詰まった山口は37分に選手交代、佐藤謙・田中渉→佐藤健太郎・草野へと2枚替え。
ドイスボランチを揃って退かせる思い切った交代策を採りました。(池上がシャドー→ボランチへシフト、梅木がFW→シャドーへシフト)
以降、再度ボールを握って攻勢に入る山口、42分には再度2枚替え。(ヘナン・石川→菊地・高木)
しかしクロスの精度を欠くシーンが目立ち、フィニッシュには繋げられず時間も押し迫ります。

ATへと突入し、渡部を前線に上げてパワープレイの体制に入る山口。
マイボールとなっても、スペースへ蹴り出すだけとなる甲府に対し、何とか好機を掴みたい状況。
左サイドから橋本がロングパスを送り、中央で渡部が落とした所に高井がボレーシュートを放つも、惜しくもゴール左へと外れてしまい。
結局これが唯一のシュートシーンとなり、健闘及ばなかった山口。

0-1で甲府が勝利となりましたが、同時刻の千葉vs京都が引き分けに終わり(0-0)、勝ち点1を積み上げた京都が2位を確定させます。
つまり甲府の昇格の可能性は潰え、4連勝で追い上げたものの及ばないという結果に終わりました。
5位→4位→3位と3年間後一歩という順位を続けているだけに、精神的にキツいものがあるでしょうが、まずは来季に向けて英気を養ってもらいたいものです。

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第41節 ブラウブリッツ秋田vs東京ヴェルディ

2021-11-30 18:54:08 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の秋田の記事はこちら(32節・愛媛戦、0-2)
※前回のヴェルディの記事はこちら(33節・岡山戦、1-2)
※前回の両チームの対戦はこちら(16節・ヴェルディ 3-1 秋田)

既に今季のJ2残留を決めている秋田。
初のJ2リーグを戦い抜いたその結果は快挙といってもいいものですが、県の上層部の方にとってはそんな捉え方はされていないようであり。参考動画

将来への叱咤激励と捉えても良いかもしれませんが、そうした上昇志向により身の丈思考が抜け落ち転落への道を辿ってしまったJクラブも歴史上にあるので、それがプラスになるとは素直に思えません。
J3という「沼」ともいえるリーグを戦い、ひたむきさを前面に出したパワーサッカーに活路を見出し、念願の昇格を果たしたクラブ。
そこに信念と誇りを持っている関係者・ファンが数多いる以上、支持を得られるような発言にはどうしても思えず。
この乖離が将来に暗雲を落としやしないかと感じてしまいますが、まずは目の前の残りの試合を戦うのが第一。

秋田にとってはこれがホーム最終戦で、一年の総決算ともいうべき試合。
前半戦には無かった連敗も、折り返し後には3度作ってしまい現在2連敗中とあり、地元で良い所を見せて終わりたいという状況です。

試合開始となり、普段通りにロングパス中心で陣地を押し込み、数多獲得したスローインから攻勢を掛ける秋田。
前半5分の江口の左からのロングスローから、獲得したコーナーキックでさらにセットプレー攻勢に。
しかしモノに出来ず終わると、ヴェルディの攻撃へとターンチェンジ……したかは定かでは無いですが、自分がヴェルディの立ち回りをじっくり観察する時間に。

福村が左サイドバックという事で、「左肩上がりの最終ラインによるビルドアップかな……」と思っていましたが、この日の福村は上がりが自重気味。
前回のこのカードの時には、右サイドバックがあまりにも上がらずといった前半のヴェルディでしたが、この日はそれが左右逆となっており。
以前とは違い新井瑞希という突破力豊かな選手が左ウイングに居るため、その後方で構える体勢を取っていたようでした。

序盤はその新井瑞のドリブル突破に活路を見出していましたが、13分には逆の右サイドで組み立て。
梶川パス→小池ポストプレイ→深澤ダイレクトで裏へミドルパスというヴェルディ定番のような流れで、受けた佐藤凌我がエリア内へ進入、切り返しからシュート。
GK新井栄聡が足でのセーブで防ぐもCK攻勢へ突入、迎えた2本目の左CK、サインプレーを選択したヴェルディ。
梶川から上げられたライナーのクロスで、エリア手前やや右から森田がボレーシュートを放ち、秋田・藤山がブロックするもエリア内にこぼれ。
そこから馬場シュート(GK新井栄セーブ)→佐藤凌シュートという連撃でゴールネットを揺らし、先制に成功します。
秋田にとっては愛媛戦での間接フリーキックを彷彿とさせるような失点シーンでありました。

すぐさま反撃に入る秋田、16分に右CKを得て、クロスがクリアされてからの二次攻撃。
右サイドのかなり手前から江口が放り込み、ファーで増田の折り返しを受けた千田がエリア内左奥を突いてシュート。
GKマテウスがセーブしたものの、顔面でのものであったため痛み試合が中断。
今季から脳震盪の疑いに対して非常にナイーブになっており、ここでも無理はさせられないという判断に陥り、交代の措置が採られます。
そして思いがけぬ初出場の舞台となった長沢。

アクシデントによりクールダウンが心配された秋田ですが、25分には左サイドでパスを繋ぎ前進、三上がマイナスのカットインでエリア内に侵入してシュート。(枠外)
飲水タイムを挟んだ29分には右サイドのスローインから繋ぎ、武のクロスのクリアボールを拾った稲葉がシュート(GK長沢キャッチ)と攻め立て。
前線からのプレッシングも旺盛に行いましたが、それに対してヴェルディはロングボールを使ってかわす立ち回りを敢行。
試合が進むにつれて右SB・深澤の上がりも目立たなくなり、最終ライン4枚で幅を取り、ボールの出どころを増やす体制を作っていました。
これにより前掛かりな姿勢をひっくり返される、という危惧が過る秋田。

実際にそうなってしまうのですが、契機は36分の秋田のフリーキックから。
クリアボールを拾った梶川から受けた新井瑞が右サイドをドリブル、一旦は奪われるもプレスを掛けて秋田・江口の蹴り出しをブロックして奪い返し、そのままエリア内でGKと一対一に。
そして横パスを出してかわすと、中央で小池が合わせてシュート。
ミスキックした小池でしたが、前に飛んだため事無きを得てボールはゴールに吸い込まれ。
しまらないながらも、自己最多のシーズン17得点目を挙げた小池。

同点どころか点差を広げられてしまった秋田、その後は左サイドでの茂の突破力を押し出す攻撃を繰り広げます。
それが奏功し39分に茂のドリブルがヴェルディ・深澤の反則を生み、左サイド奥からのFKに。
キッカー江口がゴールに向かうクロスを入れると、ニアサイドで武が跳ぶも合わず、しかしこれがナチュラルなスルーの形になってそのままゴールイン。
GK長沢にとっては厳しい二択を突きつけられた格好となり、1点を返した秋田。

マテウスの治療→交代もあり、前半から長いアディショナルタイム(7分)となった最終盤。
秋田は自陣からのFKでGK新井栄がエリア内へ放り込み、武が合わせにいった所をGK長沢が跳び出して抑えにいくもこぼれ、クリアされたボールを江口がダイレクトでミドルシュート。(枠外)
秋田らしい攻撃を見せたものの、その後ヴェルディがCKで好機。
キッカー梶川のニアへのクロスを佐藤凌がスルー、こぼれ球になった所を馬場がシュート。(ブロック)
1失点目然り、こうしてセットプレーでクリアしきれず混戦を作られがちなのが今後の守備の課題のように思えました。
試合は1-2のまま前半終了、後半へ突入します。

ともに交代は無く迎えた後半。
ヴェルディは一言で言えば「かたい」という立ち回り。
前半から徐々にシフトした、DF4人がそのまま最終ラインに残る基本線は変わらず。
それはヴェルディらしくない、ビルドアップの硬さを呼び起こしていましたが、逆に守備では秋田のやり方にキッチリ対処する堅さを生んでおり。
敵陣に進入してもあまり上がらずというリスク管理を主体とし、ロングボールによるカウンターを一切許さず展開します。
こうなると主体的に相手を崩す事をしなければならない秋田、サイドから縦パス・ポストプレイを交えて前進を図るものの、好機は作り出せません。

糸口を掴みたい秋田は後半12分、最初のカードを切り齋藤→半田へと交代。
その直後にGK長沢のパスミスを武が拾い、エリア内に進入するという絶好機が訪れます。
中央で切り返してシュートした武ですが、ブロックに阻まれてモノに出来ず、以降ヴェルディのターンとなってしまいます。
可変が少ないこの日のヴェルディでしたが、それでも根底の繋ぐ能力は健在で、ボールを細かく繋いで敵陣で秋田ディフェンスを揺さぶっていき時間を進めていきます。

行き詰まり感が漂い始めた秋田、18分に再度交代し、今度は3枚替えと思い切った策に出ます。
武・三上・茂→中村・沖野・久富へと交代。(いずれも同ポジション)
20分、増田のラフなロングパスから左サイドで組み立て、交代で入った久富が奥からクロスを上げるシーンを作るもシュートは撃てず。
既に契約満了で退団が決まっている久富、その意地をチーム力に還元させんと奮起します。
それでもヴェルディ優勢の流れを変える事が出来ないまま、26分に飲水タイムへ。

ブレイク明け、ヴェルディも最初のカードを切り、新井瑞→山下へと交代。
小池が左WGに回り、右WGに入った山下。
その山下を中心とした右サイドでの攻撃に脅かされるも、反撃の流れを掴む時を待ち耐える秋田。

そして32分、左サイドの久富のドリブルから好機を作り、攻撃権を確保する事に成功。
33分、左サイドのスローインから素早くクロスを上げると、中央で半田がフリック。
ファーサイドに流れた所を中村が合わせにいきましたが、届かずと惜しいシーンが生まれます。
何とか良い流れを作った秋田、35分に最後の交代を使い、江口→高瀬。(藤山が右SB→ボランチへシフト、飯尾が左SB→右SBへシフト)
その後センターバック(千田・増田)が敵陣まで出てボールカットするなど、全員ベクトルを前へ向けてゴールを目指します。

しかしその流れも、39分のCKで逆にヴェルディのカウンターを呼んでしまった事で終焉します。
40分には福村のボール奪取から縦に速く送るヴェルディ、エリア内で山下がシュートするもGK新井栄がセーブ。

再び前掛かりの意識を突かれる恐怖が過る展開となり、それを防がんと必死で防戦に入る秋田。
しかしそれも実らず43分のヴェルディの攻撃、左サイドで小池がスルーパスを受けて中央へ流れ、パスを送ったのちエリア内での攻防に。
森田のシュート(縦パス?)がブロックされた跳ね返りを佐藤凌が落とすと、秋田・増田がクリアしにいくもボールは無情にも逆方向、つまりゴール内へ。
最後はオウンゴールとなりましたが、押し込まれた末の追加点を許してしまいました。

何とかホームで意地を見せたい秋田でしたが、ストロングポイントがヴェルディにしっかり抑え込まれているので厳しく。
AT目前で、ヴェルディは残った交代枠を使い切る3枚替え。(ンドカ・ボニフェイス、森田・小池→平・加藤・杉本)
その後もヴェルディが攻める展開を中心に進んでいき。
そして敵陣での加藤のボール奪取から、拾った山下が中央突破でエリア内へ進入、切り返しからのシュートをゴールネットに突き刺し。
ダメ押しの4点目を加えます。

結局1-4で試合終了となり、前回対戦時のスコアを上回られてしまった秋田。
内容でもセットプレーの守備、主体的な攻撃といった課題が露呈しましたが、あくまで基本線はひたむきさ。
冒頭のような意見の食い違いに惑わされず、どれだけ来季に向けて肉付けをしていくかが問われる事となるでしょう。

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第40節 ザスパクサツ群馬vsアルビレックス新潟

2021-11-26 18:33:04 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の群馬の記事はこちら(38節・相模原戦、1-1)
※前回の新潟の記事はこちら(34節・長崎戦、1-1)

様々な障害にもめげず、J1昇格という目標に向かい戦い続けるJ2の上位クラブ。
その障害というのは色々あるものの、シーズン途中での他クラブによる選手の引き抜きが要因の一つとなるのが、下位カテゴリ故の物悲しさでしょうか。
しかし近年は、選手という枠組みだけに留まらないのが通例となりつつあるのか。

昇格の可能性が潰えた新潟、(この日の試合終了の翌日に)シーズンを待たずしてアルベルト・プッチ・オルトネダ監督の退任が発表される運びとなりました。
しかしその原因として、来季の監督人事に頭を悩ませるJ1クラブ・FC東京からのオファーが語られており、それを受諾したという事でしょうか。
昇格に向け、監督の下で一体となって戦い、サッカーの質的にも(細かい部分はさておき)文句無し。
そんなクラブが一つ下のJ2にあれば、格好の標的になるのは当然で、それがピラミッド型モデルのリーグ構成故の性。
それでも文句の一つも言いたくなるのが人情というものですが、そんな暇があるのならば未来に向けて歩みを止めないべきでもあり。
まあピラミッドの最頂点というべきA代表が「J3のクラブが行っているサッカーよりも質が低い」と揶揄されている現状もありますが

さて、新潟が来季に向けた体制作りを余儀なくされている一方で、未だ残留争いを勝ち抜く戦いを強いられている群馬。
この試合に勝利すれば残留確定の可能性が生まれる状況ですが、相手は上位クラブの新潟。
無理に勝利を狙って相手の支配力の高さに圧倒されるよりは、勝ち点1でもOKというサッカーに舵を切る事も求められるでしょう。
そんな舵取りに相応しく、百戦錬磨のベテラン・細貝がこの日ボランチで初のスタメンに入りました。

試合が始まると、早くも相手に対して肉弾戦も厭わずという圧を掛ける群馬。
特に岩上は、開始1分でボールを持つ新潟選手に対して激しいプレッシングを敢行、そのままチャージしてしまい反則。
尚もその姿勢は止まず前半3分には新潟・高木との空中戦、上から乗っかるように激しいチャージをしてしまうと、早くも黄色い紙が突き出される事となりました。
しかしその岩上も、8分にはボール奪取した所を新潟・田上に倒され反則を受け、足を抑えて蹲るシーンが見られ。(田上に警告)
10分には大前がアフターで倒されて反則・右サイドからのFKを得た群馬。(シュートには持っていけず)
不穏な試合展開の中、セットプレーが一つのカギとなりそうな予感を生み出しましたが、そんな流れも気にせずに主体的に攻撃を仕掛けるのが新潟。

この日は右からの攻撃が顕著で、右サイドバック・長谷川を使っての前進で好機を作っていき。
長期離脱から復帰し、36節(岡山戦・1-1)という終盤でようやく今季初出場となった長谷川。
今季未だ勝利を体験出来ていない(前節はベンチで未出場)状態で、それを果たすべくの奮闘、といった所でしょうか。

新潟のビルドアップからの攻撃に対し、しっかりとブロックを作り構える体勢を取る群馬。
安い失点は何としても避けようというスタイルで、ドローで上等とサッカーで語っているようでもあり。
それでも21分には前からプレスを掛けにいきましたが、高が縦パスであっさりと剥がしてチャンスを作る新潟、水戸のパスを受けたロメロ・フランクがエリア内右へと進入してシュート。(群馬・小島雅也がブロック)
下手なプレッシングは新潟の思うツボ、という事を如実に表しつつ、前半の飲水タイムへ。(23分)

中々好機を作れない群馬は29分、自陣からのスローインを受けた大前が左→右へとサイドチェンジ、受けた平尾のドリブルから敵陣で攻撃を展開。
田中稔也のクロスはクリアされるも、新潟のパスミスでこぼれた所を岩上が走り込んでシュート。(新潟・舞行龍ジェームズがブロック)
流れが変わるような雰囲気を生んだその刹那、新潟の決定機が。
田上のサイドチェンジを受けた長谷川の前進から、中央へのパスをロメロがスルー、こぼれて浮いた所をロメロがエリア内へ落とし。
そこに走り込んだ高木がシュート、GK清水がセーブした所を鈴木が詰めてシュート、しかし清水が再度セーブ。
この決定的ともいえる連撃を防いだ清水ですが、同時に防戦一方のイメージを植え付ける事にもなりました。

前半終了も近付いた44分、再度新潟が群馬ゴールに矢の雨を浴びせるシーンが生まれます。
ゴール中央やや左からの距離のあるFK、キッカー高木のエリア内へのロビングがこぼれた所を長谷川がヘディング。
群馬・渡辺がかき出した跳ね返りを、ロメロがジャンピングボレーで追撃しますがGK清水がセーブ、しかしさらに千葉がヘッドで繋ぎ鈴木がヘディングシュート。
清水の左を突いたこのシュートも、ライン寸前で群馬・岩上のブロックに阻まれてしまいます。
今度は3連撃となりましたが、これでも先制出来なかった新潟。
一方何とか凌ぎ切った群馬、アディショナルタイムは攻撃権を独占するもののフィニッシュには持ち込めず、スコアレスで前半を折り返します。

交代選手は無く後半開始を迎え、早速キックオフからの攻撃で好機を作った新潟、その直後に水戸が群馬・平尾のスライディングで倒され反則。
これで左サイドからのFKを得ると、キッカー高木のクロスをニアサイドでロメロがフリックしたボールがゴールに向かい。
中央で跳んだ田上がシュートかそのまま流すか、という二択が作られますが、GK清水は惑わされずセーブ。(田上が合わせたかどうかは微妙なシーン)
前半から当たっているこの日の清水、この場面でも動じず好守備を貫きます。

ピンチの後にチャンスあり、というかの如く、後半5分の群馬の攻撃。
内田からの展開で左サイドで前進、加藤の低いクロスが上がると、大前が身体を倒して合わせるヘディングシュート。
しかしゴール右へと外れ、劣勢をひっくり返すゴールは生まれず。
これを逃した群馬、以降10分以上に渡り攻撃権を支配されてしまいます。

守備一辺倒の相手に天誅を与えんと、先制点目指して攻め上がる新潟。
しかしボール支配すればするほど、得点の匂い自体が生まれにくくなりがちなのがアルベルト監督率いる新潟でもあり。
そんな負の要素を振り払いたい状況の8分、中央~左サイドでのパス回しに、ロメロのボールキープ力を加えつつ前進。
そして三戸からのクロスをファーサイドで鈴木が折り返し、拾った長谷川が中央へと切り返してシュート。
しかしゴールバーを掠めて枠を逸れてしまいます。

その後もゴールを脅かされるも、凌いだ群馬は17分。
自陣右サイドで青木が拾ってカウンターチャンスになると、青木はそのままドリブルで敵陣を疾走。
そして右奥からカットインでエリア内に進入、角度が無いながらも自らシュートで締めます。(GK阿部足でセーブ)
これでコーナーを得ると、2本目の左CKをキッカー大前は直接狙うようなボールを入れ、ニアサイドで青木が合わせにいくも流れてそのままポストを直撃。
少ない好機を活かすべくの攻撃を見せた群馬。
一方の新潟は21分に交代カードを切り、ロメロ・長谷川→谷口・堀米へと2枚替え。
SBとサイドハーフ、それも右サイドを揃って交代したものの、谷口が左SH・堀米が左SBに入り。
そして元来左であった三戸・田上を揃って右へとシフトするという面白い交代でありました。

しかしスコアレスのまま飲水タイムが挟まれ、尚も押しまくるも得点出来ない新潟。
26分にさらに三戸→小見へと交代するも、得点の機運は高まらず、逆にらしくないパスミスで攻撃が途切れるのも目立つようになります。

攻め疲れかとも思われましたが、疲労度という点では、前半からずっと集中して守っていた群馬も相当なもの。
その影響かこの辺りからアフターチャージが目立ち始め、再び反則シーンが膨れ上がる群馬。
34分には細貝が新潟・高をスライディングで倒してしまい反則を取られると、異議を唱えたようでその後笛と共に黄色い紙が突き出されます。
以降も主審の判定に盛んに不満を露にしていた細貝、そんな様子にチームメイトが2枚目を貰わないようになだめるというシーンも見られました。
そんな劣勢の状況でも、中々交代カードを切らない群馬・久藤清一監督。
必死に守備ブロックをスライドさせて凌ぐその姿から、下手に弄るべきではないという判断でしょうか。

それでも群馬は37分、岩上のロングパスに走り込む青木、新潟・舞行龍に先回りされるも相手に触らせてCKを獲得と巧いプレー。
着実に時間を使う立ち回りで、相手にフラストレーションを貯めさせていきます。

結局攻めまくった新潟ですが、前半のようにエリア内でフィニッシュ地獄をお見舞いするシーンは無く。
41分に、クロスの跳ね返しを中央で拾った田上がミドルシュート(GK清水セーブ)を放ったのが最も惜しかったでしょうか。
38分に高→高澤へと交代し、2トップへとシフトするのかと思われましたが、それまでFWだった鈴木がこれを機に降り始め。
鈴木がボランチにシフトしたようであり、はたまた福田が1アンカーの4-1-4-1のようでもあり。
超攻撃型、といったような布陣になりましたが、スコアレスのままATを迎え。

しかしそのATではロクに好機を掴めず。
そしてようやく群馬はカードを切り、青木→北川へと交代したものの、この1度のみとなり。
全員の意思を統一させ、確実な勝ち点ゲットへと向かっていきます。

最後までゴールは生まれる事無く、0-0で引き分けという結果に終わった試合。
勝ち点40に乗せた群馬、残留まであと一息という中、無理をしない立ち回りが光ったドロー。
勝ち点3を焦って登頂した結果、息切れしてしまう事だけは避けるという振る舞いで、納得感溢れたホームでの試合となりました。

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