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ABEMA観戦 2022FIFAワールドカップ グループB第3節 イランvsアメリカ

2022-12-01 17:06:56 | サッカー視聴記(2022年その他)

<イランスタメン> 4-4-2
GK ベイランバンド
RSB レザイアン CB マジド・ホセイニ CB プーラリガンジ LSB モハマディ
RSH ゴリザデ DH ヌーロラヒ DH エザトラヒ LSH ハジサフィ
FW アズムン FW タレミ
<アメリカスタメン> 4-1-2-3
GK ターナー
RSB デスト CB ビッカーズ CB リーム LSB ロビンソン
DH アダムス
IH ムサ IH マッケニー
RWG ウェア CF サージェント LWG プリシッチ

参考動画 -イラン vs アメリカ|グループB|FIFA ワールドカップ カタール 2022 | 新しい未来のテレビ | ABEMA

グループリーグ突破を巡り、血で血を争う戦いとなる第3節。

野球・バスケットボール・アメリカンフットボールといった、他のスポーツが主流のイメージが強いアメリカ。
4年前のロシア大会では予選敗退の憂き目に遭い、出場すらならなかっただけに、今大会の復権に賭ける立場であり。(ちなみに最高成績はベスト8と、日本より上)

1節(ウェールズ戦、1-1)を観た所、高いボールポゼッションを軸に積極的なスタイルで攻撃権を支配し、前半のうちにリードを奪い。
しかし相手の交代策の前に徐々に押し込まれ、劣勢を強いられた末に追い付かれての引き分けとなってしまいました。
一方前試合の2節では、強豪イングランド相手に引き分け(0-0)と価値のある試合となり。
その内容はというと、1節の反省を踏まえ、フォーメーションを若干弄った(4-4-2)うえで慎重な立ち上がりを演じたアメリカ。
しかしイングランドの長い縦パス攻勢をあまりに通し過ぎてしまい、結局元の4-3-3でのディフェンスに切り替えるなど試行錯誤が見られ。
ディフェンスでも積極性が持ち味だけに、ブロックを整理してのサッカーは不得意という趣が垣間見えたようでありました。
結局その後持ち直すも、ゴールバーを叩くなど決定機をモノに出来ずのスコアレスドロー。
先行逃げ切りで勝てず、スタミナ温存策を取っても裏目という流れでの2引き分け。
突破のためには勝利あるのみという状況で、選択したのは言うまでも無く前者でした。

1節と同様に4-3-3でのスタートとしたアメリカ。
3トップでのビルドアップはと言えば、アンカーが2センターバックの前でどっしりと構えたうえで、サイドバックはボールの前進に成功するまでは上がりが控えめというのが一般的であり。
しかしアメリカはSB、特に左のロビンソンがガンガン前線に上がり、サイド攻略の軸とするスタイルを貫徹していました。

引き分けでも(ウェールズがイングランドに勝利しない限り)突破を決められるイランを尻目に、持ち前の積極性で攻撃権を支配していく理想の流れに。
立ち上がりはロングボールを多めにして好機を作っていた事もあり、イランがプレスを控えめにした所で、繋ぐサッカーを展開して先制を狙います。
前半23分にはサージェントのポストワークを囮にして、引き付けてスペースを作った所に(リーム→ムサへと)縦パスを通すという具合に、崩し方も熟知しているといった印象。

完全に攻撃権を握ったのちは、ロビンソンのみならず右SBのデストも最前線まで上がるようになるアメリカ。
30分にはデストが右ワイドから中へ向かうドリブルののち角度を変えてカットイン、そして中央エリア手前からシュート、ブロックされるも尚も繋いで左サイドへ。
今度はロビンソンが仕掛けて奥からマイナスのクロスを入れる(シュートには繋がらず)という具合に、一度の攻撃で両SBが絡む事も数多。
またSBが上がりきったうえで、ムサ・マッケニーのインサイドハーフがドリブル突破を図るシーンも目立ち、サイド攻撃に厚みを持たせていきました。

イランがシュートどころか、攻撃の糸口も中々見出せないという状況に追い込まれつつも、スコアが動かないまま時間は進み。
そして迎えた38分、そんな状況を打開せんと最終ラインまでプレッシングにいったイランでしたが、アメリカはGKターナーのフィード→ウェアのポストプレイでいなして攻撃開始。
アンカー・アダムスを経由してゆっくりとした攻めで左へ展開し、受けたロビンソンは戻しを選択すると、再び中央へ渡ったのちマッケニーが右へとミドルパス。
裏を取ってエリア内右へと走り込んだデストがダイレクトで折り返すと、中央で合わせたのはプリシッチ。
GKの眼前で放ったシュートがゴールネットを揺らし、どうしても欲しかった先制点に辿り着きました。
しかし跳び込んでのシュートとなった結果、プリシッチはGKベイランバンドと交錯してしまい、長く倒れ込んで容態が心配される事態となり。
「ゴールの代償はあまりにも大きかった……」という台詞が浮かびましたが、何とか立ち上がり、その後ピッチに復帰したプリシッチ。

その数的優位の間に攻めかかったイランでしたが、逆にアメリカがカウンターを浴びせたのが42分。
中央~左サイドを伺ってからの、エリア内右への浮き球のパスという先制点のシーンを再現させる攻撃を経て、収めたサージェントがシュートを放ちましたが角度が足りなく枠を捉えられず。

プリシッチ復帰を経て、45分に今度はイランにアクシデントが。
左SBのモハマディが、タッチライン際でトラップしたボールをコントロールしようと脚を伸ばした所、痛めてしまい倒れ込み。
ライン際という事で倒れたままピッチ外に出る事態となり、一転してイランが数的不利という立場となりました。
既にアディショナルタイムに突入していた事もあり、このままやり過ごして「ハーフタイムでの交代で回数をカウントさせない」事とするかどうか選択を迫られたであろうイランベンチ。
しかし審判団の方からイランのカルロス・ケイロス監督に確認を行った結果、それに押されるように交代カードに手を付ける結末となりました。(詳細は不明も、映像ではそのように見えた)
カリミが投入され、左サイドハーフに入った事でハジサフィが一列降りて左SBにシフト。

相次ぐアクシデントで長くなったAT。
その最後はアメリカの攻撃で、再びGKターナーの巧みなパスでイランのプレスをいなし、それを受けたマッケニーのスルーパス一本で一気に裏を取ったウェア。
そしてエリア内左からシュートを放ち、GKベイランバンドの右を破ってゴールに入れましたが、オフサイドの笛が鳴って2点目とはなりませんでした。
止めを刺し損ねた格好で、0-1のまま前半終了となり。

逆転突破に向けて意気軒昂といったアメリカでしたが、HTでプリシッチを諦める選択を取り、彼に代えてアーロンソンを投入。
一方のイランも2度目の交代策を敢行し、アズムン→ゴッドスへと交代しました。

後半開始が告げられ、イランの布陣はタレミの1トップに。
そのうえで中盤はエザトラヒの1アンカー+ヌーロラヒ・カリミという3センターに近い布陣となり、右にゴリザデ・左にゴッドス。
4-1-4-1と取れる布陣ですが、ウイングがやや下がり目な4-1-2-3ともいえ、即ちアメリカの布陣と類似したものとなり。

そのため、その変化に馴染む作業を強いられたイラン。
相変わらずアメリカペースは続き、後半2分にはリーム縦パス→アーロンソンスルーパス→サージェントエリア内左からシュート(GKベイランバンドキャッチ)という速い攻撃。
イランはビハインドの状況もあり、最終ラインから繋ぐ意識を強めるも、アメリカのプレッシングの前に中々前進できずといった入りとなりました。

次第に右SBのレザイアンが上がってボールを受け、クロスに辿り着くという攻撃を繰り広げられうようになるイラン。
後半5分にはそのレザイアンのクロスがニアでバウンドしたのちに、ゴッドスが中央でヘディングシュートを放つも枠外に。
アメリカのフォーメーション並びにストロングポイントをインスパイアした攻撃を見せましたが、後は相手のストロングポイントを逆手に取る攻めをしたい状況。
9分にはアメリカの攻撃を切ると、デストの上がった隙を突いて左サイドで素早く運び、タレミがドリブルでエリア内左を突くもシュートには辿り着けず終わり。

反撃体制は築いたものの、それでもアメリカから主導権を奪うまでには至らず。
依然としてアタッキングサードまで進入を続けるアメリカの攻撃、12分からCKを連続で取るなど押し込みの成果も膨らみます。

何とかその間隙を縫いたいイラン。
20分に左からゴッドスのクロスが入れられ、クリアされるもエザトラヒが落としで繋ぎ、拾ったゴリザデがエリア内右へ進入。
そして中央へ横パスが送られ、タレミにはズレて合わずも、その奥で反応したゴッドスがシュート。
GKも反応できずという意表を突いたシュートとなりましたが、ゴール右へと外れてしまい、やっとたどり着いた決定機もモノに出来ません。
直後にアメリカはマッケニー→アコスタへと交代。

その後ボールを握ってイランは攻め込むも、(ハジサフィの)ロングスローという原始的な好機の演出も見られ。
試合開始前とは一転して、とにかく得点が欲しいという状況となったチームの藻掻き(失礼)が描かれます。
しかし26分にハジサフィが退き(ジャラリと交代、同時にヌーロラヒ→トラビへと交代)、以降ロングスローは見られず。

アメリカも、29分にサージェントが足を痛めてピッチ外に出る事態となったのを受けてさらにカードを切り。(ライトを投入)
同時にイランもゴリザデ→アンサリファルドへ交代と、勝負を賭けに早めにカードを切り終えました。

36分、イラン・ジャラリが反則を受けた事で左サイドからのフリーキックの好機に。
このタイミングでアメリカも最後の交代を敢行し、デスト・ウェア→ムーア・ジマーマンへと2枚替え。
FW→DFへの交代という事で布陣変更は必至でしたが、その前のセットプレーの守備。
キッカー・ゴッドスのクロスはクリアされるも、逆サイドでエザトラヒが拾って再度クロス。
これが再びバウンドした所に(カリミが)合わせにいくというボールとなりましたが、ディフェンスに遭い撃てずGKターナーに抑えられ。
この際にアメリカ・ムーアの腕にボールが当たったとしてイランサイドは猛抗議するも、得られたのはベンチメンバーのカナーニに対する警告のみに終わりました。

ヒヤリとしたアメリカ、以降布陣変更を披露。
<後半38分以降のアメリカ> 3-3-2-2
GK ターナー
RCB ビッカーズ CCB ジマーマン LCB リーム
RWB ムーア DH アダムス LWB ロビンソン
IH ムサ IH アコスタ
FW ライト FW アーロンソン
5バックシステムと、典型的な守備固めの体勢に。

PKにならなかったという怒りの感情も交えながら、同点を目指し押し込むイラン。
左右からクロスを入れ続けるという攻撃の流れを作るも、肝心のシュートは生まれる事無く、とうとう後半のATへ。
しかし9分という長丁場で、1点差とあり最後まで目が離せない展開となります。

先行逃げ切りを果たせそうなアメリカですが、1節同様尻すぼみの内容となり、疲労度も隠せず押し込まれ。
左サイドでジャラリのドリブルがアメリカ・ムサに倒され、FKを獲得するイラン。
キッカー・レザイアンの低いクロスに、ニアサイドで跳び込んだのはプーラリガンジでしたが、放たれたヘディングシュートはゴール左へ外れ。
ここから、そのプーラリガンジを前線に上げるパワープレイに活路を見出す事となります。

そこから2度目の好機、Mホセイニのロングボールをフリックするプーラリガンジ、エリア内に落ちるボールに合わせにいくタレミ。
しかしアメリカ・ビッカーズに後ろから倒されてしまい、GKターナーがこぼしてゴールへと転がったボールはクリアされ、惜しくもモノに出来ず。
これにもイランサイドは血相を変えて審判団に猛抗議、PKをアピールしたものの判定は覆らず。(流石に今度はVARチェックが行われましたが)

結局最後までスコアは動かず、今大会初勝利・そしてグループリーグ突破に辿り着いたアメリカ。
失礼ながら、ここまでアメリカが組織立ったサッカーを見せるとは思っても見ず、逆にそれが結果に結び付く姿を観るのは気持ち良くもあり。
しかも平均年齢もかなり若いとあり、未来に向けて前途洋々といった今大会となるでしょうか。

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