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DAZN観戦 2024年J2リーグ第38節 モンテディオ山形vsジェフユナイテッド千葉

2024-11-18 16:01:02 | サッカー視聴記(J2)

※前回の山形の記事はこちら(35節・清水戦、2-1)
※前回の千葉の記事はこちら(37節・長崎戦、1-2)

<山形スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • プレーオフ進出の条件は、引き分け以上で問答無用に確定。敗戦の場合は、7位・仙台が引き分け以下で確定。

<千葉スタメン>

  • プレーオフ進出の条件は、勝利で問答無用に確定。引き分けの場合は仙台が引き分け以下、敗戦の場合は仙台が敗戦と、相手よりやや分が悪い。
  • 前節出場停止だった品田がスタメンに復帰。

注目必至の、プレーオフ出場を賭けたクラブ同士の直接対決。

前節消化前は、4クラブ(岡山・千葉・仙台・山形)がほぼ横一線、勝ち点1のみの差で山形が立ち遅れている状態。
しかし前節で立場が別れ、岡山と山形が勝利・千葉と仙台が敗戦となった結果、岡山が出場確定となり。
残り2枠を3クラブが争うという状況で、目下圏内である山形・千葉が潰し合う間に、7位に落ちた仙台が巧みに横から攫いに掛かる構図の最終節となりました。

昨季に引き続き、連続でPO出場を狙う立場の山形と千葉。
3年連続を狙う山形に年季の差があるというクラブの差異(千葉はウィルス禍以前に3度あるが、当時とは補強路線が異なるので割愛)ですが、直接ぶつかった結果、それが勝負の分かれ目となってしまったでしょうか。

試合開始早々の前半1分、早くも敵陣深めまで攻め入った山形は川井のロングスローと、形振り構わないという今季途中から定着したスタイルに。
ボールを片手で鷲摑みに出来るほどの握力を持つ川井によるこのスローイン、連続した2本目にドラマが待っており。
中央ややニア寄りに入った所を競り合いでこぼれ、クリアが小さくなり小西が拾い継続すると、そのまま右奥へと切り込んでマイナスのクロス。
ポケットで受けたイサカが再び奥へ切り込む姿勢を見せると、ここにディフェンス2人が食い付いた所を反転して戻し。
結果出来たスペースで受けた安部が、巻くシュートを放って左サイドネットに華麗に突き刺します。
崩しの力を発揮し、早期の先制点に辿り着いた山形。

千葉は立場的に不利な以上、やってはいけない失点となってしまい。
その後対抗姿勢のように、品田がロングスローを放り込む(4分)など同様の攻撃を見せるも実らず。

山形は、千葉のハイプレスを十分警戒してのロングボール中心に立ち回り。
従来の繋ぐ姿勢を控えめにするという相手のストロングポイントに合わせての戦いで、この大一番を制さんとする意気込みは、2年前の最終節(徳島戦、3-0)で裏抜けを徹底したその姿と被るものがあり。
6分にそのロングパスから、回収された所をゲーゲンプレスで奪うという「ストーミング」風味のスタイルで、奪った國分がすかさず反則を受けてフリーキックの好機に。
左ワイドからの位置で最初のクロスはクリアされるも、拾った高江が再度クロスを入れ、跳ね返りから川井がダイレクトで放ったボレーシュートがゴール左へ際どく外れ。
狡猾なスタイルで、この日も過去2年の再現(といっても今季はPO圏を守る戦いな点が違う)を果たさんとします。

そんな山形の姿勢をモロに受け、リードを許す格好となった千葉。
しかし目標のために泣き言は言っておられず、徐々に慣れを示し始め。
12分には右サイドから田中を使っての攻めに対し、ハイプレスを掛けた山形は田中に対しセンターバックの安部が詰めにいくという、前節の千葉に見られたハイプレスの欠陥のような一幕が。
しかしこの結果安部がチャージしてしまい反則となり、足を痛めてしまう田中。
山形にとって不本意な形ながら、この副産物もまた試合を左右する要素となり。

その後は上述の通り、慣れてきた千葉が本来のハイプレスを敢行。
山形がロングパスで逃げるのみという展開と化してきましたが、それによりボールを握る機会を得た千葉も、早くゴールに辿り着かんとして無理目な縦パスに頼るシーンが目立ち。

そんな膠着状態となってきた所で、24分に千葉がGKから短く繋いでの前進を選んだ事が運命の分かれ道に。
左に開いた山越が、山形のプレッシングを受けてロングパスを蹴るも、誰も競れずに安部への真正面のボールになってしまい。
すると安部はキープでは無くそのまま1タッチでロングパスを送り返し、これが千葉の最終ライン裏を綺麗に突く大惨事と化してしまいます。
エリア内へ抜け出した土居に対し、松田がたまらず後ろから腕で倒してしまい反則の笛が鳴り響き。
PK献上のみならず、ボールにチャレンジしていないという判定で一発レッドと、考え得うる最悪の結末に。

それだけに留まらず、この最中に田中が負傷を悪化させてしまった事で交代準備を余儀なくされるなど、てんやわんやとなる千葉サイド。(その所為か、キックオフでの再開時点で交代できずとなり)
結局このPKもディサロがGKの逆を突いて決め、10人での戦いで2点差を追い掛ける展開と化した今後の試合。
結局田中→小川へと交代し、小川が左サイドバックに入る事で佐々木がCBに回る、4-4-1へと調整して挑むその後の千葉。

30分にまたも川井のロングスローでボックス内を脅かす山形、こぼれ球をGK鈴木椋が抑えて何とか断ち切る千葉。
とにかく攻勢の形を作りたいという状況で、最終ラインから右へと展開して前進を図り。
(田中の居た右サイドハーフに移った)横山が切り込む姿勢から、山形ディフェンスを下げに掛かった所で目線を変えるようにヒールパス。
しかし後ろで受けた品田がすぐに奪われてしまうと山形のカウンター、土居ドリブルから右へパス→イサカエリア内へラストパス→追い越して受けた川井がシュートと、綺麗に繋がる山形の攻撃。
一度はGK鈴木椋が脚でセーブするも、跳ね返りを土居が詰め、相手を奈落へと突き落とすような3点目が齎されました。
数的不利での粘りも見せられず、一気に窮地となった千葉。

3点リードかつカウンターでの追加点を得た事で、山形はボールを持たせるような戦いへと移り。
10人ながらも千葉は地上での繋ぎに精を出し、何とか崩さんとしますが状況は苦しく。
中央からボックス内を伺う姿勢を見せるもラストパスが遮断され、そうでなければサイドからのアーリークロスに頼らざるを得ないという状態に。

それでもアディショナルタイム、その高橋壱のアーリークロスがブロックされた事で右コーナーへと繋がり。
ここからの二次攻撃、最後方からのロングパスで前に出た山形の逆を突くと、佐々木の落としを拾い左サイドでボール確保。
そして椿がカットインを経てポケットからシュートを放ち、GK後藤雅がセーブした所に山越が詰めにいくも、クリアされ惜しくも撃てずに終わります。
その後も長い目安時間を利用しセットプレーから攻め立てるも、ゴールは奪えずに前半終了を迎え。

ハーフタイムでさらに動く千葉。
1トップで孤立を強いられる小森をサポートすべく、椿→林へと交代して4-3-2へとシフトします。
2列目は品田のアンカーで、右に横山・左にエドゥアルドという形に。

その効果を早速表し攻め立てる千葉。
薄くなるサイドはSBが果敢に上がる事で埋め、何とか人数を掛けての攻めに持ち込まんとします。
後半4分、左での組み立てからエドゥアルドがサイドチェンジを通し、受けた高橋壱がカットインを経てミドルシュート。
ブロックされた跳ね返りから、尚もエドゥアルドがエリア内へミドルパス、横山が抜け出してシュートを放ったもののオフサイドで無効となり。(シュート自体もGK後藤雅がセーブ)

立ち上がりから攻められる状況となった山形ですが、それでも落ち着いた立ち回りは崩さず。
守備時は自陣で中央重視に固め、逆に攻撃時は保持を重視しながらの前進で相手を自陣に押し戻し。
これにより、千葉にとっては「自軍が退くのは止むを得ず、相手が退くのは避けなければならない」という難しい展開に。

唯一無二の好機が13分、山形が右サイドで保持する所、小森がバックパスを遮断してのショートカウンター。
パスを受けた林が中央からエリア内へ進入し、コースを探した末に放たれたシュートはブロックを掠めてゴール上へ外れ。
続くCKからも跳ね返りを横山がミドルシュート(GK後藤雅キャッチ)と、フィニッシュに繋げる事は繋げますが、山形の最後の壁を突破するには足りず。

ピンチは何度かあれど、着実に時間を進める山形はその道中、土居が降りてボールを受けるという色を高め始め。
前半は國分が中に絞ってその役を務めていた事が多く、この時間帯(20分辺り)で役割交代のような形となり、これでさらに高まる保持の安定度。
無理を承知でプレスに出る千葉2トップの間を巧みに通し、無効化していくビルドアップで、全体もリトリートによる激しい上下動を強いられていく千葉。

何とかしたい千葉は23分、GK後藤雅にフィードを蹴らせて回収という形で、山越の跳ね返したボールを横山が足下でフリックして高橋壱に渡し。
右ワイドからカットインの姿勢でクロスを上げる高橋壱、クリアが小さくなった所を逆サイドで小川がボレーシュート。
しかし左サイドネット外に終わり、どうしてもゴールが遠く。

28分に山形ベンチが動き、土居・國分・ディサロ→高橋潤・坂本亘・後藤優と一挙に3枚替え。
早速その直後の29分に、パスワークから左ワイドを取った坂本亘、戻してのパス&ゴーでポケットを突く決定機に。
高江エリア内へパス→高橋潤フリックで受け直し、短いカットインからシュートを放ったもののふかしてしまい決められず。
それでも保持重視から前への意識を高めるような前線の駒の変更で、反転攻勢を仕掛ける絵図。
つまりは止めを刺しに掛かる交代の格好となりました。

千葉にとってこの相手の変節は予想外だったっぽく、30分にはラフな最終ラインでの繋ぎを余儀なくされた所、バックパスをエリア内で受けたGK鈴木椋のタッチが大きくなり高橋潤が拾うという慌てぶりが伺える事態に。
そして右ポケット奥へと切り込んだ高橋潤ですが、すかさず入れられたグラウンダーのクロスには流石に周囲の上りは追い付かず。

これを見たベンチも交代準備をしましたが、結局は間に合わずの形で迎えた35分。
右サイドでの組み立てから、戻してサイドを移すというパスワークでまたも左ワイドで坂本亘が持つという流れ。
しかし今度はポケットへの1タッチパスを選択した坂本亘、そのままパス&ゴーで高橋潤のポストプレイに走り込み、シュートも1タッチで放たれた結果ゴールに突き刺さります。
完璧な崩しに必死のシュートブロックも間に合わないという千葉ディフェンスの絵図に、文字通り止めの4点目となりました。

キックオフの前に千葉は準備していたカードを切る(横山・エドゥアルド→杉山・ドゥドゥ)も、時既に遅しとなり。
一方山形も、準備していた南を投入します。(高江と交代)

こうなると諦めを見せない(見せられない)以上、意地でも1点を返しにいかなければならない千葉。
高目に位置取る高橋壱を軸に仕掛けるも、結局はクロスを入れる位置が高くなった以上の効果は出ず。

逆に39分、イサカのラフな裏へのロングパスを、GK鈴木椋が前に出て処理した所トラップを後藤優に拾われるという情けない絵図が。
空となったゴールを受け、右ワイドという位置ながらもそのまま単騎切り込んで遠目からシュートにいく後藤優。
それを品田が必死でブロックするも、開かれた腕に当たってしまいハンドとなり、警告付きで何とか止めるという形に。
このFKからも、クロスの跳ね返りを回収すると、ボックス内を伺いつつも長らく続く保持に入り相手の攻撃機会を減らす立ち回りを貫く山形。
(42分に山田→坂本稀へと交代)

43分、上がった左SB小川へのロングパスから、セカンドボールを繋げて中央から小森がシュートチャンスに。
しかしそのミドルシュートはミスキックとなり、力弱くこぼれたボールをGK後藤雅がキャッチと、走り回った事で既に余力も無い状態のポイントゲッター・小森。
そしてその絵図から、既にチーム全体も得点への機運が無い事は明らかでした。

ATも諦めずに攻め立てた千葉ですが、結局最後までゴールを奪う事は無く。
4-0のまま試合終了の時を迎え、シーズンを戦った断が下される時が訪れます。
勝利した山形はPO圏が確定、ならびに岡山が引き分けたため4位浮上。
敗れた千葉は、仙台が勝利したため7位に転落、即ちPO出場はならずというそれぞれの運びになりました。

力及ばずとなってしまった千葉、これで(前年までの)ヴェルディを上回る、「オリジナル10」で最多のJ2暮らしとなる事が確定。
クラブの体質を変えても、再び「惜しくも昇格出来ない」シーズンの連続を強いられる、無間地獄のような感じですが脱出の術はあるかどうか。

一方過去2年をも上回る、ホーム(NDソフトスタジアム山形)でのPOスタートを迎える事となった山形。
9連勝でフィニッシュ、その間のスタメンは負傷の西村が城和に入れ替わったのみという、まさに盤石な形での出場権獲得。
それだけに3週間というブレイクは逆にノイズとなる恐れが高いですが、好調を保つべくの渡邉晋監督の策は如何に。

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