<両軍スタメン>
- 松本ホームだが、↓とは逆のコートで前半スタート。
- 松本は勝利かつ、北九州と八戸が引き分け以下の場合でプレーオフ出場が決定。
J3も佳境を迎え、続々と結末が決まっていくトップ並びにボトム。
残る1枠の自動昇格争いは、今治が制し初のJ2への切符をつかみ取り。
これで愛媛が落ちて来ずとも再度の伊予決戦への環境は整い、一時は徳島のみと化していた四国勢のJ2での熱狂は必至でしょう。
一方で最下層では、岩手が敷かれるレールから脱却できずに最下位が確定。
ほんの僅か前にJ2に居たクラブが、まさかのJFL降格という事態に蜂の巣をつついたような騒ぎはこちらも必至。
岩手はJ3設立(2014年)の際には唯一JFLに所属していないクラブであり、審査により参入が認められたという経歴。(とはいっても、前年の地域CLで優勝しているのでJ参入が無ければJFL昇格していただろう)
それにより初のJFL経験で、JFL→Jリーグ参入の際に壁となる観客動員数の条件も、今後再昇格の課題となるダブルパンチが襲い。
やはり地道なクラブの拡大に努めるのに越した事は無いという事を示す降格劇でしょうか。秋田豊氏の社長就任からも何処か道楽的な思考に憑りつかれていた感が
残るは上部ではPO圏、下部では入れ替え戦枠が決まるのみ。
既に2位争いに敗れた格好の富山が1枠を手中に収めており、残り3枠を何処が掴み取るかという、今季初めて開催されるJ2昇格PO。
それにより、不本意ながらもチャンスを得ているという立場の松本。
クラブ規模的にも、自動昇格を争う立場で無いのは可笑しいという他無く、敗者復活の感が否めないものの形振り構ってはいられず。
11位という切羽詰まった状態で迎えた34節(YS横浜戦、2-0)以降、基本布陣も3-4-2-1に変更と、確実な勝利に向けて安定化を図ると連勝街道に乗り。
そしてこの日勝てば、条件次第で6位以内が確定する所まで浮上を果たしました。
相手は、対照的に無念にも昇格の夢が潰える事となった琉球。
守備的なイメージの強い3-4-2-1という布陣の松本ですが、果敢にハイプレスを掛けるスタイルとの事(放送席の談)で、それに違わず琉球のボール保持に対しても積極的な前線の守備。
前半3分、縦パスを受けた武沢に対し果敢に宮部が前に出てボール奪取、こぼれ球をすかさず山本康がスルーパスとボールゲインからの速攻。
左奥へと持ち込み、菊井がファーへ上げたクロスを佐相が落とし、安藤がダイレクトでシュート(増谷がブロック)とフィニッシュにも繋げ。
しかし、攻守交替したその直後にも山本康がボール奪取からスルーパスと息もつかせず。
村越が右から入れたグラウンダーでのアーリークロスを、安藤が合わせシュートしますがGK東がキャッチ。
開始早々から果敢に仕掛ける松本。
しかし布陣変更して日が浅いためか、守備に回ると不安が顔を出し。
特にウイングバックの立ち位置にその傾向が見られ、前線につられるように前への意識が滲み出す局面がしばしば見られます。
15分に攻撃を切りボール確保した琉球、右ワイドの上原にゲーゲンプレスを掛ける松本をパスワークでいなし、逆の左へ展開。
すると岡澤に釣られた佐相がワイドを開けた事で、パスを受けた藤春が持ち運んでクロス(誰にも合わず)と、琉球のポゼッションに崩され屈するという負けパターンが過るような立ち回り。
しかしそれを杞憂にするべくの先制点が直後に齎され。
16分ゴールキックでのロングフィード(一応、センターバックが受ける体制を取ったまま蹴り出しと裏を掻き)を、目測を誤った増谷により安藤が収めてから持ち運んで好機を迎え。
そのまま右ポケットへ切り込んでシュートを放つと、GK東のセーブを掠めてゴール内へと転がるボール。
鈴木がクリアするも惜しくも間に合わず、ゴールという判定でリードを得た松本。
まさかのロングパス1本での得点と、パスサッカーを繰り広げる立場の琉球にとっては顎を外すようなリードの奪われ方。
しかしその後も、松本のロングボールに対しディフェンスは対応に難儀しクリア出来ずというシーンを量産するなど、こちらも守備面で欠陥を抱えているようであり。
つまりは必然という他無い失点だったでしょうか。
そのボール保持に徹する琉球のビルドアップは、ほぼミラーという布陣を避けるため、可変を軸にした組み立て。
3バックの左右の片方が前に出て、その逆サイドでWBが下がり目という、4バック気味となる最終ライン。(今季のJ2で言えば徳島のスタイルが近い)
しかしそれは失点前までで、ビハインドとなってからは松本1トップ・安藤がアンカーを消す意識を高めた事で、可変せずに繋ぐ色を強め。
パスワークの最中にハイプレスに出られても、GK東がその中に加わる事で数的優位を作って凌ぐ体制へと移ります。
これによりWBも高目となり、18分には最終ラインから左への展開を経て、エリア内へのロングパスの跳ね返りを上原がミドルシュート(高橋がブロック)とフィニッシュにも絡ませ。
しかし28分、松本はまたもゴールキックでのロングフィードから確保し、サイド奥へ運んでコーナーキックに持ち込み。
ここからCK攻勢に入り、相手を自陣へ釘付けにする事でペースを奪い。
琉球にとっては前述のロングボール対処の拙さで、攻撃の流れを失いさらにはスコアにも繋がる事となります。
31分、琉球は左サイドから前進を図るも、敵陣浅めでの重松のキープに対し野々村が前に出てボール奪取。
またも積極的な守備を嵌めてカウンターと、立ち上がりの流れそのままに攻め上がり。
中央を持ち運ぶ安藤に対し琉球は最終ラインしか残っておらずノープレッシャーという状況で、そのままその裏を突くスルーパスで村越が抜け出し。
そしてエリア内へ進入して放たれたシュートが、GK東の右を破ってゴールに突き刺さります。
PO進出を大いに手繰り寄せる追加点に、沸き上がる松本のホーム・サンプロアルウィン。
スコア的に苦しくなった琉球。
34分に最終ラインでの繋ぎから鈴木が一気にエリア内を突くロングパス、これにダイアゴナルで走り込んだ藤春がダイレクトで合わせ。
放たれたボレーシュートがネットを揺らしたものの、オフサイドとなり残念ながらノーゴール。
全体として前掛かりな松本の裏を突く姿勢を強めていたものの、その分オフサイドも量産されてしまう流れの象徴となりました。
停滞を強いられる相手に止めを刺したい松本は、44分にも決定機。
パスワークで左サイド奥を取った菊井のクロスが入ると、ニアで安藤がヘディングで合わせ。
しかしゴール左へ際どく外れ、3点目は奪えず。
結局2点差のまま前半終了。
琉球は良くない流れながら、終盤にカウンターからCKに繋げるなど、何とか巻き返しの姿勢は見せ。
しかしゴールが遠い状況故に、ハーフタイムでカードを切り武沢→富所へと交代。
白井の札幌移籍により、トップスコアラーの地位を得た(11得点)ベテランの存在で風穴を開けにいきます。
これにより後半はオリジナルの3-3-2-2(3-1-4-2)の布陣から、岡澤・富所がそれぞれ一列下がる、3-4-2-1の色が強くなり。(特に守備時)
中盤中央を固める事でボール保持の安定性を高め、間を通す縦パスもやり易くなった印象を受け。
しかし、松本は前半同様ボールゲインから好機を量産。
後半3分に佐相のカットから、拾った菊井がミドルシュートを放つもGK東がキャッチ。
6分に最終ラインでのパスミスを誘発し、拾った安永がそのままミドルシュートを放つも、ゴール左へと外れ。
数多パスを繋ぐ琉球を尻目に、効率良くフィニッシュを放ち追加点を狙う松本。
9分には主体的な攻めでも、GK大内のパスを受けた高橋がそのまま裏へロングパス、走り込んだ村越の落としから展開されるアタッキングサードでの攻撃。
そして菊井がミドルシュート(GK東キャッチ)と、遠目からシュートを連発するその姿は、町田のアンチフットボールなスタイルとは違い正当にパスサッカーに宣戦布告を果たしているようであり。
それでも繋ぐスタイルを徹底する琉球、14分にはGKへと戻してハイプレスを呼び込み、右サイド→中央でのパスワークでいなしきるなどその真価を発揮。
しかし左へ展開ののち藤春へのパスがオフサイドとなり終了と、やはりフィニッシュを生み出せなければその意味は薄く。
そんな状況で、3枚替えが敢行されたのが16分。
増谷・岡澤・重松→高安・平松・庵原へと交代、高安が左WBに入る事で藤春が最終ライン(左CB)に回り。
このポジションチェンジにより、2CB化しての繋ぎの色が強まりましたが、上がるのは藤春ではなく鈴木の方が目立ち。
それでも琉球はフィニッシュが遠い状況に変わりは無く。
逆に松本の方も、琉球の可変により綺麗なボール奪取を見せる事は極端に減り、その分シュートに結び付けられず。
お互い停滞してきた所で、松本ベンチがこの日初めて動き安藤→高井へと交代します。(26分)
盤石な相手が動いた影響か、ここから巻き返しが図られる琉球の攻撃。
27分中央でのパスワークが遮断されるも、右で拾った上原のスルーパスに抜け出した庵原、右ポケットでの切り返しを経てグラウンダーでクロス。
ニアで富所が合わせシュート(GK大内キャッチ)と、状況を打ち破るフィニッシュがようやく生み出され。
30分には松本の攻撃を凌いだのち中央から素早く運び、富所・庵原での2人のパスワークが遮断されるも後方から佐藤がカバーして繋ぎ。
そして富所のスルーパスが右ポケットに入り、同じく後方から走り込んだ平松が受け、奥からシュート(クロスがDFに当たった?)を放つもGK大内のセーブに阻まれ。
(31分に岩渕→鍵山へと交代)
それでもシステム的には、鈴木が上がる効果を出したい琉球。
32分にその鈴木が右奥でロングパスを受けた事で、奥からスローインを得ると上原がロングスローを敢行。
ここからセカンドボールを拾い続けて押し込み、左サイドでのパスワークを経て高安がカットインからエリア内中央でシュート。
ブロックに跳ね返され、最終ラインから攻め直しとなりましたが、平松ロングパス→鈴木落としで再度エリア内を突き。
これを拾いにいった庵原が樋口と足同士で交錯する形で倒れると、反則を告げる笛が鳴り響きます。
お互い様のチャージに見えたため松本にとっては寝耳に水というPKとなりましたが、VARが無い以上判定は絶対であり。
このPKは富所がキッカーを務め、派手な動きこそ無いが確実にGKを釣り出しに掛かる助走で、キッチリ逆を突いてゴール右に蹴り込みます。
これで1点差と、まだ判らないという雰囲気を高める琉球。
思わぬ失点で緊張感が高まる松本。
それを払拭せんと、37分に3枚替えと大胆に動く霜田正浩監督。
高橋・山本康・村越→橋内・住田・浅川へと交代します。(高井がシャドーに回り、浅川の1トップ?)
落ち着きを取り戻し、左スローインの連続で相手からペースを奪い、かつ好機を生み出しに掛かり。
39分にその左スローインから安永が奥からカットインでゴール前を伺う所に、鈴木のスライディングが襲い倒され。
先程のPKの後でしたが、反則の笛は鳴らずに終わり。
不公平感を露わにする松本サイド、並びにスタンドのサポーター。
しかしその直後、琉球の保持に対しプレス回避させず、GK東の縦パスを樋口がカットする形でのショートカウンター。
たまらず鍵山が樋口を倒した事で反則となり、左ハーフレーンから直接フリーキックの好機に。
これを先程の鬱憤を晴らすかのように、安永が放った直接シュートがゴール左上を襲いましたが、GK東がセーブ。
3点目は奪えませんでしたが、嫌な流れを吹き飛ばすには十分な効果がありました。
以降琉球に攻撃機会を与えず、サイド深めに持ち込んではコーナー付近でのキープを繰り広げるなど、勝利への進軍を始める松本。(一度、完全フリーで放たれた菊井のシュートが枠外という決定機逸がありましたが)
目標に向けて徹底されたその姿勢に、琉球もお手上げ状態にならざるを得ず。
何とかその流れを断ち切ると、森・鈴木が前線に上がってパワープレイの体勢に入る事となり。
ロングボール攻勢に入るも、結局フィニッシュには繋がらなかった琉球の攻撃。
目安時間(+5分)が過ぎるという所で、残された最後のカードを使った松本(佐相→國分)、そのまま逃げ切る体制は崩れず。
2-1で試合終了の時を迎え、4連勝を達成して残り1試合を迎える運びとなりました。
この試合と同時刻で開催された、北九州の試合(長野戦)は引き分けに終わり。
そして翌日、もう一つの対象クラブである八戸(富山戦)は敗戦。
これによりPO進出が決定する事となった松本(とFC大阪)、無事にミッション達成を果たしたものの、その喜びは当然PO終了後にも分かち合いたい所でしょう。
尚、あと2つ松本を上回る可能性を残すクラブ(福島・今治)がありますが、それは今節直接対決となったためどちらかの脱落は必須となり。
そのサバイバルの様相にも注目が集まり、果たしてPOカードの行く末は。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます