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DAZN観戦 2023年J1リーグ第1節 セレッソ大阪vsアルビレックス新潟

2023-02-20 16:01:10 | サッカー視聴記(2023年J1)

<両軍スタメン>

今年もやってきた開幕戦。
しかし前日、フライデーナイトゲームとしてマリノスvs川崎が先んじて開催されたとあり、高揚感は既に体験済み(各サポーターを除く)といった所でしょうか。

セレッソは前年も上位をキープ(5位)と、一昔前の「優勝争い→J2降格」というサイクルからは完全に脱した感があり。
それでも危機的要因は常に付きまとうものであり、一昨年シーズン途中に敢行した小菊昭雄監督就任は、土台の部分つまりユースを揺るがす事象となり得。
トップチームが安定感を保つ傍ら、小菊氏の居なくなったユースチームは前年プレミアリーグから降格という一敗地に塗れる事となりました。
今季は開幕直前に、香川が海外から復帰というビッグニュースが舞い込んできたものの、一歩間違えれば頭でっかちの状況に陥りかねないシーズン。
開幕戦の相手は、前年J2優勝を果たして昇格してきた新潟。

正GKキムジンヒョンが離脱中とあり、傍らから見ると最後尾からの組み立てという面で若干不安を覚えるセレッソ。
この日GKに入った清水、立ち上がりこそフィードが直接タッチを割るミスとなるも、続く前半2分にはロングフィードをレオ・セアラが落としてそこから好機に繋げ。(右サイド手前からジョルディ・クルークスがクロス)

しかし相手は昇格組とはいえ、後方からの組み立てという面では既に一級品に磨かれたクラブである新潟。
そのビルドアップをどう阻みにいくかという課題を常時突き付けられる事となったこの日のセレッソ。
セアラ・北野の2トップとはいえ、常時縦関係のようなこの日の特徴。
守備時はセアラが第一プレッシャーを掛け、北野は新潟ボランチの前で構え、パスを出された所に寄せていくスタイル。
攻撃時では、北野が降りてポストワークを務める傍らでセアラは常時最前線という具合に、ハッキリとした役割分担が主となりました。

5分の新潟のファーストシュート(高のボール奪取から繋ぎ、島田のミドルシュート・ゴール上へ外れ)然り、入りは新潟の繋ぎに対し苦戦が見られたセレッソ。
それでも6分に新潟が左サイドで繋がんとした所に圧縮して人数を掛け、北野が奪ってショートカウンター。
その北野がスルーパスを受けてエリア内右を突く好機となります。(シュート気味に速いクロスを入れるもブロック)
プレッシングで有効打を与えると、以降新潟は逃げのロングパスが目立ち始めリズムを作れず。
特に右へと開いてパスを受けた舞行龍ジェームズに対し、北野が中央からチェイスを掛けるやあっさりとロングボールを蹴る舞行龍というシーンが以降定番化する事となります。

後は攻撃の流れを作りたいセレッソ。
右サイドでは新加入のクルークス・左サイドでは山中というクロッサー(とは言いつつもクルークスの方は逆足ですが)が揃う布陣ながら、それが逆に手前からのクロスに終始して攻撃時間が短くなりがちといった立ち上がり。
しかし手前からクロスを供給する体勢を取るクルークスに対し、サイドバックの毎熊がハーフレーンでオーバーラップするという姿勢を見せ始めると攻撃は流動化していきます。
21分、右ワイドで受けたクルークスがエリア内右へスルーパスを送り、走り込んだ毎熊がグラウンダーでクロス。
新潟・舞行龍が足を延ばして触れるも、コースが変わった所を為田が合わせシュート。
決まったと思われた流れでしたが、走り込みながらの為田のシュートはふかしてしまい先制はなりません。

J1さながらの寄せの速さ・強さに苦しみ、劣勢を強いられる新潟。
しかし続く22分、GKからの組み立てでここも千葉がロングパスを選択するも、ターゲットの三戸が落としたボールを中央で谷口が拾い。
するとスルーパスを受けた伊藤が左ハーフレーンを持ち上がり、エリア手前まで前進して右へ横パスを送ると、走り込んだ谷口がシュート。
ゴール左へと突き刺し、ピンチの後にチャンスありという格言を先制点に結び付けました。
この場面もロングボールを選択せざるを得なく、中央にこぼれたのも三戸の働きあってのものでしたが、相手の寄せの速さを逆手に取ったのは見事。

先手を取られたセレッソ、以降は左サイドでの組み立てを目立たせ。
26分にクルークスから右サイドで前進すると見せかけ、中央から原川のロングパスで一気に左サイド奥へ。
その後新潟の自陣深めでのスローインとなるも、投げられたボールを直接カットして好機、エリア内左で受けたセアラがシュート。
ブロックののちクリアされるも、中央で拾った毎熊がミドルシュートを放ち、ゴール上へ僅かに外れと新潟ゴールを脅かし。

J1らしい実力を見せ付けたのち、迎えた28分でした。
再び左サイドから攻め上がり、為田のスルーパスから走り込んだ山中がクロス。
これは逆サイドに流れるも、拾ったクルークスから再度クロスが上がると、ファーサイドでヘディングで合わせたのは為田。
今度は見事に決めきり、汚名返上とばかりに同点弾を生み出しました。

振り出しとなり、先制点以降消極的だった新潟も再びやらねばならない展開に。
34分には敵陣右サイドで高がボール奪取、パスを受けた谷口がエリア内を突きシュートを放つもGK清水がセーブ。
その後もポゼッション・ハイプレスから好機を作らんとしますが、繋ぎの部分でミスが目立つ事となります。
36分にパスミスで奪われて攻守交替、クルークスのスルーパスを経て右サイド奥で組み立てるセレッソ。
ここはシュートには持ち込めずも、41分には舞行龍のトラップミスをセアラに掻っ攫われ、あろう事かGKと一対一に持ち込まれる事態に。
ここはセアラもエリア内でコントロールを誤り、GK小島がブロックしてシュートを阻み、何とか凌ぎます。

結局バタバタした印象を残すのみとなった同点以降の新潟。
そんな相手の隙を突きたいセレッソ、44分に再び敵陣でのボール奪取から、北野のミドルシュートを炸裂させるもGK小島のファインセーブに遭い決められず。
1-1のまま前半終了となります。
全体としては、新潟はやはりJ2時代のようにはいかず、ポゼッションは貫くものの攻撃機会は減少する事となり。(前半で新潟11度、セレッソ22度・自分の集計です)

共に交代は無くハーフタイムを過ごし、迎えた後半戦。
やり返したい新潟に対し、あくまで大人のサッカーを貫くセレッソ。
後半2分、最終ラインからのビルドアップを阻みにいく新潟ですが、それをセレッソが上回り。
右サイドからの毎熊のパスの直前で、中央で伊藤に付かれていた原川が一瞬前に出て外し、そしてパスを受ける巧みな動きで剥がしを見せます。
その後縦パス→セアラポストプレイを経て、左サイドで山中を走らせるスルーパスを送るも繋がらず。

格上らしい振る舞いで相手の気勢を削ぎにいったセレッソですが、個人の気勢まではコントロールできなかったでしょうか。
5分に北野が新潟・舞行龍のチャージを受け、痛んで倒れ込んでしまい。
この場面では下がって受けた北野に対し食い付いた舞行龍、その後必死でルーズボールを追い掛けた両者により起こったものであり。
いかにも舞行龍らしい気勢の激しさが生んでしまった感じでしたが、その傍らでマテイ・ヨニッチも痛みを見せてしまうセレッソ。(原因は不明)
北野は無事に起き上がるも、スパイクを脱いだヨニッチは一旦ピッチ外で治療を受ける事となります。

そのヨニッチは9分にピッチへ復帰。
数的優位の間も有効打を放てなかった新潟ですが、10分にカウンターで好機。
セレッソが攻め込むもエリア内へのパスが繋がらず、拾った舞行龍からミドルパス、谷口ポストプレイ→高→三戸と繋いで三戸のドリブルに繋げ。
そして藤原のクロスがブロックされてコーナーキックと、ようやくこの日初のCKをゲットした新潟。(セレッソはこの時点で2本)

これを機に押し返しを見せる新潟。
元来ベクトルが前に向きがちな舞行龍は、15分に敵陣右サイドでこぼれ球を拾うとそのまま攻撃参加、島田のスルーパスに走り込んで最奥からクロスを入れるというセンターバックらしからぬ姿も見せ。

前半はセレッソのプレッシングを受けるうちに、次第に伊藤がボランチの位置に降りてきて出口役となる動きを採り始め。
しかしそれが伊藤をチェックするセレッソ・奥埜の前進をも誘発する事となり、その奥埜にパスカットされ阻まれるというシーンが目立っていた新潟のビルドアップ。
伊藤がトップ下の位置で我慢しつつ、他選手で運ぶという流れをどれだけ作れるかがカギといった展開で、この時間帯はそれが果たせていたでしょうか。

円滑なパスワークの流れを築いた新潟、18分には敵陣でMF陣の繋ぎを経て高がエリア内へ縦パス。
小見が受けるもクリアされ、さらにこぼれた所を拾った三戸がミドルシュートを放ちましたがGK清水のセーブに阻まれ。
20分にも再び高の敵陣でのボール奪取から好機、エリア内左で小見がマイナスのカットインを経て中央からシュート(GK清水キャッチ)とフィニッシュを重ねます。
押され始めたセレッソも、続く21分に北野のスルーパスで毎熊が抜け出し、エリア内右からシュート(右サイドネット外)と脅かしを見せ。
フィニッシュの応酬という空気になった所で、双方ベンチが動き。
セレッソは北野→加藤へと交代、新潟は谷口・小見→鈴木孝司・松田詠太郎へと交代します。(三戸が左サイドハーフへシフト)

2トップの一角が代わったセレッソですが、加藤がポストワークを務めるというセアラとの関係性は変わらず。
それを強引に変えるかのように、25分に再び動くセレッソベンチ。
香川の投入に踏み切りセアラと交代(同時に原川→鈴木徳真へと交代)、香川がトップ下を務める4-2-3-1へとシフトします。

既に新潟の前へのベクトルを受けながらも、セレッソサイドのビルドアップが冴え始めるという時間帯へと移行しており、ヨニッチのパス出しを軸として右サイドで攻め上がり。
新潟サイドの激烈なポゼッション程見栄えはしないとはいえ、相手に容易に奪わせない程度の繋ぐ能力は備わっているセレッソ。

そうして新潟の気勢を削いだうえで迎えた30分、右サイドから一旦GKまで戻ったのち、清水のフィードで手薄な左サイドへ。
これをワイドの山中が落とし、さらに為田が落としたボールを受けた香川、スルーパスで(為田に)食い付いた舞行龍の裏を綺麗に取って好機となります。
そして山中の低いクロスが上がり、ニアサイドの加藤には合わずも、クリアが小さくなった所を奥埜が後方から走り込んでシュート。
ゴール左へと突き刺さり、貫禄ともいうべき勝ち越し点を挙げたセレッソ。

新潟は食い付いた舞行龍がセレッソの為田・香川の2人と対峙するような形を強いられた時点で勝負ありといった感じで、追い掛ける立場となり。
32分に伊藤が敵陣でパスカットしてそのまま持ち上がり、エリア手前で右へ展開。
そして松田詠の奥からのマイナスのクロスに合わせシュートしたものの、枠外となり同点ならず。
中心的存在として苦境を跳ね返さんとする伊藤。
直後に藤原・島田→新井・秋山へと2枚替えした新潟ベンチ。

中盤で密度を高めつつ、何とか好機を窺う新潟。
そして左サイドから持ち上がりクロスに繋げ、CKを獲得したのが34分。
この右CK、キッカー伊藤のクロスを中央ややニア寄りで合わせたのは千葉。
ヨニッチとの競り合いを制したヘディングシュートがゴール右へと吸い込まれ、GK清水のセーブも及ばずゴール。
起死回生というべきセットプレーからの一撃で、再び同点とします。

36分にセレッソは最後の交代、クルークス・山中→中原・舩木へと2枚替え。
しかしその直後に新潟がパスミスを拾っての好機を作り(三戸がエリア内左からシュート・枠外)、追い付いた方の勢いは止まらない、という流れになりつつあり。
しかし39分にセレッソが毎熊のパスカットからCKを得ると、新潟ベンチも最後の交代。
堀米に代えてトーマス・デンを投入、最終ラインに高さを補充する形を採ります。(新井が左SBへとシフト、全体の布陣は変わらず)

相手の一撃を防がんと最善の策を採った、というような新潟のベンチワーク。
それが奏功したか、以降セレッソを抑え込んで勝ち越しを狙うという流れを固定化させます。
45分には最後方からのビルドアップで、千葉が新井とのワンツーでプレッシングをかわして前進。
そして降りてパスを受けた鈴木孝がスルーパス、三戸が裏を取るもGK清水の跳び出しでクリアされ実らず。
劣勢は否めなくなってきたセレッソ、アディショナルタイムでは新潟・鈴木孝に反則を犯した毎熊が、異議により警告を受ける等イライラを隠せない展開に。

そしてそのAT、決定機を迎える新潟。
左サイド手前から三戸のクロスが上がると、中央の鈴木孝の奥で、松田詠がフリーでボレーシュート。
しかしGK清水のセーブに阻まれ、値千金の勝ち越し弾とはなりませんでした。
その後セレッソも毎熊のボレーシュートが生まれる(枠外)も、お互い決められずに試合終了の時を迎え。
2-2で勝ち点1を分け合う結果となりました。

スコアが示す通り、手応えと課題は半々といった感じの新潟のJ1復帰初戦。
今後は相手の強度次第でどうにもならなくなる日もあるでしょうが、その時にも軸となるスタイルはブレる事無く挑んで貰いたいものです。

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