ぶらりドリブルの旅

ひたすらサッカー観戦がメイン

DAZN観戦 2023~24AFCチャンピオンズリーグ グループH第5節 ヴァンフォーレ甲府vsメルボルンシティFC

2023-12-01 18:16:23 | サッカー視聴記(2023年その他)

<両軍スタメン>

  • リーグ戦終了から大分経っているので、ターンオーバーの必要性も無し。甲府は42節(山形戦、1-2)でのスタメンを8人起用、例外は関口・松本凪・ウタカの3人。
  • メルボルンは監督交代があり、11/1付でラド・ヴィドシッチ氏と契約解除し、アウレリオ・ヴィドマー氏が就任。

甲府ベンチメンバー= GK河田 山本 神谷 マンシャ 小林 荒木 松本凪生 松本孝平 飯島 宮崎 クリスティアーノ ジェトゥリオ

前回のACLの記事 -4節・甲府vs浙江(4-1)


メルボルンは、リーグ戦の不振で監督交代を敢行。
つまり甲府は、1節での対戦時とは別の人物が指揮を執るチームと相対する事となりました。

その新監督のヴィドマー氏は、Jリーグでもプレー経験があり、1998~1999年に広島に在籍していた人物。
晩年という事もあり際立った活躍は出来ずでしたが、2007年から監督業のキャリアを積み始め(スタートはアデレード・ユナイテッドFC)、ACLで古巣の広島と対戦するなど実績は十分であり。
メルボルンは過去にも元マリノス監督のエリク・モンバエルツ氏が指揮を執っていた時期があるなど、Jリーグとの縁も深めつつある……とは言い過ぎか。

リーグ戦では振るわないものの、甲府と勝ち点で並ぶ首位タイという現状のグループリーグ。
つまりは直接対決であるこのカードで、甲府にとっては相手の出方が判らない状態での戦いを強いられた可能性があり。

しかし入りから積極性を押し出す甲府、いきなりの前半1分に中村のパスカットでショートカウンターの機会。(しかし戻して一旦作り直し)
続く2分にも、GKヤングのフィードを長谷川がカットして敵陣から攻撃開始、中央→右への展開を経て関口がクロス。
これをファーサイドで長谷川が脚で合わせましたが、ミートしきれず枠外に。

速攻を決められなかった甲府、逆に5分意表を突かれた末に失点する事となり。
その要因はスローインを巡る判定で、ハイボールのこぼれが右タッチランを割ると、甲府ボールだと思い込んでいた所にメルボルンボールの判定。
素早く投げ入れて攻めるメルボルン、慌てて守備隊形を整えるものの、後方からの右サイドバック・タルボットの上がりに対応できず。
ロパーネに中村が引っ張られたスペースで、ヤコリシュからのパスを受けた勢いそのままに、右ポケットへ切り込んでカットインからシュートを放ったタルボット。
ゴール右へ豪快に突き刺さり、「監督交代ブースト」の効果を示すように、早くも試合を動かす事となりました。

出鼻を挫かれた甲府でしたが、気を取り直して反撃体制に。
7分に右サイドからの前進で、鳥海のドリブルがベヒッチに倒されて反則、右サイドからのフリーキックに。
キッカー長谷川のクロスはクリアされるも小さくなり、エリア内左で拾った三浦がそのまま奥へ切り込んで再度クロス。
これを井上が合わせヘディングシュート、ゴールネットを揺らして同点に。
失点を即帳消しにする事に成功します。

この日のメルボルン、監督が代わったのが影響しているのかは不明ですが、前回対戦時からはビルドアップを微調整。
最初から左肩上がりの隊形を採り、右SBを残した3枚の最終ラインを根底とした組み立てを図ります。(前回は後半からこの布陣)

それによりポゼッションはかなり安定化していたようで、甲府は立ち上がりの好循環を終えると、1トップがウタカという事もありプレッシングは控えめに。
何度か、ボランチを切りながらウタカ・三平が交互に最終ラインにプレッシャーにいく事がありましたが、その際もセンターバック同士のパス交換で冷静にいなすメルボルン。
こうした「2人でのパスの繰り返しによるいなし」はJリーグではあまり見られず、プレッシャーを掛けられると直ぐにサイドに逃げるのが当たり前となっている感があり。
何気無い(と言っては失礼ですが)オーストラリアのクラブのこうした様相からも学ぶ事はまだまだあり得る、なんて事を考えさせられました。まあ1節のメルボルンもサイドに逃げては詰まらされる事を繰り返していましたが

試合の方は、そんなメルボルンがボールを握る時間が長くなる展開ながらも、フィニッシュの方は膨らまずに推移。
その隙を突きたい甲府は、地上からの攻めでは左SB・三浦の推進力を多用する立ち回り。
彼と長谷川の二段構えで、ドリブルで左ポケットを突く攻めで相手を脅かしに掛かります。

それでも決定打が出ないなか、メルボルンは前回対戦時でもお馴染みの、ウイング同士のポジションチェンジを敢行。
27分の甲府コーナーキックの流れ以降、ヤコリシュが右・ナテルが左へと移ってのプレーに。

32分のメルボルン、敵陣でボールポゼッションを高めての攻撃で、サイドを振りながらのパスワークで揺さぶり。
そして最終ラインに戻したのち右から攻め、先制点のシーンと同じくタルボットを走らせる事を選択し、ナテルのスルーパスに走り込んだタルボットのクロス。
これをニアサイドでマクラーレンが合わせヘディングシュート、右ポスト外側を叩いてピッチ外に出るという紙一重のフィニッシュとなります。

肝を冷やした甲府ですが、ここから攻撃権を支配し押し込み始め。
34分の左CKではサインプレーを選択、キッカー長谷川がポケットへグラウンダーのボールを送り、鳥海はフリック。
ディフェンスに当たりこぼれた所を三浦が拾ったものの、ヤコリシュに倒されてボールロスト。
これにPKでは無いかと紛糾する甲府サイド、実際その後プレーが途切れた所でVARチェックが挟まれる事となりましたが、結局反則無しに終わります。
この日のジャッジはボディコンタクトという面ではかなり甘い趣がありましたが、このシーンでもその例に漏れず。

37分の三浦のドリブルシュート(GKヤングキャッチ)などリズム良く攻める甲府でしたが、40分に後方から関口のロングパスがロパーネにブロックされると、メルボルンのカウンターに。
ナテルのドリブルからの裏へのミドルパス、左ワイドで受けたヤコリシュがカットインを経てエリア内からシュート。
しかし逆起点となった関口が戻ってきてブロックと、何とか防ぎました。

同点以降、一進一退という大まかな流れだったものの、迎えた43分。
井上のロングパスが一気に最終ライン裏に送られると、鳥海とグッドとの競争に。
その姿にGKヤングも前に出るかどうか迷いを見せ、お見合いのようになった隙を突き、ジャンピングボレーで合わせた鳥海。
ループの軌道でゴールへと吸い込まれ、その鳥海の果敢な姿勢とともに、スコアで一歩前に出た甲府。

勢いに乗った甲府はアディショナルタイムにも決定機、右往左往する空中戦を三平が前に送って終わらせ、受けたウタカがドリブルでエリア内を突き。
そして切り返しから左へ横パスを送り、走り込んだ長谷川がシュートを放ちましたが勢いが付きすぎて枠外に終わり。
追加点はならなかったものの、リードと好循環を保って(その後のメルボルンのボール保持の最中に)前半終了となりました。

ハーフタイムでの交代は無かったものの、休憩を挟んで心機一転という後半戦。
甲府はその精神の通り、開始1分のうちに二度敵陣でボール奪取と、フレッシュさを取り戻し。

一方追い掛けるメルボルンは、前半同様ボールポゼッションを重視しての攻撃に。
5分には甲府のプレッシングをいなして右から前進、ナテルの中央へのパスをロパーネがスルー、奥で拾ったアルスランがミドルシュート。(GK渋谷キャッチ)
反撃体制を整えるものの、7分には関口に奪われたヤコリシュがすかさずアタックを掛けた結果、倒してしまい反則・警告を受ける破目に。

中々暗雲を振り払えず、このまま「ボールは握るが得点には遠い」というポゼッションスタイルの宿命が危惧されたメルボルン。
10分にも長らくパスを繋ぎサイドを振りながら攻め込み、後方からのミドルパスが右ポケットを取り、受けたナテルがクロス。
これを三浦がブロックすると、ハンドのアピールをするメルボルンサイドを尻目に跳ね返りを繋いで甲府がカウンターに持ち込まんとします。
そして長谷川のドリブルがナテルに倒されて反則、警告が付き出されるというタイミングで、先程のハンド疑惑の所でのVARチェックに。
するとOFRに持ち込まれ、三浦の開いてしまった右腕にボールが当たる映像が映し出される事となり。
そして判定が変わってハンドとなり、メルボルンのPKへと移り変わります。(その結果ナテルへの警告は無しに)
これをアルスランがキッカーを務め、しっかりGK渋谷の逆を突いてゴール右へ蹴り込み。
同点となり2-2、点の取り合いといった様相に。

前へ出るには再び攻めなければならなくなった甲府。
その意思の通りに攻め込まんとするも、それが仇となり逆に相手の縦に速い攻撃も受ける事になってしまいます。
16分のカウンター(フィニッシュには繋がらず)に続き、17分にもグッド縦パス→ヤコリシュスルーでフリーのマクラーレンに渡り、そのまま左ポケットを突きドリブルするマクラーレン。
それを阻みにいったGK渋谷、かわされかけるも奥で何とか手で掻き出し、という所でオフサイドディレイの笛が鳴って命拾いします。

悪循環に呑まれるという所で先に動く甲府ベンチ、18分に林田・ウタカ→松本凪・クリスティアーノへと2枚替え。
流れを采配で変えんとしたその直後でした。
GK渋谷のロングフィードが跳ね返されると、ウガルコビッチがダイレクトでスルーパスと、またも縦に速い運びを許してしまい。
そして右サイドで受けたナテルのクロスにヤコリシュが中央で合わせ、ボレーシュートでゴールネットを揺らし。
交代から間も無い相手に、冷水を浴びせるような勝ち越し弾を決めたメルボルン。

その後も左サイドで三浦・長谷川が軸の二段階の攻めを繰り返す甲府ですが、前半のような勢いは無く。
25分のメルボルン、左サイドでの前進から再びベヒッチ縦パス→マクラーレン前方へポストプレイで裏を取り、受けたヤコリシュがエリア内を突いてシュート。
これもオフサイドディレイの笛に取り消されましたが、甲府は前節で度々オフサイドを取られながらも裏抜けを貫いた姿勢が、自身に返って来るかのような肝を冷やす展開を強いられます。

追い付かんと早めに動くベンチ、26分に鳥海・三平→宮崎・飯島へと2枚替え。
以降、クリスティアーノの広範囲な動きでスペースを作りつつ、フレッシュな2列目がその隙を突くという体勢に。
最終サインからの攻めも、これまでの左サイド重視から、右で上がってきた関口にパスを通すスタイルへと移行しつつあり。

守勢となってきたメルボルン、31分に動きアルスラン・ナテル→サキ・レッキーへと2枚替え。(ヤコリシュが右WGに戻る)
アウェイという事もあり、次第にボールポゼッションを守備、つまり時間を使う方向へと意識を高めます。

追い付きたい甲府、37分にCK攻勢に持ち込み、1本目の右CK。(キッカーはクリスティアーノ)
ファーへのクロスがこぼれた所を松本凪がボレーシュートで仕留めんとしましたが、GKヤングのセーブに阻まれ2本目へ。
クリスティアーノは今度は高いクロスを上げ、クリア→跳ね返しを繰り返したのち拾ったが松本凪が右ポットへロビング。
これをクリスティアーノが折り返し、宮崎がボレーシュートとまたもフィニッシュに繋げるも、今度は右サイドネット外と決められず。
一方防いだメルボルンも、GKヤングが足を痛めて倒れ込んでしまう等ダメージは隠せません。(その後無事にプレー続行、この間にヤコリシュ→ギャロウェイに交代)

甲府は39分に最後の交代、三浦→小林。
残り時間でどれだけ攻められるかという所でしたが、その最初の攻撃でやってくれます。
クリアボールを繋ぎ、拾ったクリスティアーノが右に開いてのドリブル、そのクロスに宮崎が合わせヘディングシュート。
再び前に出るのか迷ったGKヤングを尻目にゴール左へと突き刺さり、点の取り合いを象徴するかのように再び同点とした甲府。
これで3-3と、次が決勝点という雰囲気となります。

追い付いた勢いそのままに猛攻を仕掛ける甲府。
42分の長谷川のヘディングシュート(枠外)を皮切りに、敵陣でサッカーを展開し続け。
その中で、クリスティアーノがロングスローを入れるというレアもののシーンも披露する等、まさに形振り構わない体勢に。

巻き返したいメルボルンですが、スタミナ面の限界か一向に攻められず。
ATに突入して間も無く、こぼれ球を確保しにいったサキが飯島を倒してしまい、さらにこぼれた所を宮崎とマクラーレンがデュエル勝負。
ショルダーチャージで宮崎が吹っ飛ばされたという所でサキの反則が取られると、宮崎とマクラーレンがヒートアップを見せるという、反則に拘っていない選手がいきり立つという珍妙な絵図も生まれ。
このFKもクリスティアーノの放り込みから攻め→右スローインでクリスティアーノがロングスローと、アバウトな攻撃を繰り返す甲府。
その後最後の交代を敢行したメルボルン(ロパーネ→マッゼオ)でしたが、結局3-3以降一度も攻撃機会を得れず仕舞いとなりました。

その後も甲府は、クリスティアーノが右ポケットからシュートを放つも枠外と、依然として勝ち越しへの執念がピッチに表れる展開を続け。
しかし流石に4点目は生まれず、そのまま引き分けで幕を閉じる事となりました。
これで勝ち上がり決定は最終節に縺れ、甲府・メルボルンが勝ち点8、浙江とブリーラムが勝ち点6という2分された状況に。
甲府は得失点差でもメルボルンと同等(+2)なので、最終節がまさに運命の分かれ道となり。
2位になってしまえば、既に勝ち点9を得ているクラブが3つもあるので勝ち上がりには分が悪い。
甲府がアウェイ、メルボルンがホームなので、そういう意味ではこの試合は勝ちたかった所でしょうが過ぎた事を言っても仕方無く。
リーグ戦でのプレーオフ争い以上になるようにしかならないという状況ですが、果たしてJ2クラブの勝ち抜きという快挙は達成されるでしょうか。

サッカーランキング にほんブログ村 サッカーブログへ


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« DAZN観戦 2023年J1リーグ第3... | トップ | DAZN観戦 2023年J1昇格プレ... »

コメントを投稿