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DAZN観戦 2024年J3リーグ第32節 テゲバジャーロ宮崎vsカターレ富山

2024-10-14 16:01:26 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

  • 富山は、瀬良が累積警告により出場停止。
  • 富山が敗戦した時点で、翌日試合を控える首位・大宮の昇格が決定。

首位を快走する大宮に、昇格リーチが掛かった今節。
丁度代表ウィークで上位カテゴリが休養の時期と、運の良さを感じる巡り合わせとなりましたが、一方でそれを左右する対象クラブにとっては悪い意味で注目の的となり。

それが目下3位の富山ですが、自身の状況としては、自動昇格圏に入り込む事あるのみでしょう。
前節で2位・今治との直接対決で勝利出来なかった(0-0)直後とあっては尚更であり。

その富山の頼れる助っ人であるレイリアですが、今季は一貫して最前線でのプレーとなっており。
それも1トップという基本布陣が多いので、本来の姿である推進力を中々活かせない感じであり。
この日もロングボールのターゲットを主たる役割としながら、時折サイドに開いて奥へ切り込むという、他選手を活かす事に徹しているようでした。

そのレイリア狙いのロングボールから、右スローインでの攻めの中で(布施谷が遠藤に)反則を受けて直接フリーキックを得たのが前半2分。
横位置は右ハーフレーンで、キッカー・エンリケは当然直接シュートを狙ったものの、壁を直撃して実らず。
その後もロングボール中心での押し込みから、何度もコーナーキックを得るなど一定の成果を上げるものの、ゴールに辿り着くには今一歩物足りないという流れになります。

一方の宮崎、富山よりも露骨にターゲット(橋本)へのロングボールを送る立ち振る舞いが中心。
それでも、セカンドボールを確保しても、守備時4-4-2となる富山に対してミラーとなる状況故に繋ぐのに四苦八苦。
そうした状況で迎えた10分、宮崎はGKから地上での繋ぎを選択し、グラウンダーの長いパスでプレッシングをいなしながら左から前進。
スルーパスに走り込んだ橋本がヒールでポストプレイしたボールを、武が1タッチでラフに右へ送ったスルーパスで、スペースを突く事に成功するも流石に距離が長すぎて走り込んだ松本雄は間に合わず。
ミラーマッチの状態で、どれだけスペースを突くかの攻撃が肝となる予感を孕ませます。

16分、宮崎は例によって橋本へのロングボールからの攻め、井上が収めたのち阿野が中央からミドルシュート。
サイドハーフを中央に寄せて生み出したこのフィニッシュも、ブロックされると富山のカウンターを齎す事に繋がってしまい。
しかしこれを敵陣浅めで遮断し逆カウンターに持ち込むという激しい動きを経て、保持に移って作り直しを選択、最後方から辻岡が左→右へ対角線のロングパス。
そして松本雄折り返し→橋本足でフリックで中央に上がったボールを、武がボレーシュートにいったもののミートせずに終わり。
長短を組み合わせる攻めに移行した、宮崎のペースとなりかけます。

その後富山もボール保持での攻撃に移り変わり。
こちらは最終ラインで幅を広く取っての長いパスで、ハイテンションな宮崎を走らせる事に注力しての繋ぎとなります。
こうしてお互い攻撃においてハイブリッドな立ち回りとなるも、相手ディフェンスを打ち崩す決定的な威力に欠けたまま時間を過ごし。
下手に攻め込むと、強力なSHの突破力からのカウンターが待っている(24分に富山が、29分に宮崎がカウンターから攻めるもフィニッシュには繋がらず)ため、敵陣へ切り込んでも浅い位置でのクロスも多くなり。

ここから動く気配は、33~34分にプレッシングを受ける→GKへ戻してロングフィード→相手が回収、という応酬を見せてから。
続く局面では、地上から繋がんとした宮崎に対し、右サイドで高橋がパスカットして富山がショートカウンターに持ち込みます。
しかしそのまま自ら切り込まんとした高橋でしたが直ぐに奪われて実らず。
すると続く35分に今度は宮崎が、敵陣右サイドで武がカットしてそのまま裏へスルーパス。
中央で橋本が走り込む所、前に出たGK田川がこれを遮断して窮地を凌ぐと、そのままエリア外でのキープで井上怜のプレッシャーをいなすという余裕も見せ。

今度はショートカウンターの応酬といった絵図も、この田川の技術により個人技で上回る事が憚らずも証明されたか、以降攻撃権を支配する富山。
冒頭で述べた通り、レイリアがサイドに開く事で、人数を掛けて奥を取る事も容易になり宮崎を押し込む時間が長くなります。
ここから単調にはなりたくない所でしたが、細かい繋ぎでポケットを突く姿勢は見せるものの、宮崎ディフェンスも堅さを見せてフィニッシュには辿り着けず。
立ち上がりから、一貫してCKを量産する流れは保っているのが救いなものの、逆に宮崎ディフェンスもボックス内は「セーフティで良い」という姿勢に徹して余裕を生んでいた感があり。

結局スコアレスのまま前半が終了。
すると富山はハーフタイムで動き、レイリアを退かせる選択を採り碓井と交代、同時に佐々木→古川へ交代も加えての2枚替え。
どうしても負けられない試合故に、フィニッシュが膨らまない事を気に病んでの采配だったでしょうか。
後半は、投入された2人による2トップ気味な布陣へとシフト。

この采配により勢いも加わり、立ち上がりから相変わらず攻撃権を支配する富山。
反撃を試みる宮崎の繋ぎも遮断する事で連続攻撃に入るという具合に、相手に何もやらせないという時間も作ります。
後半5分に攻めが途切れたのち、右サイド(宮崎から見て左サイド)深めに追い込んで縦パスを西矢がカットしてからの二次攻撃。
右ポケットを窺いながらの細かい繋ぎを経て、高橋のスルーパスに走り込んだ西矢が奥からマイナスのクロス、ニアに古川が走り込む絶好機となるも手前でクリア。
尚もCKを2本続け、ひたすらゴール前での好機を生むもフィニッシュだけは放てずという流れに。

しかし8分の宮崎のゴールキックから、ロングフィードに対しクリアにいった鍋田が、エンリケと被ってしまったか触れず橋本の収めを許し。
そして井上怜が左サイドを抉って奥からクロス(GK田川がキャッチ)と、この試合(24節・北九州戦、0-2)でも見られたロングボールの対応力の課題が浮き彫りとなる富山。

そんな格上クラブの隙を突きたい宮崎は、11分にもGK青木が(高橋の右からの)クロスをキャッチしたのち、素早いスローからカウンターに。
武→阿野と経由し、エリア内へのスルーパスが送られましたが走り込む橋本には合わず。
同じフィニッシュ数は膨らまずも、宮崎の側は攻撃機会自体が少ない事で意味合いは異なり。

つまりはカウンターに活路を……という流れが過るものの、意外にもGKからの組み立てで仕留めに掛かります。
既に4分に自陣左サイドでの繋ぎで、ボランチの安田や遠藤がパウサを見せたのちパスワークで前進、という場面を作るなど保持の姿勢は失われておらず。
迎えた13分、GK青木への戻しで富山のプレッシングを引き込んでからショートパスでの前進を果たし。
右サイドで橋本のポストワークを軸に前進も、松本優へのパスが遮断された所をすかさず安田が拾い、薄くなった中央からに切り替え。
そして武が果敢にミドルシュートを放つと、ゴール右へ豪快に突き刺さります。
劣勢のなかでの一刺し……の一言では言い表せないような、最後方からの組み立てによる攻めでの先制点を挙げました。

キックオフの前に宮崎サイドが動き、井上怜→五月田へと交代。
直後にも宮崎は、GK青木のロングフィードのセカンドボールを確保して敵陣でポゼッション。
先制点を挙げた武が、左奥へ切り込む姿勢からのマイナスのカットインと、再度撃たんとする姿勢を見せましたがここは外回りのパスワークから辻岡のクロスに終わり。

一方思わぬ失点という感の強い富山、目の色を変えて攻め上がる他無く。
宮崎がカウンターの姿勢を強めた事もあり、簡単にボールを確保する事は出来るもののそこからどうするか。

前半から続けている、左サイドでの安光の偽サイドバック的な動きによる崩しに活路を見出す事に。
ワイドに布施谷を張らせ、その内側に走り込む安光がポケットを突くのが狙いなものの、依然ボックス内の堅い宮崎に対してそこからの崩しは厳しく。
よって布施谷がそのまま奥へ切り込んでクロス、という姿勢へと傾倒するのも止むを得ず。

それでも立ち上がりと同様、攻撃が途切れても宮崎のカウンター狙いのロングボールは(精度を欠く事もあり)その殆どを遮断に成功、そして二次攻撃という流れを継続させ。
23分ここもクリア気味のミドルパスをエンリケが跳ね返して継続と、分厚い攻めを見せるものの、結局は左ワイドの布施谷に託してクロスという立ち回り。
しかもこのクロスが思わぬアクシデントを呼び、ファーで合わせにいった碓井の前で(江川に)クリアされると、後方の辻岡と頭部同士激突する事態が生まれてしまいます。
大したダメージ無く起き上がる辻岡を余所に、起き上がれずにそのまま交代の運びとなってしまう碓井。(脳震盪による交代)
不測の事態によるインアウトで、緊急的に吉平を投入、そのままFWで起用します。

長いブレイクののち、CKから再開と攻勢を継続させる富山。
2本目の右CKで、キッカー高橋のクロスに対しGK青木のパンチングが小さくなり、こぼれ球をダイレクトで安光がシュートしますが惜しくも左サイドネット外に終わり。

この後富山は、クロス攻勢が招いた思わぬ被害による負い目からか、以降再びクロス以外の攻め手を探り。
しかし自陣で守備を固める宮崎の前に、どうしても外回しでの運びを押し付けられる展開が続きます。
32分、敵陣での左→右へのサイドチェンジが辻岡にカットされると、拾った五月田のドリブル突破によるカウンターに。
一気に奥まで切り込んだ五月田のマイナスのクロスを、ニアで武が受けるという具合に、この日は魅入られたように武へと集まる宮崎のフィニッシュ。(その後キープからシュートもブロックされる)

それでも守勢の宮崎、30分に遠藤が足を攣らせるなどそのダメージは隠せません。
勝負所がやって来たという感じで、富山は33分にカードを切りエンリケ→松岡へと交代し、その松岡が右SHに入る事で高橋がボランチにシフト。

34分、中盤からショートパスを経てその松岡が切り込むという絵図を作ると、辻岡がたまらず倒してしまい反則。
これにより右ハーフレーンから良い位置での直接FKと、左からのクロスとは毛色の違う好機が生まれ。
攻守ともに入念な調整を経て、キッカー高橋から放たれたシュートは壁を直撃するも、そのままゴールラインを割り右CKへ移行。
富山のセットプレー攻勢も極まれりという状況で、ここからキッカー高橋のクロスをニアサイドで古川が合わせ。
フリック気味に合わせたヘディングシュートで対角を突いたものの、左ポストを直撃(跳ね返りをGK青木がキャッチ)と、これでも決められません。

その後も37分に高橋がミドルシュート、ブロックされての繋ぎから西矢が右ポケットへのカットインからクロス(精度欠く)と、左からの攻めは意図的に避けていた感があった富山。
40分に双方選手交代で、宮崎が遠藤→坂井。(それ以前の38分に阿野→魚里へと交代)
そして富山は西矢・末木→神山・河井と、脳震盪により追加された1枠も使いきって最終局面に入ります。

怒涛の攻撃を仕掛ける富山の前に、宮崎の攻撃機会は僅か一度(42分)と、すっかり専守あるのみで「1点を守りきる」モードを強いられ。
その富山の攻撃も、時間が押し迫った事で再び左から布施谷がひたすら仕掛けるモードに入るなど、両者とも既に余裕の無い立ち回りを隠せません。
それでも44分、例によって左奥を布施谷・安光の2人で崩すと、ポケットへのパスを河井が中央へ小さい浮き球を送り。
これがディフェンスに当たりこぼれるも、拾った吉平を経由し神山がシュート(辻岡がブロック)と、クロス以外の手段を模索。

そして突入したアディショナルタイムは、アクシデントもあり9分という長さに。
しかし宮崎ディフェンスの集中力は切れず、時間経過で富山の焦りが拭えないという展開に。
左スローインで直接左奥を突き、布施谷のカットインは防がれるも、拾った河井のマイナスのクロスがポケットの古川へ。
そしてブロックをかわしてシュートするも、枠を捉えられず。

1点が遠いなかで、今瀬を前線に上げるパワープレイへと舵を切り。
それでも最終ラインから組み立てる姿勢と、左から切り込む攻め手は変わらず。
しかし布施谷は自らの突破に賭ける意識へと傾倒し、奥へ切り込んでもクロスを入れずマイナスのカットイン。
堅守の前に戻し→河井の手前からのクロスという手段になるも、ここから乱戦となり、今瀬の折り返しがこぼれた所を安光が拾い。
そして戻しから再度河井がクロス、クリアボールが高く上がった所を空中戦に持ち込み、今瀬が落として右ポケットへこぼれた所を松岡が走り込んでシュート。
江川のブロックを掠めてゴールに突き刺さり、まさに「こじ開ける」という表現が相応しい同点弾となります。

一方最後の最後で……という状態に陥った宮崎、キックオフの前に武→吉澤へと交代。(富山サイドの脳震盪のため4度目の交代に)
尚も富山の攻撃を浴びるなか、ゴールキックのロングフィード→吉澤フリックと、細い線を繋いで久々の好機。
右サイドでボールを確保したのち、橋本が奥に切り込まんとしましたが、コントロールミスでゴールラインを割り。
最後まで出続けた橋本でしたが、既に体力切れを示すのみに終わってしまいました。

結局1-1のまま試合終了の笛が鳴り。
死力を振り絞っての戦いでしたが、内容的には攻め続けた富山の方が手痛い引き分けであり。
しかし宮崎も残留を確実にする勝ち点3が欲しかった所で、順位的には同程度の痛み分けだったでしょうか。

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