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DAZN観戦 2024年J3リーグ第32節 大宮アルディージャvs福島ユナイテッドFC

2024-10-15 16:00:32 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

  • 大宮は前節から昇格リーチで、今節はさらに条件が緩くなり自身の勝利or富山敗戦で決定。前日富山が引き分けたため、勝ち点1以上を積めば(=引き分け以上ならば)昇格が確定する。
  • 福島は、試合当初は右サイドバック=松長根・左SB=鈴だったが、数分後に両者入れ替わり逆の配置に。

長い戦いを経て、とうとうあと一つという所まで辿り着いた大宮。

それを見計らうかのように、新たに筆頭株主となったレッドブルの(マリオ・ゴメスTDの)挨拶めいたコメントが発表される事となったのが試合の前日。
これまでクラブを支えてきたサポーターにとっては(買収劇全体も含め)釈然としない思いが残る事でしょうが、既存の体制でJ3にまで沈んだ経歴を考えれば致し方ない事象でもあり。
今後過酷な生き残りのためのパートナーとして、共存を図る他無い。
そんな前向き思考になるためにも、彼らの眼前で昇格を決める事には意義がある、といったこの試合。

前半2分に左サイドから前進する大宮、ストロングポイントの泉の前進を絡めてのパスワーク。
そして敵陣中央でシルバが受けるも、トラップミスを大関に拾われた所で反則を犯してしまい警告を受ける破目となり。

早くも被害を受ける運びとなった大宮ですが、同時に福島もその左サイドアタックを脅威と感じたでしょうか。
両SBは右が松長根・左が鈴でスタートした試合ですが、その後両者を入れ替えて鈴が右へと回り。
左利きの鈴を配置する事で泉の右足を切りに来るその変節に、「攻撃サッカー」の福島でも、終盤の昇格争いという局面で相手に合わせての采配を敢行するに至ります。

そうして本格的に両クラブの戦いへと突入。
福島の最後方からのビルドアップに対し、容赦なく大宮のプレッシングが襲い掛かるというのが基本の絵面となり。
1トップのサンデーがアンカーの加藤匠に付き、その他のメンバー(主に2シャドー)で最終ラインにプレッシャーを掛けるのが最前線の基本的なディフェンス。

そんな体勢+大宮選手の強度に散々苦しめられる福島。
5分に縦パスをシルバにカットされてショートカウンターに持ち込まれる(杉本とシルバのパス交換で前進もシュートは撃てず)と、7分にもシルバのパスカットに遭い。
すると今度はパスを出さず自ら撃ってくるシルバ、このミドルシュートはGK吉丸がセーブするも右コーナーキックで継続となり。
キッカー小島のニアへのクロスを杉本が合わせヘディングシュート、これもゴール上部を襲いGK吉丸が何とかセーブしますが、再度右CKに。
するとキッカーを泉へ切り替える大宮、ショートコーナーでの戻しから浮き球で右ポケットを突きに掛かるという具合に、徹底的に変化を付けた末に走り込んだ茂木のクロス。
低く鋭いボールが中央へ入り、杉本の手前で塩浜が(あわやオウンゴールの軌道で)何とかクリアと、際どい凌ぎの連続となります。

9分にも、プレッシングでGK吉丸にフィードを蹴らせて回収したのち好機を迎えた大宮。(茂木が右ハーフレーンからカットインしてミドルシュート、松長根がブロック)
何とかこの矢印を反転させたい福島は、10分逆に大宮の保持に対するプレッシングで、GK笠原に蹴らせたフィードを城定がカットしての好機。
右サイドで細かい繋ぎを経ての塩浜のクロスは跳ね返されるも、拾ったのち再度右から仕掛け、右ポケットで加藤匠のパスを受ける大関が入れ替わりから奥へ切り込み。
そして先程の茂木と同様に低く鋭いクロスを入れ、合わせにいった樋口はディフェンスと縺れ、こぼれ球に城定が詰めにいくも結局撃てずに終わり。

福島は一つ相手ゴール前まで迫った事で、肩の荷が下りたでしょうか。
しかしこの日も中盤のトライアングルは、3人(上畑・大関・針谷)のうち大関1人のみという構成に。
そのためパスワークというよりは、大関や城定が純粋な突破力を見せる場面が目立ちました。
15分にミドルパスの跳ね返りを拾った城定がドリブルからミドルシュートを放つも、エリア内で浦上のブロックに阻まれ。
17分にも中盤での繋ぎを経て城定がドリブルで敵陣を突き進み、パスを受けた大関がさらにエリア内へ切り込み、左ポケットを突いたものの茂木のディフェンスで倒れて反則も無しに終わり。

お互いに好機が乱れ飛ぶという、昇格争いによる堅さは微塵も感じさせない展開となり。
大宮は20分、後方からのミドルパス主体で組み立て、右奥で溜めを作ったのちに茂木の手前からのクロス。
跳ね返りを逆サイドで繋ぎ、泉のグラウンダーのクロスがこぼれた所を拾った小島、ゴール眼前まで迫ってシュートを放つも大森のブロックで防がれ。
23分の福島、縦パスを受けた大関のドリブルで中央を素早く運んだのち、左サイドを抉る姿勢からカットインシュートを放つ森晃。
浦上がブロックするも、エリア内中央にこぼれた所を樋口が拾い決定機になりかけますが、ディフェンスに阻まれ撃てずにGK笠原が抑え。

小気味良く交錯する好機とシュートに、傍らからでも気分が高揚するような試合となりましたが、やはり有利なのは大宮。
28分に福島が最終ラインでの繋ぎをミス、左サイド深めでのスタートとなった大宮のショートカウンター(その後パス交換からの杉本のクロスを中央で泉が合わせるもGK吉丸キャッチ)という具合に、巨大な個の力が織り成すプレッシャーを中々かわせない状況は継続され。

そして31分、縦パスを前に出て奪った浦上がその勢いのまま攻撃参加、パスワークを経て左サイドを窺う体勢となる浦上。
戻しから泉のクロス→大外で杉本折り返しが流れ、また左サイドに戻ったボールを繋いだ末に浦上のクロスが上がり、クリアされて左CKに。
このセットプレーから、キッカー小島ファーにクロス→村上折り返しという完璧な流れを、ボレーシュートで仕留めた浦上。
最後まで一連の流れに絡み続けた末に、得点まで挙げる運びとなりました。

こうして先制した大宮でしたが、福島はキックオフからの攻撃で、ロングパスの跳ね返りを確保したのち再び大関がドリブルの体勢に。
そして左ポケットへのスルーパスを選択すると、走り込んだ松長根のマイナスのクロスをニアサイドで森晃が合わせ。
ポケットを突く攻めの定型というようなフィニッシュでネットを揺らし、あっという間に振り出しに戻しました。

これで勢いを得た福島は、最終ラインからの繋ぎに冴えが戻り。
40分、相変わらずの大宮のプレッシングを、松長根ミドルパス→森晃ドリブルで敵陣に運んで第1ライン突破したのち保持に入り。
中盤~敵陣での細かい繋ぎから大関が間を通す縦パス、受けた樋口が右奥へとスルーパスを送り、受けた城定が泉を股抜きで剥がしてのカットイン。
そしてポケットから放たれたシュートがブロックされるも、こぼれ球をすかさず塩浜が詰めてシュート。
これがジャストミートせずも、ループの軌道になってGKを越えるかと思われましたが、GK笠原が腕を伸ばしてのセーブで防ぎ追加点はならず。
42分にも左ポケットでスルーパスを受けた塩浜が、カットインの姿勢からシュート(GK笠原セーブ)と、再三ポケットからのフィニッシュで脅かします。

しかしそんなハイテンションぶりも、45分に大関のミドルシュートがブロックされ、跳ね返りが直接サンデーに渡ってのカウンター(ドリブルから左へ展開、小島がクロスも繋がらず)となった事で途切れたでしょうか。
守護神を中心に冷静に失点を防いだ大宮、アディショナルタイムの攻撃で、ロングパスで右奥を取り。
まずは深さを取る事で自身のペースに持ち込むと、戻しながらのパスワークを経て、市原の1タッチでの縦パスでプレッシャーをいなした末に茂木がクロス。
中央での石川のボレーシュートはミートせずも、ファーに流れた所を(鈴が杉本についていたのもあり)ノーマークとなった泉がシュート。
GK吉丸が弾くも及ばずゴールに突き刺さり、前半も終わり際という局面で勝ち越しを果たします。

これで良い気分、ならびに昇格決定への高揚感を抱えながら前半終了となったでしょうか。
ハーフタイムでの交代は共に無く、自力で流れを掴む事となった後半戦。

その立ち上がり、早めに追い付かんと攻勢を掛ける福島。
樋口のポストプレイを軸に、空いたスペースを森晃がドリブルで突くという攻めでアタッキングサードへの侵入を繰り返し。

しかしフィニッシュを撃たせずに防ぐ大宮、再度シンプルに深さを取る立ち回りで矢印を反転させます。
サイド奥へのロングパスは勿論、距離の長いスローイン→サンデーフリックという手法も冴え渡り、攻撃機会を重ね。

福島の前へのベクトルを折る事に成功すると、再びハイプレスが脅威となる展開に。
9分にパスがズレた所をエリアからすぐ手前という位置で石川がカット、拾ったサンデーがそのまま細かいタッチでドリブルに入り、エリア内へ進入。
そしてシュートが放たれ、ブロックを掠めてゴール右へと向かったボールをGK吉丸が辛うじてセーブ(そしてCKで継続)と、戦力差に押しやられる絵図となってきた福島。

何とかそれを剥がさんとしましたが、12分に後方からの縦パスを小島にカットされてまたも大宮が中盤からカウンター。
そして杉本のスルーパスを受けた泉が左ポケットを突いた末に、放たれたシュートはGK吉丸がこれも何とかセーブ。
しかし走り込んで詰めた石川のシュートを防ぐ手立ては無く、大宮の3点目が齎されます。
福島にとっては焦って前に送らんとした所を突かれるという、悪循環にも近い形でリードを広げられる格好となりました。

2点差を跳ね返さなければならなくなった福島。
その後も中央で狭い所を縦パスで通し、そののちに森晃を中心にドリブルで運ぶ姿勢を徹底し。
17分にその森晃のドリブルから、パスを受けた樋口がエリア内中央を突いてシュートを放つ決定機が生まれましたが、フィニッシュは浮いてしまい決められず。

その後再び大宮に矢印を反転され、CKという局面でベンチが動き。(18分)
加藤匠→針谷へと交代し、中盤の強化を図りに掛かります。

しかしまずは大宮のセットプレー含めた攻勢を止めなければならず。
直後のCKは防ぐも、その後も大宮の攻めは続き押し込まれ、20分のCKではファーへのクロスを収めたシルバがコースを探した末にシュート。(ブロック)
その直後も、ゲーゲンプレスを掛けた大宮が縦パスを(茂木が)カットしてショートカウンター、中央からサンデーがシュートするもGK吉丸がセーブ。

再三ゴールを脅かされた末に、何とかアンカーに入った針谷を軸としたパスワークに持ち込み。
縦パスの精度が格段に良くなり、後方のみならず敵陣でもエリア内を突くボールで好機を生みかける場面を膨らませます。
さらに動く福島ベンチ、26分に塩浜・樋口→澤上・矢島へと2枚替え。
一方大宮も28分、シルバ・杉本→和田・藤井へと2枚替え。

狭い所を抜かれる大宮は一層中央を固めるようになり、それにより大きく空くサイドをどう有効活用するかという流れに。
30分、大宮が藤井のボール奪取でこの日何度目かというショートカウンターとなり、そのままエリア内までドリブルで運ぶも奪われ。
そして反転して福島の速攻、大関がドリブルに持ち込むと、左へと開きながらの前進でサイド奥を突きに掛かり。
その奥で村上のチャージを受けて反則・警告と、薄いサイドを突く姿勢を見せ始めます。
しかしこのタイミングで、その一翼を担うはずの鈴が足を攣らせてしまい、交代の運びとなり。
折りしも得たFKでの好機という状況で、更に大宮も交代の選択をした事で長いブレイクとなってしまいます。
結局福島は鈴・野末→粟野・吉永へと2枚替え(松長根がセンターバックに回る)、大宮は石川とサンデーに代えて大澤とファビアン・ゴンザレスを投入とこちらも2枚替え。

熱気が冷めた影響か、このFKはニアで投入されたゴンザレスが跳ね返して終わり。
35分にまたも大宮は泉のパスカットで中盤からカウンターとなり、ゴンザレスが推進力を発揮。(左ポケットへ進入してスルーパスも繋がらず)
直後に茂木→関口へ交代してカードを使いきりと、着実に逃げきりかつ昇格への足を踏みしめます。

その後、福島は鈴に代わって右SBに入った粟野に右ポケットを取らせ、クロスを入れての好機を連続で作るも決められず。
大宮も前線のその圧力は落ちず、右奥を突いてのこぼれ球を拾ったゴンザレスが、シュートをゴールに入れる場面を作った(40分)もののその前にラインアウトという事で無効となり。

43分、大宮のスローインを跳ね返す事でベクトルの逆を突き、左から吉永のクロスが決定機に結び付き。
中央で収めた森晃がシュートにいき、ミートせず前方へこぼれたボールをさらに矢島が追撃のシュート。
完全に決まったと思われたこのフィニッシュも、ゴールバーを直撃して跳ね返ってしまいます。
運も味方に付いた大宮、その昇格への歩みは誰も止められない……という事を実感させるに至り。

2点差のままATへ突入。
しかし大宮は「昇格は通過点」と言わんばかりに、守りきる素振りは見せません。
左奥での細かいパスワークから、ポケットへ侵入して徐々に中央へという漸進を見せ、こぼれた所を大澤がシュート(GK吉丸セーブ)と全員がゴールに絡まんとする攻めを見せ。
それでも、道中泉が足を攣らせたのを受けて藤井とポジションを入れ替えるなど、ダメージの蓄積は隠せないようでしたが。

そんな大宮の攻撃を切り、残り時間で攻め上がる福島。
右奥でのスローインを取ると、クロスは選択せず戻しからポケットへの縦パスと、こちらも福島らしい姿勢を貫き。
そこから森晃が奥へ切り込みグラウンダーでクロスを入れると、ニアで澤上がGKとDFに挟まれながらも合わせ、ゴールにねじ入れます。
土壇場で1点を返し、攻め合いに恥じない結果を出し。

しかし福島の奮闘もここまでで、大宮のキックオフからの攻撃を断ち切り、最後方から組み立て……という所で試合終了を告げる笛が鳴り。
3-2で勝利した大宮、富山の結果を抜きにして文句のつけ所が無い昇格となりました。
悲願達成という結果も、目標は優勝のみといわんばかりに、試合後の熱狂はそこそこに留まり。
そんな上昇指向が、レッドブルとの化学反応でどうなるかと考えると末恐ろしい限りですが、今後綺麗にV字型回復を描く事が出来るでしょうか。

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