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DAZN観戦 2021年J3リーグ第11節 FC岐阜vsテゲバジャーロ宮崎

2021-06-14 16:17:32 | サッカー視聴記(2021年その他)

<岐阜スタメン> 3-4-2-1
GK 桐畑
RCB 藤谷 CCB 甲斐 LCB 三ッ田
RWB 舩津 DH 大西 DH 中島 LWB 橋本和
IH 吉濱 IH 柏木
FW 川西
<宮崎スタメン> 4-4-2
GK 植田
RSB 青山 DH 井原 DH 藤武 LSB 大熊
RSH 徳永 DH 千布 DH 前田 LSH 渡邊
FW 梅田 FW 藤岡

ホームが白基調という、珍しいカラーリングの体制を取っている宮崎。(この日のオレンジがアウェイ)
前年JFLでJリーグ入りを決め、厳しい戦いを勝ち抜いた末のJ参入となった今季。
しかし成績は快調の一言で、ここまで立派にJ3の上位争いを展開と、活きの良いクラブの典型として存在感を示しています。

「GKを絡めたビルドアップ」「相手にプレスをさせた上で長いパスをFWに送る」といったスタイル、と断片的に情報を得ていた(カンニングした)自分。
J1大分のような、疑似カウンターで決定機を生み出すのが持ち味なのか。
失点数がリーグ最少という要素もあり、ポゼッション力を「相手の攻撃機会を減らす」というような守備面でも発揮しているのか。
そんな考え(妄想)を脳裏に膨らませながら、この日(全カテゴリで)唯一の開催になった試合を楽しみました。

現在3位の宮崎ですが相手の岐阜も2位で、勝った方が暫定ながら首位に立つことが出来るという、コンセプトがハッキリとした試合。
前半が始まったその刹那、ロングボールを左サイドで収めにいった岐阜・橋本和が、宮崎・青山に反則を受け。
すると暫く立ち上がれない有様となり、「プレイ時間がたった7秒とは笑えないな……」という考えも過りましたが、何とか立ち上がり一旦ピッチ外→のちに復帰という流れになりました。

有名選手を多く揃えた岐阜に対し、後手に回る立ち上がりとなった宮崎。
前半4分に再度千布が反則を犯してしまうと、中央やや手前からのフリーキックを中島が直接狙い、低い弾道ながらゴール左へと外れ。

岐阜はてっきり柏木がキッカー担当かと思われましたが、吉濱が大部分を担い、前述のように直接狙う場面で中島が絡むという塩梅。
この柏木が、浦和を(半ば自業自得ですが)石もて追われる格好となり、J3へと活躍の場を移したというのが注目の動きの一つ。
放送席で試合前からこれでもかというぐらいに持ち上げられていたのが印象的でしたが、プレー自体も繋ぎ役に徹しており、しっかり機能を果たしていました。

劣勢を強いられた宮崎ですが、7分に中央での縦パス攻勢から徳永→藤岡と渡り右へ展開、藤岡がそのまま前進し自らシュート。
ブロックされて右コーナーキックとなり、キッカー大熊が低いクロス→ニアで藤岡フリック→藤武合わせるも枠外と脅かし。
これで相手からペースを剥がすのに成功すると、以降はビルドアップからの攻撃も出来るようになります。

GKが前に出てのビルドアップのスタイル通り、2センターバック+1を基本とし、ボランチも縦関係となるのが目立ち。
しかし序盤から相手のプレッシングが激しかった事もあったか、サイドバックは高い位置を取らず。
しばしば後方での繋ぎで、プレスをかわしに助成するシーンが目立ちました。
また持ち味であるGKのパスワークも序盤は影を潜め、14分頃からGK植田がエリア外でパスを繋ぐという本来のシーンをようやく見せる事となりました。

16分、藤武のロングパスを藤岡が落とし、拾った徳永が前進したのちミドルシュート。(GK桐畑キャッチ)
事前情報通りの攻撃を見せると、18分には千布のパスカットから、拾った藤岡が自らドリブルで運びエリア内からシュート。
ブロックされるも尚も繋がり、前田がミドルシュート(枠外)と、フィニッシュシーンを作っていきます。

しかしそれを遮断されると、岐阜の攻撃が容赦無く襲い掛かって来る結果に。
20分、ロングパスを舩津がカットして岐阜の攻撃、中央やや左で吉濱がリフティングしながらボールキープ。
そして左へスルーパスが送られ、奥で受けた橋本和の戻しから吉濱がクロスを上げると、ファーサイドで舩津が跳び込んでヘディングシュート。
ゴールに突き刺して先制点を挙げると、その余韻が冷めやらない23分。
吉濱ロングパス→川西落とす→柏木スルーパスという流れで再度左サイドへ展開され、橋本和が今度は自らクロス。
低いボールに対し、ニアサイドに走り込んだ川西が左足で合わせシュートと、先程と対称的なクロスの質でゴールゲット。
あっという間に岐阜が2点を挙げ、同時に飲水タイムへと突入します。

一気に2点ビハインドとなってしまった宮崎、ブレイク明け直後にコーナーキックを得て、キッカー大熊のクロスをファーサイドで渡邊が頭で合わせ。
後は触るだけという位置でのヘディングシュートでしたが、すれたような当たりになり左に外れてしまい、モノに出来ず。
その後はSBに高い位置を取らせつつ、GK植田のフィード(左サイドの大熊へのものが圧倒的)で組み立てるビルドアップに活路を見出して反撃します。
しかし先程までと違って容易にフィニッシュには辿り着けず。
逆に37分には大西のパスカットから、川西→柏木→吉濱と3人の前線が攻撃を彩り、最後は吉濱のループシュートが宮崎ゴールを襲い。
GK植田がセーブして辛くも逃れましたが、相手の堅守に難儀しているうちに、カウンター気味に追加点を奪われるという負けパターンが過る嫌な流れを強いられます。

その後もボールポゼッションを高めて攻める宮崎ですが、シュートまで辿り着けず。
(GK以外)全員敵陣に進入する場面も目立ちボールを繋ぐも、岐阜の守りを崩す事はままなりません。
45分には再度岐阜の攻撃、吉濱のエリア内へのスルーパスに橋本和が走り込むも、GK植田が抑えて何とか防ぎ。

このまま前半終了するかと思われたアディショナルタイム、右サイドで青山のドリブルが倒されてFKを得てから、セットプレー攻勢に入った宮崎。
その後の右CKでキッカー大熊はショートコーナー、戻しを経てグラウンダーでクロスと変化をつけると、ニアサイドに入り込んだ藤岡が合わせシュート。
岐阜ディフェンスの隙を突き、ネットを揺らし1点を返します。
反撃の狼煙を上げたと同時に前半が終了。

J3降格という汚泥を味わい、何とか這い上がらんという姿勢を見せている岐阜。
前年は成績的に惜しい所までいったものの、結局は中盤での空回りが響いて昇格を逃し。
終盤のレレウ・パウロン獲得もあり、「昇格を焦り、なりふり構わず戦力を搔き集める」という指向に駆られているのでは無いか。
そんな危惧の通り、今季もあらゆる所から有名選手を獲り、主力として起用。
前述の柏木はじめGK桐畑・吉濱・舩津・本田と、戦力を充実させての戦いを繰り広げています。

今季から監督を務めるのは安間貴義氏で、現在J3首位に居る富山での長期政権(2010年途中~2014年)で有名。
その際に採用した「3-3-3-1」や「3-1-4-1-1」という、独特過ぎるフォーメーションが話題を呼ぶも、最後は戦力不足を跳ね返せずJ3降格となってしまった富山時代。
紆余曲折を経て岐阜に働き場を代えた今季も、3-1-4-1-1のフォーメーションを取り入れて挑んでいましたが、柏木スタメン起用とともに微調整。
3-4-2-1のオーソドックスなものへと転換するなど、戦力を組み込みつつの現実路線ぶりも見せています。

曲がりなりにも長らくJ2に居たクラブだけに、J3から抜け出す事が出来るか、という思いを抱えながら戦う事となるのは仕方なく。
それだけで無く、仮に昇格出来たとしても、現在の戦力補強路線を維持しつつ定着出来るのか。
また戦力補強により、Jリーグ参入時に発生してしまった経営危機問題が再発しやしないか等々、未来を考えると不安な点が拭えない。
しかしまずは昇格しなければ始まらないのも事実でしょう。

共に選手交代は無かったハーフタイム、後半の入りも宮崎はポゼッションを維持して攻勢に出ます。
多彩なパスを繋ぎつつ前進し、後半5分にはワンツーから渡邊がシュート(ブロック)、11分には藤岡のドリブルから梅田がシュート。(ブロック)
エリア内でフィニッシュするシーンが増え、前半のうちに1点を挙げた勢いを持ち越しているような攻撃。

14分に最初の交代カードを切り、渡邊→三村へと交代。
主力に大卒の生え抜き選手が多い宮崎、新人もこの日はベンチに留まっていた橋本啓吾の他、センターバックに藤武を大抜擢。
そこに経験のある選手の投入で攻撃力を高めに掛かりました。

しかし物事は上手くいかないもので、16分には抜擢された藤武(この日初スタメン)が、足を攣らせてしまい続行不可能に。
代わって大畑が投入されたものの、直後にその動揺を岐阜に突かれてしまいます。
18分、敵陣での中島のパスカットから右CKに持ち込んだ岐阜、ここで柏木がこの日初のキッカーに。
ファーに高いクロスを上げると、跳んだ三ッ田の奥で川西が足で合わせ、ゴールネットを揺らし。
ピンポイントクロスが見事結果に繋がり、貴重な追加点を挙げた岐阜。

再び2点差となり、主導権も岐阜へと移り変わる事に。
26分には、三ッ田のカットから川西が自陣からロングシュートを狙い、ゴール上を襲うという好機を生み出し。(上に外れる)
やりたい放題の岐阜という絵図を描きつつ、後半の飲水タイムへ。

明けて最初の好機は宮崎で、ゴールキック→藤岡落としを経て三村のロビングを受けた梅田がエリア内右へと切り込み、そのままシュートを放つもゴール左へと外れ。
少ないタッチ数で崩した攻撃だけに、ここで決めればまだ解りませんでしたが……。
それでも以降押し込んでいく宮崎という流れを受け、岐阜も交代カードを切り。
30分に橋本和→松本へと交代(舩津が左ウイングバックにシフト)すると、その流れも止まり双方が攻撃権を得る展開となります。

34分に再度宮崎に千載一遇の好機、千布のスルーパスを右ハーフレーンで受けた梅田、エリア内に進入してグラウンダーでクロス。
中央に藤岡が走り込んでいたものの、ボールはその後方へ流れてしまい、合わずという結果に終わり。
その後CKとなるも、結局これで宮崎の勝ち筋はほぼ消える事となりました。
直後に岐阜は吉濱・柏木→三島・村田へと2枚替え。(35分)

尚も抵抗を続ける宮崎は、37分に藤岡・徳永・千布→橋本啓・儀保・内薗と3枚替えを敢行。(梅田が右サイドハーフへシフトし、橋本啓・儀保の2トップ)
その後は(直後に宮崎・儀保のヘディングシュートがあった後)攻撃権が激しく入れ替わりつつも、どちらも好機を作れず、そして選手が痛むシーンが目立つという流れ。
イライラが募り易い展開で、ビハインド側の宮崎には辛いの一言でしょうが、宮崎のFKを岐阜・舩津が妨害し警告を受けるといった副産物も齎され。

44分、左サイドから三村がドリブルからクロスを上げ、クリアボールに青山が走り込んでエリア内でシュート(GK桐畑キャッチ)したのが宮崎最後のシュート。
その後6分あったATでは、ひたすらロングボールを蹴り込む攻撃を強いられる事となり、有効打を放てず。
最後は岐阜が右コーナーでボールを持つ展開となり、そのままタイムアップ。
首位に立ったのは岐阜という結果になりました。

翌日に富山が勝てず終わった(vs熊本・1-1)ため、首位の座が入れ替わった11節。
それでもクラブ数が奇数なため、富山・宮崎より1試合多い岐阜という日程のあやもあり。
様々な不安要素を吹き飛ばす一歩となる、昇格という結果に結び付けられるでしょうか。


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