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DAZN観戦 2024年J1リーグ第34節 東京ヴェルディvs浦和レッズ

2024-10-22 16:00:42 | サッカー視聴記(J1)

<両軍スタメン>

20年ぶりのJ1残留まで、後一歩という所まで来たヴェルディ。
それは2004~2005年という大昔まで遡る訳ですが、この間に天皇杯優勝とビッグタイトルを手にしたのもあり、客観的にはまさかの降格の感が強く。

しかしこの2年間は、共に浦和戦のスコアが目を惹き、7失点で大敗というゲームを作ってしまう事2度。(2004年=2nd2節・2005年=14節)
当時は戦力旺盛なビッグクラブという立場の浦和に対し、その力に押し潰さるかのような無残な試合を演じ、退潮の著しさを示してしまった時期でもありました。
そう考えると降格はある意味必然で、当然ながらその記憶を完全に払拭する事が、J1定着のカギになると思われます。

それでも、現在の浦和の成績面はビッグクラブとはお世辞にも呼べず、ヴェルディよりも下に位置する状況。(ヴェルディ=8位・浦和=13位)
安易な、それも「前年結果を出したマチェイ・スコルジャ監督で流れが変わる」と思い込むかのような監督交代(に加え、原口の復帰)を敢行した結果、尚も打破できない閉塞感に手詰まりの雰囲気すら漂い。
2週間の中断期間で、スコルジャ氏の手腕を発揮し立て直したい所でしたが、無残な現実を突き付けられる事となったこの試合。

試合が始まると、浦和が後方からのロングパス攻勢。
それも酒井が居た時のように、右サイドバックを高い位置に上げた所へ放り込み、セカンドボールの確保まで含めて敵陣でスタートさせられるような立ち回りを繰り広げ。
そうして徐々にペースを確保したのちに、地上からの組み立てに入る、という算段が透けて見えました。

実際に前半4分、最終ラインでヴェルディのプレッシングに遭うなか、GK西川に戻してからのフィードで脱出を果たし。
これを入れ替わりで受けた小泉、前を向けたものの森田に倒されて反則となり、好機には持ち込めずに途切れます。
これが小泉の唯一といっても良い見せ場になるとは、この時は思いもよらず。

7分、ヴェルディが敵陣で長らく保持を続ける所に、その小泉が森田からボール奪取。
これでカウンターといきたかった所ですが、すぐさま谷口に奪われた事でヴェルディの逆カウンター、左から翁長のアーリークロスで一気にゴール前へ。
そして山田剛が跳び込んでヘディングシュートを放つと、ゴールバーを直撃してラインアウトと、あわやという場面に。
浦和は辛うじて失点は免れたものの、これがこの試合の(ならびに小泉の)運命を決定付けたでしょうか。

以降「何をやっても駄目」な状態に陥る浦和、自身での保持はロクに前進出来ず、相手の保持は阻めずと良い所無し。
前者は一応の手立てとしてSBとサイドハーフが入れ替わる、相手を釣らせる動きを軸にサイドから運ばんとする意図が見えたものの、5-4-1のミドルブロックで構えるのが主なヴェルディに対し効果は薄く。
後者は中央重視に固める4-4-2ブロックの弱点をひたすら突かれる格好となり、片側に寄せるパスワーク→サイドチェンジ(主に右→左)というパターンを徹底して奥へと届けるヴェルディ。
それを防がんと、相手ウイングバックに対しSBが前に出た所の裏を突かれるという具合に、裏目の連続を強いられます。

かくして一方的な展開に持ち込んだヴェルディ。
前述のシーンに続く決定機は10分で、左から森田のスルーパスでポケットを突き、走り込んだ木村のマイナスのクロスがファーサイドへ。
そして山田剛が今度は脚から跳び込んで合わせるも、ゴール前に戻ったホイブラーテンがブロックで何とか掻き出し。
以降、失点だけは防がんと専守に陥った浦和を仕留めるべく、見木や森田が果敢にミドルシュートを放つシーンを膨らませ。

潮目が変わりかけたのが21分で、ヴェルディは最後方で、大したプレッシャーが無いにも拘わらずGKマテウス→谷口へのパスがズレてラインアウト。
それでもヴェルディの攻撃機会が続く展開は変わらずでしたが、25分に井上が前に出てパスカットに成功し、保持に入った浦和。
最後方へ戻し→右へと展開して石原がドリブル突破、奥へ進入してカットイン→ポケットからクロス(ブロック)と、ようやく好機らしい好機が生まれます。
そして27分、ホイブラーテンロングパス→跳ね返りを松尾が反則気味のチャージで齋藤から奪って確保、これにより敵陣で攻撃開始となった浦和。
こぼれ球を拾った渡邊が中央をドリブルし、最終ラインしか残っていないヴェルディディフェンスをひたすら下げさせた末に、ペナルティアークからミドルシュートが放たれ。
豪快にゴール左へと突き刺さり、劣勢を跳ね返すべくの先制点が齎されました。

圧倒的な展開ななか、まさかのリードを奪われる格好となったヴェルディ。
その後も押し込み続け、それに象徴されるように右センターバックの綱島が果敢に前に出て敵陣でのパスワークに加わり。
前述のサイドでの崩しも盛んになりますが、それでも辿り着くのはクロスか、無理矢理狭い所を掻い潜ってポケットを突きに掛かるかの二択。
中央を固める浦和に対し、先程のミドルシュート攻勢も悉くブロックに阻まれたとあっては、そうなるのも仕方無く。
攻勢の成果であるコーナーキックも量産しますが、このままでは専守の前に屈するという流れになりかねず。

しかし浦和も、たまに訪れるマイボールのターンで、簡単にラフなボールを蹴っ飛ばすのみに終わり。
落ち着く時間が全く作れず、クリアボールもヴェルディに拾われる事でひたすら耐えるのみとあっては、「相手に決められるか否か」というギャンブル性の高い試合を強いられるのは必然であり。
先制点の前に、早くも選手交代を用意していたスコルジャ監督。
リードした事でそれは立ち消えになると思われましたが、一向に変わらない試合展開を受け、39分にとうとうそれを敢行。
試合から消えるという表現がピッタリだった小泉に代えて大久保を投入、彼が右SHに入って渡邊がトップ下に回ります。
(なお小泉は体調不良をおして出場したとの事だが、そういう面からも浦和の現状の拙さが垣間見える)

45分にヴェルディのCKから、クリアボールを渡邊が拾ってカウンターに持ち込む浦和。
彼の縦パスを受けた松尾がドリブルで推進し、左ポケットからグラウンダーでクロスを入れるも、ファーの安居の前でクリアされ惜しくも実らず。
しかしようやく一息つき、アディショナルタイムで再度保持の体勢に持ち込み、左サイドで(渡邊と)ワンツー突破する松尾が綱島に倒されて反則。
これで前半最後に好機で終え(左からのフリーキック、渡邊クロス→井上ヘディングも枠外)、同時に前半も終了となります。

「スコア以外は良好なのに……」と嘆きたくなるヴェルディ、このハーフタイムで交代を敢行し山田剛→山見。
そして開始して早速の後半1分に、宮原のミドルパスを山見が右ポケットで収めてシュート(ゴール左へ外れる)と、そのプレーぶりで流れを変えんとします。

一方の浦和、前線にターゲット不在ななか、憚られていたロングパス主体の攻めへと舵を切り。
本来のプレーとは言い難い、松尾がそれに対するポストワークを強いられるのはアンバランスさが拭えず。
それでも3分にその松尾の落としから好機を迎え、右奥から大久保がカットインでボックス内を突き、渡邉→関根と経由し中央からシュート。
GKマテウスにキャッチされるも、曲がりなりにも繋がったフィニッシュが突破口になるかと思われました。

しかし、以降再びヴェルディが攻撃権を独占する流れへと突入。
苦境となった浦和、何とか組み立ての中でのロングパスを送りたいものの、積極的な姿勢へと移ったヴェルディの前線を受けてそれすらままなりません。

ひたすらアタッキングサードへ運び続けるヴェルディ。
サイド奥を突く姿勢は変わらずも、そこから戻し→アーリー気味のクロスが多かった前半を経て、そのまま奥からクロス・中央への戻しからこじ開けを狙うという二択へと微調整が図られたでしょうか。

それにより一層自陣を固める他無くなった浦和。
13分に左サイドを前進する姿勢から、中央へと展開して山見が裏へのミドルパスで見木をポケットへ走らせる変化を付け。
クリアされるも左CKとなり、キッカー山見はニアにクロス→フリックを選択し、これも跳ね返されるもセカンドボールへの出足はヴェルディの独壇場というこの試合。
渡邊の前で拾った齋藤が反則を受けると、足が止まった浦和の隙を突くように素早いリスタート、右奥から谷口のグラウンダーのクロスが入り。
ホイブラーテンが何とか足を延ばしクリアするも、この跳ね返りを待っていたかのようにダイレクトでミドルシュートを放ったのは綱島。
GK西川を棒立ちとさせるフィニッシュがゴール右に突き刺さった事で、ようやく負けパターンを解消させたヴェルディ。

こうなると、一方的に押し込んでいた方が有利なのは当然であり。
尚も果敢に敵陣でのサッカーを続けるヴェルディに対し、専守の浦和は攻め疲れを起こさせる事すらままならず。
自らの保持の場面では、原口が最終ラインに降りる3枚での形の色を濃くするも、それが逆にヴェルディの1トップ・2シャドーに嵌り易い図式になってしまい。
相手の出方を見てのプレーが出来ないクラブの現状を示すのみに終わります。

20分、一縷の望みを賭けるように、ハイプレスを掛けてきた浦和をいなしに掛かるヴェルディ。
谷口→翁長に対し、二度追いを仕掛けた大久保が奪いかけたものの、こぼれ球を翁長が確保して戻しと徒労に終わる結果に。
そして右からの前進に切り替え、ワイドの位置から山見がクロス気味にシュートを狙う(GK西川キャッチ)など、積極性はヴェルディの方が上回るのは変わりません。

それでもベンチが次に動いたのはヴェルディで、齋藤→染野へと交代。(見木がボランチへ回る)
直後の24分にヴェルディが繋ぎをミスし、久々の攻撃機会となった浦和。(実に5分以来……)
右サイドで保持を続ける事で息を整えると、フィニッシュには持ち込めずも、続く攻撃で石原が山見に反則を受けた事で(右ワイドからの)FKとなります。
そしてこのタイミングで浦和ベンチも動き、助っ人のチアゴ・サンタナとブライアン・リンセンを同時に投入。(原口・関根と交代、渡邊がボランチに・松尾が左SHに回る)

前線にターゲットを入れ、流れを変えに掛かったのは明白な浦和サイド。
しかしこのFKでの攻めがモノにならず終わると、やはりヴェルディのターンに移り変わり。
なまじ前線の選手がフレッシュになった事で、前に出た所を突かれるリスクが高まるおまけも付いたでしょうか。
30分、最後方から綱島のロングパスで一気に右ポケットを取ったヴェルディ、収めた染野が奥でのキープを経てクロス。
これを逆のポケットで翁長が収めてキープと、散々ボックス内を揺さぶった末にシュート、ブロックを掠めての枠外となり右CKで継続。
キッカー山見のクロスがファーサイドに上がると、ゾーン・マンツーマンの併用の守備体勢による隙を突くように、完全フリーとなった綱島が合わせヘディングシュート。
GK西川が弾くも及ばず、再三獲得したCKで仕留める理想形での勝ち越し点となりました。

とうとう追う立場へと転落した浦和。
最後の手として、ボランチのサミュエル・グスタフソン投入に踏み切ったのが34分の事であり。(松尾と交代、同時に大畑→長沼へと交代、渡邊が左SHに回る)
ヴェルディも37分に木村→松村へと交代。(染野がFWへ回る)

展開力に長けたグスタフソンの存在を盾に、ようやく保持に安定性が生まれ。
長短のパスを混ぜ合わせながら敵陣で展開と、ようやくサッカーらしい絵図が繰り広げられる浦和の攻撃ですが、遅過ぎの感は否めず。
そこからの決定機は41分で、グスタフソンが間を通すパス→リンセンポストプレイ→大久保スルーパス→サンタナで右奥を取って迎え。
そして戻しを経てグスタフソンのクロスが入ると、ニアでリンセンが合わせヘディングシュート。
しかしGKマテウスがキャッチし、乾坤一擲といったフィニッシュでもゴールは奪えません。

逆に、直後の攻撃でCKに持ち込んだヴェルディ、クロスの跳ね返りを繋いでエリア内で乱戦に持ち込み。
そしてこぼれ球を拾った山見がミドルシュート(GK西川セーブ)と、終盤ながらも応戦姿勢を見せ。
44分に最後の交代を敢行し、翁長・山見→稲見・松橋へと2枚替え。
山見をインアウトで下げる非情な采配と、ベンチワークも最後までハイテンションぶりが貫かれます。

そしてATへ突入。
押し込みからCKを獲得と、ようやく攻勢の流れが生まれかかる浦和ですがやはり遅過ぎであり。
その好機でも、ターゲットにチャンスボールが上がっても、サンタナとリンセンが被って撃てずに終わるなど不穏な空気は最後まで振り払えず。
結局、その良薬となり得る同点弾は生まれる事は有りませんでした。

2-1で勝利し、見事に残留確定させたヴェルディに対し、浦和は16位へと交代。
降格圏との勝ち点差は4で、さらに未消化試合が2試合多い立場上、残りの動向に嫌でも注目を浴びる状況に陥る事となりました。
こうした迷走に、「仮にもビッグクラブを目指さんとする存在に、下のクラブはどれだけ(選手提供という面で)支えなければならないのか」などと場違いな文句を言いたくもなりますが、その結末は如何に。

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