ぶらりドリブルの旅

ひたすらサッカー観戦がメイン

DAZN観戦 2019年J1リーグ第21節 横浜F・マリノスvs清水エスパルス

2019-08-07 17:08:41 | サッカー視聴記(2020年以前)

リーグ序盤は最下位をひた走る破目となった清水。
11節終了直後ヤン・ヨンソン監督の退任(事実上解任らしい)という状況にまで陥りましたが、その後は紙一重の戦いを制し続けて勝ち点を稼ぐ綱渡り。

監督が篠田善之氏に代わってから、初勝利の仙台戦を皮切りに試合終了間際での決勝ゴールによる勝利を頻発させ、ムードは上々のようです。

特に前回のマリノス戦はその総決算ともいうべき試合でしたね。

この試合で劇的なプロ初ゴールを挙げた西澤、次節・名古屋戦でも後半アディショナルタイムに決勝ゴールを叩き出し、以降はレギュラー定着というシンデレラストーリーを歩んでいます。
折しも北川の海外移籍が秒読みになっていた時期に、こうした選手が現れるのはまさに干天の慈雨。
復調したドウグラスの大活躍(7試合連続得点)もあり、守備面の脆弱さは払拭できていないながらも降格圏脱出に成功している、というのが清水の現状。

一方のマリノス、今季は優勝も現実的に狙える位置に着けております。
選手編成を見てみると、32人の登録選手のうち今季加入した選手は実に20人を数えます。(そのうち2種登録選手が5人)
センターバックコンビの畠中とチアゴ・マルチンス(この日は出場停止)はその外ながら、前年夏の加入と新顔に限りなく近い立場。
チームの大改造を見事成功させた成果であり、出場機会の無いマリノス一筋の大ベテラン・栗原(2002年入団)の存在が逆の意味で浮いてしまっているのが趣深い。
夏の補強も、水戸から伊藤(CB)・広島から中林(GK)と、両者リザーブを埋めるための獲得を躊躇なく行っています。

そんな非情ともいえるチーム強化策ながら、何処かしらで義理人情・浪花節の要素がなければ変わらぬ支持を受けるのは難しいのが日本という土壌。個人の見解です
この日はクラブOB・松田直樹氏の命日が1日後に迫っていた事もあり、サポーターは彼に対する弾幕メッセージを出したり、クラブ側もこうしたイベントを行いました。
首位・FC東京を追走するためにも、限りなくワンクラブマンに近い存在であった(最後は松本だったけど)松田氏の力を借りたい、そんな思想が窺えます。
この日チアゴが出場停止、点取り屋のエジガル・ジュニオは故障離脱中という苦境に立たされていたのだから尚更でしょう。

前回対戦時(15節)は清水の粘りの前に苦戦しながらも、後半の勝ち越しゴールまでは理想に近い展開を演じていたと思われたマリノス。
しかし直後のマルコス・ジュニオール退場でぶち壊しとなり、終了間際立て続けに失点しての逆転負け。
ポゼッションでは圧倒しスコアでもリードを奪う事に成功していただけに、窮鼠猫を噛むという言葉がしっくり来る内容になってしまいました。(当時清水は最下位)

そしてこの日の試合も、ボール支配を繰り広げるマリノスと、それに対処する清水という変わらない図式となります。
トップ下として起用されたマルコスは様々なポジションに顔を出し、両サイドバックのティーラトン・広瀬が時には中央に位置するなど可変式フォーメーションは健在。
しかしマリノスの戦力低下は著しかったようで、パス回しのクオリティが今一つで奪われるシーンが多々。

チアゴの穴には新戦力の伊藤が起用され、エジガル不在のCFには大津。
それ以外にも10番を付けていた天野が海外移籍したりと、苦戦の要因が何処かしこにも見受けられたマリノス。

しかし一方の清水も、北川が海外移籍、CBのファン・ソッコは故障なのかベンチ外。
CBの穴には、マリノス・伊藤と同じくJ2の福岡から獲ってきた吉本を早速起用してきました。(なお吉本の所属はFC東京で、福岡にレンタル中のなか獲得)
お互い苦しい台所事情というスタメンでしたが、ポゼッションでは圧倒されているはずの清水の方が良く見えたのは、やる事がハッキリしていたからでしょうか。

ハードワークを厭わず、相手のビルドアップには前からプレスを掛け、それでも突破されればリトリートに徹する。
夏場では持たなそうな激しいサッカーを敢行していく清水でしたが、一定の効果はあったようでマリノスの攻撃を封じ込める事に成功。
マリノス側が、前回対戦時カウンターに沈められたという意識もあったでしょう。
普段は攻撃で目立つ両SBの松原・エウシーニョもオーバーラップは自重気味で、ベテランの域に入りかけている年齢ながら必死に体を張りディフェンスを行うエウシーニョ。

前半はスコアレスで折り返すと、後半立ち上がりは清水に勢いが傾きます。
後半3分、ストライカーのドウグラスに決定機、それもマリノス側が警戒していたはずのカウンターからでした。
西澤のスルーパスを受けてエリア内左に進入したドウグラス、ファーサイドを狙って左足でシュートを放つもゴールポストを直撃してノーゴール。

その2分後、マルコスのボールロストを河井がすかさず縦パス、西澤が前にトラップしGK朴と一対一の状況に。
西澤が放ったシュートは朴に触れられるも、勢いは止まらずゴールイン。
再びの西澤の殊勲ゴールが生まれた2分後、またドウグラスに決定機が。
自身のポストプレイでチャンスを作り、河井のパスを受けた後エリア内右へドリブルで進入したドウグラス、右足でのシュートはわずかに左に外れてしまいました。
西澤の得点と前後してエースストライカーのドウグラスが決められないとは、勝利の女神は清水にでは無く、西澤個人に対して微笑んでいたのか。
ともかく、この日はプレースキックも(中村が交代出場するまで)ほぼ全て担当していた西澤、攻撃の中心として存在感を高めているようで何よりです。(今週目出度くA契約選手に)

リードを奪われたマリノス、「もう二度と相手に攻撃させない」かの如くボール支配を強め攻勢に出ます。(上述のように、失点直後ドウグラスに決定機を与えていましたが)
しかしエジガル離脱の穴はかなり大きく、フィニッシュの場面で精度を欠いたり、無理目のミドルシュートを撃ったりで得点を奪えません。

過去10試合で8得点を挙げていたエジガル。
マルコスはリーグ前半こそ「ドラゴンボール・パフォーマンス」に象徴されるように最も勢いづいていましたが、現在はエジガルと入れ替わるように運気は停滞気味。
この助っ人2人と、右ウイングの仲川(8得点)が主な得点源であるマリノス。
仲川はドリブラー、マルコスはこの日MFだったように攻撃全体を司る役割があるので、やはりセンターフォワードにエジガルのような確固たる人材が必要でした。
それがこの日は大津だったのですが、今シーズンこれがスタメン2試合目で得点はゼロ、前年も1得点のみ(スタメン17試合)と穴を埋められる人材ではありませんでした。

それでもマリノスの攻撃のプレッシャーに対し、次第に清水は耐えるだけの時間になっていきます。
そして前半から果敢なサッカーを挑んだ事も影響し、アクシデントも頻発します。
後半17分にはボランチで守りの要・ヘナトが足を痛め、ピッチに出されますがその後復帰。
31分に金子→立田への交代で3バック(実質5バック)へとシフトし守りを固めますが、その後吉本が足を攣らせるという事態が発生します。
しかもフォワードの鄭大世を交代出場させようという矢先の出来事で、慌てて交代選手を中村に取り換え吉本と交代、これで再び4バックに。
アディショナルタイムには殊勲者の西澤が足を攣って倒れ、治療が認められない+交代枠はもう無いという状況のなか西澤は最後までプレー。
終了直前にはドウグラスまでも足を攣らせるという満身創痍だった清水、最後まで耐え抜いてウノゼロの勝利。
最悪の状態から這い上がってのJ1残留にまた一歩前進しました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

DAZN観戦 2019年J2リーグ第26節 V・ファーレン長崎vsFC岐阜

2019-08-06 17:23:36 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の長崎の記事はこちら(14節・金沢戦)
※前回の岐阜の記事はこちら(20節・ヴェルディ戦)

この夏の補強では、ポイントを絞っての的確な選手獲得を敢行した長崎。
守備型のMFにカイオ・セザール(前川崎)、秋野(前湘南)の2人。
FWにビクトル・イバルボ(前鳥栖)と計3人。

23節・甲府戦では早速、途中出場のイバルボが決勝ゴールというド派手な活躍を魅せて勝利。
次節(鹿児島戦)も勝利で連勝と反撃の狼煙を上げたかに見えましたが、前節・愛媛戦はまさかの4失点で敗戦。
上位争いに踏みとどまるための大事な一戦という立場で、勝利で勝ち点40台に乗せたい所。

開始直後の前半3分、早速長崎が先制に成功します。
センターバック・高杉が左に展開→左サイドバック・香川が縦パス→左サイドハーフ・澤田が左サイド奥で切り返し→クロスというシンプルな攻撃ながら、フリーになっていたFWの呉屋の頭にピタリ。
チーム得点王の呉屋、実に7試合ぶりの得点が生まれリードを奪います。

その後はゆったりとボールキープしつつ、是が非でも勝利が欲しい最下位・岐阜を焦らせたい。
チーム全体としてそんな意思が感じられたのが11分で、敵陣で磯村が奪ったボールを左サイドへ展開すると、クロスを上げにいく事無くゆっくりパス回し。
香川・畑・カイオ・澤田らでボールを回して時間を進めますが、最後は香川のパスが奪われて終了。

しかしこの間もストライカー・呉屋は積極的にシュートを放ちにいきます。
ミドルシュートあり(7分)、スルーパスを受けてエリア内に進入したがブロックされたのもあり。(15分)
岐阜側がジュニオール・バホスの決定的なシュートがポストに嫌われた(9分)事もあり、岐阜の焦りをカウンターで仕留められれば……という全体のゲームプランを描いていたと思われます。

しかし前半20分辺りから、試合は岐阜ペースに。
22分、中盤でボール奪取の後ライアン・デ・フリーズからのパスを受けた馬場がエリア内左でボールキープしたのち、右のバホスへとパス。
バホスはトラップで徳島・香川をかわしてシュートするも、GK徳重が好セーブ。
飲水タイムを挟んだ後の30分、ライアンがドリブルでエリア内に持ち込みシュート、これもGK徳重に阻まれます。

徳重のファインプレイで難を逃れた長崎。ここからは両チームともチャンスを作ります。
長崎は押し込まれていたのを病んでか、シンプルに好機を作らんとする攻撃、つまり呉屋目掛けて縦パスを送る場面が目立ちます。
33分には中盤で磯村がパスカット、すぐさま呉屋に縦パスを送り、呉屋も抜け出しましたがDFに対応されGKヤン・オレ・ジーバースが抑えます。
35分にも香川が奪った後すぐに縦に出し、呉屋が収めるもオフサイドの判定。

一方の岐阜、川西を中盤の司令塔として、バホス・ライアン・馬場の3人へとパスを供給してチャンスを作るスタイルを見せます。
公式発表のフォーメーションは4-4-2ですが、バホスの1トップにライアン・馬場の2シャドー、川西がトップ下という4-2-3-1のような形を採っていました。
そして川西がしょっちゅうボランチの位置に降り、宮本・塚川とともにゲームメイクする攻撃パターン。
その川西は今シーズン前の大分からの移籍選手で、プロ入り当初(ガンバ大阪)はFWでした。
ドリブルとスピードを生かした突破力とプレスが武器でしたが、大分では主にボランチとして出場しており、今季30歳という年齢もありプレーの幅が広がりつつある選手です。

そして現在岐阜で中盤の柱である川西、円熟味を増した姿を見せつつ、かつてのような攻撃力で長崎に牙を向きます。
前半終了間際の45分、宮本・塚川と右サイドバックの藤谷でのパス交換から、塚川がエリア内へとスルーパス。
これに走り込んでいたのが川西で、見事に長崎ディフェンスの虚を突いた形となり抜け出してワンタッチシュート、難しい体勢ながらゴールイン。
最高の時間帯で同点に追い付いた岐阜。

連敗街道で最下位という泥沼の中行われた監督交代で、現在岐阜の監督に就いているのは北野誠氏。
就任後も連敗は8まで伸びましたが、その後は1勝1敗2分(1試合中止)と落ち着きを取り戻し、降格圏からの脱出を目論んでいます。
バホス・馬場・塚川と夏の補強で獲得した選手を早速スタメン起用し、前体制で出番の無かった川西も戦力に取り入れるなど、必死にチーム改造に取り組んでいる最中です。なお今週に風間・山岸の移籍が発表されたがこれはもう仕方無い

現在J3の讃岐の監督を9年間も務めた北野氏、我慢の人というイメージが強く残っています。
讃岐のJリーグ参入に大きく貢献したものの、以降は設備とりわけ練習場の不備という問題が襲い掛かり、時にはフットサル場での練習を余儀なくされる環境のなかJ2で5年間戦ってきた北野氏。
現状最下位の岐阜ですが、こうしたハード面での問題はあまり無いクラブなので、存分に腕を奮って結果を出してほしい所です。

さて後半開始も早々に、再び川西が躍動します。
後半3分に敵陣でボール奪取した川西、ドリブルで中央を上がりエリア手前から強烈なシュート。
GK徳重は一歩も動けず、バーの内側を叩く豪快なゴールで自身・チームとも今日2点目。

さらに後半12分、長崎陣内左サイドでゆっくり攻撃を作ってから柳澤が中央へパス。
中盤の位置から塚川がエリア内に向けて縦パス、これが馬場の足元に入り、長崎・徳永と競り合いこぼれたボールをライアンがシュート。
ゴール左隅にコントロールされた、これもGKはノーチャンスのシュートで追加点を挙げます。

一気に2点ビハインドとなった長崎、これでようやく攻勢に。
しかし以降リトリートに徹する戦いにシフトした岐阜に対し、「尻に火が付いた」という以外に適切な表現が見当たらず、そんな状態での攻撃は結果に結び付くはずもありません。

ストライカーの呉屋は、2トップの相方の畑がシュートを外すと「どうして俺にパス出さないんだ」と言いたげに両手を挙げるジェスチャーを見せる(5分)など欲求不満気味。
後半30分に切り札・イバルボを投入(澤田と交代)した長崎でしたが、この交代によって3トップにシフトせざるを得なくなり、結果岐阜のブロックの前にシュートは撃てず仕舞いだったイバルボ。
中盤の磯村・吉岡もシュートを放ちますが結果は出ず。

アディショナルタイムにようやく呉屋が、イバルボのロングスローからエリア内で良い形でシュートを放てましたが、GKジーバースがセーブして得点ならず。
そのまま1-3で、岐阜が勝利に辿り着きました。

不甲斐無い戦いが2戦も、しかもホームで続いてしまった長崎ですが、水曜開催の過密日程による起用法が大きく響いたと思います。
前節はボランチに新戦力の秋野を初めて起用しましたが、4失点と彼にとっては酷な結果に。
そして今節は磯村にシフトしましたがこれまた3失点で、もう一人のボランチにカイオが定着している反面、流動的も甚だしくなっております。
そしてこの日は欠場した超ベテランの玉田、戦力としては欠かせないものの高齢故無理はさせられず、この連敗中は前節に途中出場したのみ。(それで1点決めているのだから凄い)
その間呉屋の相方は長谷川・畑と、こちらも流動的な起用を余儀なくされました。
イバルボは能力的には素晴らしいものの、鳥栖時代は故障の連続だったためコンディション面で不安があるので、今後スタメンに名を連ねる事は未知数という状況。
いずれも今夏補強したポジションですが、強度を高めるにはまだ時間が必要なようです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

DAZN観戦 2019年J2リーグ第25節 徳島ヴォルティスvs鹿児島ユナイテッドFC

2019-08-03 17:08:56 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の徳島の記事はこちら(18節・横浜FC戦)
※前回の鹿児島の記事はこちら(16節・鹿児島戦)

前半この2チームが対戦したのは栄えある開幕戦。
特に鹿児島サイドは初のJ2での戦いという晴れ舞台であり、試合内容も壮絶なものになりました。
前半は0-0で終えたものの、後半から怒涛のゴールラッシュの展開に。鹿児島は2度勝ち越しながら徳島に追い付かれ、迎えた試合終了間際。
砂森のグラウンダーのクロスを中原秀人がシュートし、決勝点・4点目をもぎ取った鹿児島が記念すべき勝利を手にしました。

あれから月日は流れ……とは大げさですが、あの歓喜も今は昔、現状は残留争いの渦中でもがいている鹿児島。
開幕戦の殊勲者・中原秀も現在は半レギュラーの立場に回る事を余儀なくされているなど、時の流れは残酷です。(ちなみにチーム内には弟の中原優生も在籍中)

一方敗れた徳島、それを引きずるかの如く歯車がかみ合わない序盤戦を過ごす事となりましたが、その後復調し上位を伺わんとする位置に着けます。
しかし折り返し後は2勝2敗とやや足踏み。
特に前節(山形戦)は、前半の清武の退場で不利に陥り、後半3失点で逆転負けと痛い一戦。
その清武を出場停止で欠いて挑む事となったこの日の試合。

J1経験クラブ(といっても1年だけだけど)の徳島と、J2ですら初めてのシーズンとなる鹿児島。
前半はポゼッションサッカーを如何なく発揮し、ボール支配で相手を守備に釘付けにした徳島。
先輩の貫禄を見せつけているようでもあり、開幕戦に敗れた借りを返そうという気概を形で表しているようでもありました。

しかしワンチャンスをものにしこの日も鹿児島が先制します。
ニウドが中盤でインターセプト、そこから酒本に縦パスを入れたのち左サイドに展開。
4-2-3-1の左サイドハーフである牛之濱が低いクロスを上げ、ニアサイドに飛び込んだのは五領。
ヘディングシュートを逆サイドのゴールに突き刺し、徳島に冷水を浴びせるような先制点を挙げます。

これ以降鹿児島は防戦一方で、シュートは39分まで無し。
センターバックの赤尾が負傷退場し、ベテランの堤が出場(13分)というアクシデントにも見舞われました。
攻勢の徳島ですが、これまで3バックと4バックを使い分けしつつシーズンを乗り切ってきており、清武不在を微塵も感じさせず。
この日は3-4-2-1でシャドーには野村と渡井、ウイングバックは右が杉本・左が表原。
30分辺りで杉本と表原がサイドを入れ替え、また状況によってセンターバックのヨルディ・バイスと内田が位置を入れ替わったり(15分・一時的)と、ポゼッションスタイルにありがちなポジションチェンジも盛んに行い、相手守備を崩さんとします。
しかし肝心のシュートが中々撃てずと、これもポゼッションスタイルあるある。

切欠は前述の39分の鹿児島のシュートでした。
砂森が酒本とのワンツーでエリア内に進入し、左側からのシュート。
GK梶川がセーブしコーナーキックへ、酒本のクロス→ニウドヘッド→ファーで枝本ヘディングシュートという流れを見せますがこれもGK梶川に阻まれ、混戦になりますが最後はクリア。

監督が攻撃サッカーを掲げる金鍾成氏だけに、守勢ながらも攻めっ気を見せた鹿児島。
しかしその直後の42分、それが仇となったのか失点する破目に。
徳島・岩尾が中盤でボールを握るも、鹿児島も中央突破を跳ね返す攻防。
すると小西への縦パスが跳ね返された後、ボールを拾いサイド攻撃に切り替えた岩尾。
これは見事に吉となり、内田→杉本と渡り左サイドから低いクロス、鹿児島の1点目のように河田がニアサイドでスライディングで飛び込みシュート。
綺麗な流れで同点ゴールを叩き出しました。

これで勢いづいた徳島、前半も終わり際はセットプレーの連続でチャンス。
フリーキック1本・コーナーキック3本を得、得点に結びついたのは最後のコーナーキック、時間はアディショナルタイム3分でした。
キッカー・野村のクロスを岩尾がニアサイドでヘディングシュートで突き刺し、前半のうちに逆転に成功、それと同時に前半が終了しました。

前節とは真逆の前半最終盤の絵を描いた徳島。(前節はこの時間に清武が警告2枚目で退場)
しかし前節合計6枚も警告を受けたモヤモヤぶりを晴らすまでとはいかず。
後半10分、鹿児島・水本のシュートがエリア内で岩尾の手に当たりハンド、岩尾に警告が出て次節出場停止となったうえPKに。
このPKをニウドに決められ同点にされ、前回対戦時同様撃ち合いに。

後半は打って変わって鹿児島が攻勢に出ており、その流れの中得た同点弾。
1トップの酒本がコーナーキッカーを務めるという変則的な攻撃パターンを採り、得点を挙げているのは主に五領・牛之濱・ニウドと2列目以降の選手。
その他酒本はしばしば中盤に降りたりサイドに流れたりするなど、本当に1トップなのかと疑いたくなる動きを見せます。
チーム得点王の韓勇太(6得点)が出場時はこの前提は覆されますが、こうした変則ぶりで分厚い攻撃法を見せているという印象で、悪く言えば無理矢理な感もあります。

それはともかく、同点となった後も鹿児島のペースは変わらず。
最大のチャンスは後半22分、徳島CB・石井のクリアミスを拾った牛之濱がドリブルでゴール前まで持ち込む絶好機。
徳島ディフェンスが必死に戻り一旦落ち着いたものの、平川のスルーパスに砂森が走り込み、これはカットされたもののこぼれ球を牛之濱がシュート。
GK梶川がここでもセーブしてゴールならず。
この後24分、徳島は渡井→島屋に交代。

島屋はこの夏の移籍でチームに加わりこれが今季初出場。
とはいっても前年まで1年半徳島でプレーしており、その後J1・鳥栖に移籍。
JFL出身(HOYO大分・現ヴェルスパ大分)だった島屋、ついにJ1にまで個人昇格を果たすというサクセスストーリーを歩んだものの、鳥栖では残念ながら2試合のみの出場でこの度出戻りとなりました。(形式上は鳥栖からのレンタル)

ともかく、ここからペースを引き戻す事に成功した徳島、26分には早速島屋が杉本とワンツーでゴール前に迫らんとする動きを見せます。(鹿児島・ニウドに阻まれる)
すると27分、左サイドのパス交換から岩尾がエリア内左へ縦パスを入れ、河田がポストプレイで横にはたきます。
走り込んだ島屋はDFを引き付けつつ潰れる動きを見せ、こぼれ球を拾った野村がシュート。
このゴールで勝ち越した徳島、さらに33分でした。
石井が右サイドからクロス、フォワード河田がヘディングにいったもののミートできずボールは流れ、逆サイドで杉本が拾います。
杉本は一旦エリア外に出、対面の五領をかわしてクロスを上げ、今度は河田がドンピシャで合わせてヘディングシュート。見事ゴールに突き刺して4点目。

これで前回のリベンジはほぼ達成されましたが、それでも鹿児島は抗わんとします。
既に30分に韓が酒本と交代で出場しており、何が何でも点を奪うスタイルに変更。
さらに35分には平川→田中と交代、これ以降左サイドの牛之濱は中央でプレイするようになり、左には右サイドバックの藤澤がシフト。田中は右SBに入ります。
両SBも上がりまくる総動員で鹿児島は徳島ゴールに迫りますが、反撃のゴールは生まれず。
決定力が期待された韓ですが、中央を固める徳島に対して殆ど仕事らしい仕事は出来ませんでした。

逆にアディショナルタイム、万策尽きた感がにじみ出た鹿児島に対し、徳島CB・バイスがオーバーラップ。
敵陣でロングボールを拾うとそのままエリア内までドリブルで持ち上がり、鹿児島ディフェンスに阻まれるものの、こぼれ球を押谷(野村と交代で出場)が拾ってシュート。
とどめの5点目を叩き出し、そのまま試合終了となりました。

終わってみれば奇しくも前回と同じく7度もゴールが生まれる試合になり、先輩の貫禄を見せつけた徳島。
清武のほかリーグ前半戦奮闘していた狩野・藤田・岸田などはこの日ベンチにすら入っていませんでしたが、その中での快勝とチーム力を見せ付ける結果となりました。
次節は中心の岩尾が不在となりますが、果たして結末はいかに。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

DAZN観戦 2019年J2リーグ第25節 FC町田ゼルビアvsアルビレックス新潟

2019-08-01 15:39:39 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の町田の記事はこちら(21節・山口戦)
※前回の新潟の記事はこちら(14節・愛媛戦)

25節は水曜開催。
前節は先週土曜・次節は日曜なので中3日とはいえ、ミッドウィークに試合があるためメンバー選考のやり繰りが悩みの種となったであろう試合でした。

目下4連敗中と既に苦闘の渦に入り込んでいる町田は是が非でも結果が欲しい状況。
入れ替えは最小限に留めざるを得なく、前節から外したのはベテランの深津・中島の2人のみ。(中島はベンチ入り)
代わってスタメンに顔を並べたのは岡田とジョンチュングン。
救いは前節のアウェイ戦がヴェルディとだったので、移動距離がほぼ無かった事でしょうか。

一方の新潟、前節は琉球に4-0で大勝と上り調子が垣間見えます。
この日はスタメン入れ替えは無く、「良い時のチームは弄らない」を忠実に実行したのかもしれません。
しかしこれで現状5試合連続で同一スタメンであり(この日まで2勝1敗1分)、ただ単に吉永一明監督の手腕から柔軟性が消えかけているだけ、とは言い過ぎでしょうか。
移動の方は新潟→東京南部に留まり、こちらもこの面ではあまり心配無し。

試合の方は、立ち上がりは町田の「ワンサイドアタック」とそれに対抗する新潟という図式の、今季の町田戦でおなじみになってきた展開。
アバウトな縦パスと、その跳ね返しによる両チームスローイン数の増大。

新潟は前半14分、クリアボールを敵陣でレオナルドが落とし、拾った渡邊新太が右へと展開。
受けたフランシスがエリア内に進入しますが、フェイントでかわそうとした隙に町田側がクリア。
これが切欠となったのか、新潟の攻めの方針は「縦パスからの速い攻め」に決定したようです。

以降はスローインの応酬に付き合いつつも、ゴールキックや味方のクリアボールを軸にして、収めたor落とした後は裏狙いの縦パス。
そんな攻撃の連続で、町田守備陣に徐々にプレッシャーを与えていきます。

それが実ったのが前半39分。
フランシスのアバウトなダイレクトパスに対し、町田右サイドバック・佐野がクリアミス。これを渡邊新が拾いエリア内までドリブルしてからパス、受けたレオナルドはエリア手前中央からシュートを放ち、見事ゴールに突き刺し先制します。

一方の町田は攻撃回数こそ互角でしたが中々シュートは撃てず。
ワンサイドアタック故、しばしば2トップのうちの1人がサイドで攻めをサポートしに流れるのですが、この日富樫と2トップを組んだジョンチュングンの動きが今一つな印象で中々ボールに絡めず。
大きなチャンスは32分、佐野の右からのクロスに富樫がボレーで合わせた場面で、ジャストミートしないながらも良いコースに飛んだシュートはGK大谷が辛うじてセーブで得点ならず。

逆に新潟はアディショナルタイム、コーナーキックを得ます。
キッカーの高木がクロスを上げ、ややファー寄りの所でセンターバック・大武がヘディングシュートを突き刺し、2点目をゲットした新潟。
最高の形で前半を終えましたが、ここでプレイバックするのが14節・愛媛戦。
前半2-0とリードしてからの後半3失点で逆転負けという試合で、同じ轍は踏みたくないという展開になります。

果たして後半開始の前に、あの時と同様に相手の町田は2枚替え。
故障明けの戸高と休養していた中島を同時投入し(岡田・ジョンチュングンと交代)勝負を賭けに来た町田・相馬直樹監督。
丁度入れ替えたメンバーである2人が交代された辺り苦し紛れのターンオーバーだった感が窺えますが、この交代で一気に形勢逆転します。

当然ハーフタイムに「立ち上がりに気をつけろ」という指示は飛んだと予想しますが、後半が開始されると町田の一方的な試合展開に。
しかも新潟ボールになってからも、前半と同じく速い攻めの方針は継続され、試合を落ち着かせようという思惑が全く感じられない振る舞いに終始します。
果たして一方的な攻撃どころかカウンターまでも浴びる破目になり、その結果後半20分までに同点に追い付かれます。

新潟を語るうえで外せないのが、キャプテンの移籍。
今年も移籍シーズンに入り、キャプテンでかつ背番号10だった加藤の福岡へレンタル移籍が発表されました。
前年もシーズン途中で磯村が長崎に移籍しており、これは大井(現磐田)・小林(現名古屋)・大野(現湘南)から5年連続で発生している出来事。
さらにJ2降格後はシーズン途中というオプションまで付いて継続中です。
低迷期で監督交代も繰り返されている新潟、監督が変わればキャプテンも変わる……という単純な事象なのでしょうが、それが移籍にまで発展するのは何故なのか。

今季の加藤は15節・琉球戦までは全試合スタメン出場していましたが、それ以降は外され、以降は途中出場で1試合のみ。
この入れ替わり時期に丁度13節~16節の4連敗が被っており、チーム成績が心象を悪くしたのは想像に難くありません。
そうしてチームがスタメン固定を明確にしている現状、出番を失った事による出場機会を求めての移籍という典型ですが、果たして出番を失った選手に対するケアはきちんと行われているのか。
前年の磯村も移籍直前は7試合で出場1度だけという記録だったので、嫌でも不安になってしまいます。

こうしてキャプテンの重みが無くなりつつある新潟、新たに任命されたのが助っ人・カウエ。
これまで全試合出場している大黒柱のボランチでありキャプテンとして相応しい人材なのでしょうが、「どうせ移籍されるのならば助っ人に任せよう」というような穿った見方をしてしまうのは自分の性格が悪いからでしょうか。
試合を落ち着けられなかった責はカウエにあるでしょうが、そんな任せ方をする方の責も問われるべきだと思います。

一方同点に追い付く事に成功した町田。
1点目は後半8分、押し込んでいた所をクリアされますが、フランシスのボールロストにより再びチャンスに。
これを戸高がエリア内やや右(65~70度ぐらい)から、巻くシュートをゴール左上に突き刺すゴラッソを披露します。
その後もバシバシ戸高がシュートを撃ち新潟守備陣にダメージを与え(9分・10分にもシュートと、実に3分間で3本)、同点になったのが19分。
右サイドのパス回しに2トップ中島・富樫が絡みに行く厚みのある攻撃から、森村縦パス→佐野スルー→ロメロ・フランクがエリア内右に抜け出すという好機。
ここでロメロは角度の無い所から無理矢理シュートを放つと、ブロックに入った大武の足に当たってゴールイン。思い切りが見事良い結果に繋がりました。

新潟にとって愛媛戦と違ったのは、同点に追い付いてからも膠着状態にはならず、さらに町田に攻撃を受け続ける事だったでしょう。
焦る新潟はその後も、中盤でのフリーキックを直接ロビングに持っていく(25分・キッカー新井)など試合を落ち着かせるような素振りは一切見せず。
するととうとう後半30分、佐野のニアへのクロスを富樫が一旦合わせそこなうも、こぼれ球が自身の足元に転がりすかさず左へパス。
これに中島が右足を振り抜き、GK大谷を弾いての強烈なゴールで町田が逆転。

完全に愛媛戦の再現となってしまいましたが、ここで一方的に攻められたのが逆に功を奏したのか町田はペースダウン。
後半頭の2枚替えでフレッシュな選手を入れる事もままならず、攻め疲れの様相を示します。
新潟はジョーカー・矢野を投入する勝負手を打ち(後半34分・フランシスと交代)、攻勢に出る事が出来るようになりました。

そして息を吹き返す同点弾が生まれたのが39分。
ここでもコーナーキックからで、高木のクロスに対し矢野が中央でヘディングシュート。
見事にノーマークになってのシュートで、起死回生のゴールが生まれた新潟。
以降シュートを3本放ち町田ゴールを脅かし続けますが、そのまま試合終了。
両者ともリードを守れずという痛み分けの結果になりました。

ようやく連敗が止まった町田ですが、新潟の試合運びのミスに付け込んでの3得点というベストな展開を作り上げただけに、勝ち切れなかったのは非常に痛い試合となりました。
相手が引く展開にならない時にこの日のような攻めを見せられるか、はたまた相手が引く展開にさせない(前半のうちにリードを奪われない)事が今後の課題となるでしょう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする