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DAZN観戦 2019年J1リーグ第23節 FC東京vsサンフレッチェ広島

2019-08-20 19:17:45 | サッカー視聴記(2020年以前)

堅守の戦い・第2ラウンド。(ちなみに前回も取り上げました)

現在広島の監督を務めている城福浩氏は、前所属がFC東京の監督という因縁持ち。
しかもそれは2期目であり、FC東京関係者(サポーター含む)に一定の信頼を得ていたと思われましたが、その2期目を務めた2016年はあっさりとシーズン途中で解任という憂き目に遭いました。
1期目はというと、2008年から就任しナビスコカップ(現ルヴァンカップ)のタイトル獲得を齎したりしましたが、やはり2010年途中に解任されるという終わり方。しかもこの年最終的にFC東京はJ2降格してしまうというミソまでついてしまいました。

Jリーグ参入直後の大熊清氏・原博美氏の事例しかり、FC東京の日本人監督は、2度監督を務めなければならない。
そんなクラブ伝統の縛りを感じさせてしまうこの城福氏の履歴であり、前任のマッシモ・フィッカデンティ氏がチームを浮上させた後とあって、成績面でも誰も得をしないという状態だった当時のFC東京。
その後現監督・長谷川健太氏就任(2018年開幕前)まで混迷を極める事を余儀なくされましたが、今季は優勝も現実的な立ち位置にまで浮上している現状。

一方城福氏はというと、FC東京1期~2期の合間には、甲府の監督を務め当時J2に居たクラブをJ1に昇格させる事に成功。
その後2年間同クラブをJ1に残留させ、3年間の任期を全うし惜しまれながらの退任となりました。
その時甲府に在籍していた柏・佐々木・稲垣が、現在城福氏の下で広島選手として在籍しているという、偶然にしては出来過ぎな巡り合わせとなっています。(3人とも甲府から直接広島に移籍という経歴)

広島は2010年代に3度リーグ優勝を果たし、成績の面ではビッグクラブと言っても良い最近の歴史を描いていますが、そうはなれない一因がクラブの体力面。
決して裕福とはいえない経営面で、一度歯車が狂うと一気に転落してしまう状況は中堅・下位クラブと変わらず、2017年には降格一歩手前まで低迷する事を強いられました。(15位でギリギリ残留)
そして翌年から城福氏を監督に招き、今季は再びACLと並行しながらの戦いに戻る事に成功しています。

前年から戦術を変更し、3-4-2-1のフォーメーションを基調に、堅守を貫きながらも攻撃はボール支配率を高めるという両方を突き詰めているのが今季の広島。
その変更は前年大活躍のパトリック(現ガンバ)すらサブメンバーに回される程の非情ぶりで、かつメンバーを固定しての戦いでも無く。
目下8戦無敗(4勝4分)でこの日を迎えており、ACLの関係で中2日での戦いを強いられた21節・札幌戦でもチーム一丸となって1-0での勝利を挙げるなど粘り強さも健在です。

さて試合の方は、堅守同士の戦い極まれりという立ち上がり。
ボール保持に長けた広島側が、中々シュートを撃つという選択肢に辿り着かないという、ややもすると退屈とも採られかねないような展開を描いていきます。
東京はいつもの4-4-2ブロック、2の部分の縦関係の配置(ディエゴ・オリヴェイラと永井)でカウンターを狙うというのは変わらず。
しかしポゼッションスタイルの相手には、要所でプレスを掛けて高い位置で奪うという姿勢を見せるのも必要になってきます。
それが前半15分に敢行されたものの、ここでは奪えずにリトリートを余儀なくされる東京。

今季広島で全試合出場しているのは、柏と川辺の2人。
今季の戦術変更は、前年サブに甘んじていた川辺をパサーとして機能させるためのものかと最初は思っていました。
しかし攻撃の中心は両ウイングバック周辺であり、そこで三角形を作りながらのパスワークでボールを支配していく形が基本線。
その中心の一方が左WBの柏で、もう一方の右に助っ人枠を使うという選手編成が採られています。

開幕当初右WBのレギュラーはエミル・サロモンソンでしたが、故障もあり現在はハイネルに鉢が回ってきています。
そのサロモンソンが途中退場した試合(13節・浦和戦)でいきなりゴールという結果を挙げたハイネル、その2節後からスタメン定着する事に成功していますが、そのプレーは粗削りという印象。
突破力に長けているものの球離れや守備面ではやや難あり、というのが自分の最初の見立てであり、サロモンソンを鋭利と表現するならハイネルは豪快、そんな感じでしょうか。
ハイネルでこの日最も印象的だったのが、前半アディショナルタイム。
佐々木の縦パスを受けたドウグラス・ヴィエイラがFC東京DFをかわして右サイドにパス、その先には走り込むハイネルが。
トラップしてからクロスorカットイン(からのシュート)を狙うのが定石でしょうが、ダイレクトで蹴られたボールは明後日の方向に飛んでゴールラインを割ってしまい、良くも悪くも豪快だという印象を強くしたシーンでした
そんなハイネルですが、最近は広島のチームカラーにも順応しているようで、右サイドでのパスワークに馴染みを見せていたこの日。

話を戻し、この両WB中心のパスワークにより、FC東京サイドも「ボールを奪ってカウンター」という理想形にいく事が中々出来ず。
縦に速い攻撃が理想であるのがカウンターですが、広島側がゆっくりとしたボールキープを敢行し中々フィニッシュまでいかないため、FC東京もそれに知らず知らずのうちに合わせてしまっていたような感じでしょうか。
そこに審判団の判定も重なり、次第にフラストレーションも溜まっていく展開に。
前半アディショナルタイム(上記のハイネルのプレーの後)、中盤でのパスカットが永井に渡るという絶好機になりましたが、ディエゴとワンツーでエリア内に進入を図った所で広島・野上とぶつかり倒れます。
しかしこれがノーファールという判定になり、直後の前半終了の笛で味の素スタジアムはブーイングの嵐に。

後半立ち上がり早々のFC東京の攻撃、左サイドでオジェソク→高萩のヒールパスでディエゴに渡ります。
ディエゴは広島・野上をかわしてカットイン、ゴールに接近しようとするもゴールラインを割り惜しくもゴールキックに。
流れを掴んだかに見えましたが、それも生かすことが出来ず。
後半5分にハイネルのドリブルを室屋が、8分には柏のドリブルを森重が反則で止めるという、徐々に守備陣に綻びが感じられるシーンを作ってしまいます。

逆に前半のパス回し中心のサイド攻撃から、突破を図り脅威を与える事に成功した広島。
後半12分に青山を投入(東峻希と交代)し、川辺がシャドーに上がるという勝負手を打ちます。

それが16分に実を結び、一旦は右サイドから攻撃しようとするも、ハイネルからボールは中央へ戻り稲垣→青山と渡り逆の左サイドへ。
ボールを受けた柏は、エリア内左に動いたシャドー・川辺にパスを送ると同時に上がり始めエリア内へ、そこに川辺は2タッチでリターンパスを出し、絶妙なタイミングで受けた柏。
ワントラップからの強烈なシュートはGK林彰洋も止めきれず、弾かれたボールはそのままネットに突き刺さりました。

先制されたFC東京、すかさず永井→ジャエル・大森→三田と2枚替えを敢行し攻勢に。
直後の18分、敵陣でディエゴがボール奪取に成功しコーナーキックを得、そこから何度もクロスを上げる攻撃を見せますが最後はジャエルのヘディングが枠外に。
高い位置で奪う攻めの姿勢を見せた攻撃でしたが、守備が薄くなる諸刃の剣でもあります。
25分に東慶悟が川辺を倒して反則、28分にジャエルが青山を倒すもアドバンテージで攻撃を受ける(その後柏がタッチに出す)という場面は、前方から何としても奪わなければならないという気持ちが前に出過ぎたため起こったのでしょう。(両者に警告)

その後30分に東慶悟→ナサンホに交代。
広島側もハイネルが足を攣らせて31分にサロモンソンと交代、27分のドウグラス→レアンドロ・ペレイラとの交代と併せ、両チーム早々と3枚交代枠を使い切る試合に。
ディエゴ・ジャエル・ナサンホと助っ人3人が揃い踏みとなったFC東京。その後の攻撃でジャエルはヘディングシュート(36分)、ナサンホは強烈な直接フリーキック(43分)と見せ場を作りますが、いずれも広島GK・大迫にキャッチされゴールならず。
逆に広島は相手のお株を奪うカウンターを何度か炸裂させますが、何故か1トップのペレイラはそれに絡む事無く、川辺や柏が単騎でエリア内に突入するという状況でゴールは奪えずに終わります。

結局そのまま0-1で広島が逃げ切り勝利。
シュート数も7対4と非常に少ない、守り合いに相応しい結果となりました。
首位のFC東京、敗戦という結果でこれからの「地獄のアウェイ8連戦」を迎えてしまう事となりましたが、初優勝への難儀な関門を突破できるでしょうか。

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DAZN観戦 2019年J2リーグ第27節 FC町田ゼルビアvsツエーゲン金沢

2019-08-15 16:51:33 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の町田の記事はこちら(25節・新潟戦)
※前回の金沢の記事はこちら(14節・長崎戦)

20節の千葉戦で勝利してから6戦未勝利(5敗1分)と、泥沼に嵌ってしまっている町田。
さらにホームでの勝利となると6節(愛媛戦)にまで遡らなければならず、引き分けすらままならなくなっている状況に、順位的にも降格圏が近づいてしまっています。

今夏の補強では、鹿島から獲得した平戸が目玉選手で、加入直後の前節から早速スタメン起用が続いています。
鹿島からレンタルで2年間在籍(2017~2018年)していた経歴があり、前年のリーグ4位に大貢献した選手ですが、今季戻った鹿島ではリーグ戦出場は僅か1試合のみ。
壁にぶつかっていた所をこの度町田が再び、今度は完全移籍で獲得。
気持ちを切り替え、町田に骨をうずめる覚悟は出来たでしょうか。
その他大ベテラン・李漢宰(リハンジェ)がボランチで今季初スタメン(初出場)するなど、低迷打破へ必死な舵取りが窺えます。

試合開始。
そこには町田戦おなじみの風景となった、「町田のワンサイドアタックと、それに対抗する相手チーム」がありました。
ただこの日の金沢はというと、町田攻略の一つの手段であろう大きなサイドチェンジはあまり行わず。
町田のプレスにかかる前に縦パスを行い、FW垣田に当てるか、スペースを使うかの二択が主な攻撃手段。
序盤はいつものようなスローインの嵐とはならず、ややオープンな展開で双方チャンスを作っていきます。

互角か金沢やや優勢で展開する中、迎えた前半16分の金沢の左からのコーナーキック。
キッカー藤村のクロス→ファーに流れた所垣田折り返しという流れは一旦クリアされますが、そのボールを藤村が拾いもう一度クロス。
これにセンターバック・廣井が頭で合わせ、先制弾を叩き出しました。

しかしこの得点の後は町田がペースを握ります。
狭いエリアでのパス交換から、一発の縦パスでチャンスを作らんとする攻めを展開し、それに伴いスローインも増え始めます。
19分、中盤でボールを奪った酒井の縦パスを中島が受け、ロメロ・フランク→後方の李へと渡った所で李がエリア内左へ浮き球のパス。
左サイドバックの佐野が走り込みますが、金沢・大石が左タッチラインに逃れます。
そのスローインを左サイド奥で富樫キープ→佐野→エリア内左のロメロと繋ぎシュート(左に外れる)という場面は、「ワンサイドアタック」理想の攻めが出来ていたと思いました。

そして22分、CB深津が右サイド奥へロングパス、これを受けたFW富樫が溜めを作り李へバックパス。
李は手前からクロスを上げ、ニアサイドで土居が頭から飛び込みシュート。
ボールは頭では無く背中に当たっていましたが、土居の執念でゴールネットを揺らしました。

同点に追い付いた町田。
その後飲水タイムを挟んでからも攻勢で、これは後半金沢が選手交代を行うまで続きます

そのアクセントとなっていたのはドイスボランチの2人、ロメロと李でしょう。
戦術の特性上FW2人がサイドに流れる事が頻発するので、MFの攻撃力も重要なファクターとなる町田。
ロメロは大学生の時期から日本のJFLでプレーしており、その後主にJ2のクラブを渡り歩き現在31歳と日本生活がかなり長い助っ人です。
町田は2シーズン目となり、今季は既に前年を上回る出場試合を数え、主力の一員に定着。
最前線への飛び出しでパスの受け手となり、そこからエリア内に進入する動きで相手に圧力を与える役割を担っていました。
李は2001年に広島に入団、以降ずっとJのクラブに在籍して今季で19年目と実績十分。
町田ではJ3時代からプレーしており今季で6年目、昨季は5試合のみの出場に留まり、今季もこれまで未出場ながらこの日スタメン。
ベテランらしく、後方からの一発のパスで好機を演出する役割を担当し、縦パス・楔のパスを何度も供給していました。

この日本経験豊富な助っ人2人の力を借り、金沢守備にダメージを与えていった成果はアディショナルタイム。
右サイドからの中島のクロスが流れた後、ロメロがボールキープし金沢・長谷川を振り切ってエリア内に進入、角度の無い所からシュート。
GK白井が弾きますが、こぼれ球を中島が詰めてゴール、欲しかった勝ち越し点を町田が奪うと同時に前半終了の笛が鳴りました。

金沢が流れを引き戻したのは後半7分、垣田→クルーニーへの交代からですが、それと前後して町田側に「運が無い……」とボヤきたくなる場面が。
後半2分左サイドで佐野→平戸と渡り、平戸のクロスがブロックされると、コーナーキックかと思われたボールはコーナーフラッグに当たりピッチ内へ。
11分にはまたもロメロが左サイドからカットインしエリア内進入、シュートするも平戸に当たり、ファーサイドへ流れたボールに富樫が足で合わせます。
決まったかと思われたボールはポストに当たり、好機を逃してしまいます。
13分にも平戸のエリア手前右からのシュートが左ポストを叩き、惜しい所で3点目が入らない町田。
ツキの無さが色濃く表れたシーンを演出してしまうと、次第にペースは金沢へ。

26試合で引き分け数が13と膨れ上がっている金沢。
得失点差こそ11と多いですが、これは6-1の大勝劇(4節・奇しくも前回の町田戦)があった分膨れ上がっており、8勝5敗の成績に大体準じていると思います。(若干得点が多いですが)
大量失点試合が無く、多くても2失点なのが負けが少ない理由。
現監督の柳下正明氏が就任して3年目、67→48→22(前節終了まで)とシーズン毎に失点数の減少が濃く表れています。しかしこれも天敵であった松本が今季J1なため(過去3年・6戦で21失点)弱さが隠れてしまっているという見方もできますがまあ揚げ足取りでしょう

一方で今季はツートップの組み方に苦労している印象。
小松・垣田・クルーニーと長身選手を揃えても、故障もあり2人揃わない時期もあるなど苦労が窺えます。
そのためかタイプの全く異なる山根を獲得(セレッソからレンタル)したのが今夏で、チームに加わるやいなや4試合出場で3得点と結果を出しています。

話戻って、前半は垣田にロングボールを当てても、攻撃のペースを掴めずに終わっていた金沢。
その駒をより屈強なクルーニーに代えた事で、流れを引き戻しにかかりました。

しかし同点劇はポストプレイではなく裏抜けから。
左サイドで沼田と加藤がパス交換から突破し沼田が中央へスルーパス、これにクルーニーが飛び出してエリアすぐ手前で受けます。
すると飛び出してきたGK増田に倒されて反則となり、絶好の位置でフリーキック。(増田に警告)
これを山根が直接狙い、緩やかに壁を越えたシュートは増田にセーブされますが、大橋が詰めてシュート。
これも増田に止められ、さらに加藤が詰めて三度目の正直、ネットを揺らして同点に。
後半19分の事でした。

勢いを失いつつあった町田、失点直後に李に代えて森村を投入しますが、全体的には金沢ペースで進みます。
25分の金沢、町田ペナルティエリアからかき出されたボールを大橋が拾い、沼田に渡りクロスが上がるとクルーニーがヘディングシュート。(GK増田キャッチ)
26分の町田、中島が左の土居にパス、土居はエリア手前でカットインしてからミドルシュート。(GK白井セーブ)
29分の金沢、左サイドからのスローインをクルーニーがダイレクトで加藤にパス、加藤はエリア内に進入するもののボールを奪われて倒れますが反則は無し。

双方セットプレーも増えていきますが、かなり手前からのフリーキックでも一気に前線に放り込むシーンも目立つなど次第に泥仕合の様相に。

そして決勝点は大詰めの44分、そのエリアかなり手前からのフリーキックでした。
クルーニーに対する深津の反則で金沢が得た右サイドでのフリーキック、キッカー藤村がファーサイドに上げる→廣井頭で折り返し→中央で山本がヘディングシュートでゴール。
両CBによる頭での共演でついに勝ち越した金沢。

試合はそのまま2-3で金沢が勝利しますが、アディショナルタイムにコーナーキックを得ても、露骨な時間稼ぎはせずそのままクロスを上げた金沢サイド。
この非情への徹しきれなさが引き分け試合が多い要因ともとれますが、金沢は未だ発展途上のクラブだと思うので個人的には好印象でした。(こんな記事も上がっている事ですし  

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DAZN観戦 2019年J1リーグ第22節 FC東京vsベガルタ仙台

2019-08-14 16:39:51 | サッカー視聴記(2020年以前)

穴を作らない。

目下J1首位のFC東京、その売りは失点数リーグトップの少なさ(16失点)が示す守備力。
しかし攻撃が弱いという事は無く、ここまでで33得点。
「良い守備から良い攻撃は生まれる」という格言を如実に表しており、特に今季の東京の戦術はカウンター中心のスタイルなだけに尚更です。

そんな屈強な戦術を浸透させているのが現監督の長谷川健太氏ですが、東京での指揮は3クラブ目。
清水で監督業をスタートさせ、ガンバでタイトルを次々と獲得したという実績(ここでは詳しくは述べない)からも着実にステップアップしている感が窺え、そして今季東京に初のリーグ優勝を齎さんとしている。

それを支える選手補強も、とにかく優勝に向けて邁進するための路線で、守備同様に穴を作らない。
リーグ前半に中盤で存在を輝かせた久保が海外移籍でチームを離れたのが16節以降(実際は代表招集があったのでそれ以前)ですが、それを見越して開幕前にナサンホ、アルツゥール・シルバと助っ人を加えており、ナサンホがその穴に入ります。
それでも今夏は神戸から三田を獲得と余念が無く、久保の穴埋めに万全な体制を作らんとしています。
他にもセンターバックのチャンヒョンス、DFのバックアップであった太田が移籍でチームを去ると、すかさずガンバからオジェソクを獲得したりと素早い動きを見せます。
CB渡辺の抜擢はあれど、優勝するチームの補強という印象付けには成功したと思います。

一方の仙台、現状の位置は残留争いから半歩~一歩前ぐらいでしょうか。
過去2年はリーグ前半で勝ち点を稼ぐも後半失速、というシーズンを歩んでいましたが、今季は一転してスタートで躓いてしまいます。
8節時点で1勝6敗1分の最下位。

前回述べた清水との違いは、監督交代では無く、監督が戦術変更を敢行して危機を乗り越えた事。
今季で仙台監督6年目となる渡辺晋氏、2017年から3-4-2-1のフォーメーションが基調のポゼッションスタイルをチームに植え付けてきました。
しかしオフの移籍による選手の入れ替えで機能しなくなり、9節から4-4-2へとシフトしチームを立て直しに掛かると調子を取り戻します。
息を吹き返した仙台、14節からの4連勝で危険水域から脱出、しかもその間には首位・東京にも勝利を挙げる(2-0)など奮戦。

新戦力の松下・道渕のレギュラー定着など様々な要因はあるでしょうが、最大なのは屈強なCBシマオ・マテの存在で、守備強化のため無くてはならない選手にのし上がりました。(彼が欠場した19節・鹿島戦は0-4の大敗だった)
日本代表GKシュミット・ダニエルの海外移籍も、すぐさまの補強(ポーランドからヤクブ・スウォビィクを獲得)で乗り切り、堅守が築かれつつあるようです。

試合の方は久々に箇条書きで。

  • 東京は三田が移籍後初のスタメン(右サイドハーフ)。オジェソクも2試合連続でスタメンと新戦力抜擢に余念が無く。
  • 仙台は前節と同じスタメン、新戦力は札幌から加入した中原がベンチ入り。
  • 開始1分でいきなり仙台はシュートに持ち込む(石原直樹)。
  • ボールを無理に握らなくなった仙台、頭では解っているものの前年からすると違和感。
  • その影響もあり、東京はいつものカウンターサッカーの威力を発揮できず。
  • 逆に仙台がカウンターを仕掛けようとする場面もあったが、東京の帰陣は早くチャンスを作れず。
  • 東京が無理にボールを奪いに来ないので、仙台側も結局ボールキープの時間が長くなる。
  • ボールを握らされる場面が多かった両者、東京は東・橋本・森重のサイドチェンジで活路を見出そうとする前半。
  • シマオの屈強ぶりが光る仙台、彼を攻略せんと様々な攻めを見せる東京という図式に。
  • 27分、左サイドでディエゴ・オリヴェイラがシマオの足元を抜くパス。この後三田→オジェソクと繋がりクロスが上がるも合わず。
  • 34分にようやく東京がカウンター、左サイド奥でボールを持ったディエゴ、ここでも対峙したシマオを股抜きでかわしてカットインするもゴールラインを割る。
  • ディエゴの個人技が光る反面、仙台のFWハモン・ロペスは中々良い所を見せれず。
  • ロングボールを収めてもすぐさま東京選手に囲まれチャンスを作れない。
  • 東京の左SH東のポジションチェンジは(この記事でも書いたが)もはや定番となっている感。この日は純粋に三田とポジション入れ替えを敢行するも、すぐに戻った。
  • 32分、仙台左サイドバック・永戸が遠目からミドルシュート、DFに当たってゴール左に外れる。これが前半の最も惜しい場面か。
  • 42分もハモンがミドルシュート。松下ロビング→道渕ヘッドで落とす→石原直ポストプレイでエリア外へ→ハモンという良い流れも、シュートは枠外。
  • 前半は0-0で終了。現状守備重視チーム同士の対決に相応しいといえば相応しい前半。
  • 後半立ち上がりは仙台やや優勢、両サイドから満遍なく攻撃。
  • 後半3分蜂須賀カットインからの関口のシュート、9分関口クロスがクリアされた後の蜂須賀のシュート。(いずれも枠外)
  • その他クロスは山ほど上がるもののゴールに結び付かず、すると東京が決定機。
  • 12分、ゴールキックの後東京にボールが収まり中盤で東がスルーパス。エリア内に永井が抜けて走り込むと、たまらずシマオがバックチャージして反則・PK獲得。
  • キッカー・ディエゴのPKの結果は周知の通り、GKスウォビィクが止める→蹴る前に前に出ていたとされやり直し→ゴール右上に決める、というプロセスで東京先制。
  • 無理にでも攻めなければならなくなった仙台、21分の直接フリーキックはかなり距離があったものの永戸が直接狙い、惜しくもバーの上に外れる。
  • 26分、仙台は石原直→長沢に交代。東京も永井→ジャエルに交代だが、こちらは永井負傷という要素あり。
  • 以降も仙台はチャンスを作る。ただし長沢は殆ど関与せず。
  • 32分、永戸のクロスが流れたのを右サイドでハモンが拾う。そこからカットインしてシュートも高萩がブロックで防ぐ。
  • 33分、コーナーキックの流れからのクロスをGK林がキャッチにいくもこぼれ、そこを平岡がシュートするも外れる。
  • このコーナーの前に仙台は富田→中原に交代。中原は今季リーグ戦初出場となったが、この交代は凶。
  • 36分に三田のドリブルを反則で止めて警告を受けたのがケチのつき始めで、以降マイボールの際パスミスを連発してしまう。
  • 逆に東京視点では、この場面三田が何度もチャージを受けながらも倒れずに中央突破。この迫力が中原を焦らせたのかも。
  • その後のジャエルの直接フリーキックも惜しかった。(GKスウォビィクがセーブ)
  • 38分、仙台は関口→梁勇基(リャンヨンギ)に交代。これは割と吉に出て、梁はチャンスエリアで動き回り受け手・出し手となり好機を演出。
  • 東京の交代は38分三田→大森、41分ディエゴ→ナサンホ。以降東トップ下の4-5-1のような形に。
  • 最終盤の仙台の攻撃、42分は蜂須賀縦パス→梁ポストプレイ→ハモンシュートもオジェソクがブロック。
  • アディショナルタイム、GKスウォビクのロングフィードの跳ね返しを道渕が拾い、一旦奪われかけるも橋本がクリアミス。これがハモンに渡るという絶好機となったが、最後のブロックは固くシュートは阻まれる。
  • その後東京にうまく陣地を稼がれ試合終了、1-0で東京勝利となった。

特に印象的だったのが仙台・中原の出来の悪さで、個人的にも今年札幌のカップ戦で何度か見た選手なので、一度J1の試合に出されるとこれ程に表れてしまうのかと愕然。
仙台はシーズン前にも札幌から兵藤を獲得しているので、二匹目のドジョウを狙ったか?なんて見方
も浮かんでしまいますが、これからチームにフィットする事を願うばかりです。

逆に東京はしっかりと首位固め。
ラグビーW杯の開催により、24節から地獄のアウェイに入るという日程なので、追走するライバルチームとの差を広げられているのは何よりでしょう。(2位・鹿島とは勝ち点7差)

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DAZN観戦 2019年J2リーグ第27節 ジェフユナイテッド千葉vs愛媛FC

2019-08-13 16:53:09 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の千葉の記事はこちら(19節・柏戦)
※前回の愛媛の記事はこちら(23節・ヴェルディ戦)

今夏の移籍ニュースが毎日のようにサッカーファンを沸かせたり驚かせたりする中、そんな最前線とは距離を置いている印象なのが千葉。
大学生の内定選手を特別指定選手として登録した(本村・見木)以外は、ガンバから米倉を獲得したのみ(レンタル)。

この米倉が、2013年まで千葉に在籍していた選手であり出戻りという事で注目され、この日早速右サイドバックでスタメン起用しました。
シーズン前は佐藤寿人の復帰、シーズン中は江尻篤彦氏の監督復帰、そして米倉。
このノスタルジックな補強路線を歩むのは何か狙いがあるのか。それとももう今季は昇格も厳しくなってきたから、支持を集めやすい路線でいこうという諦めにも似た感情か。
同じ出戻り勢の工藤もこの日久々のスタメン起用(13節・山形戦以来)となり、現場レベルでも現在の千葉はこの路線で突き進む方向が窺えてしまい、何とも言い難くなります。

試合が始まると、千葉は米倉のいる右サイド中心に攻撃。
右サイドハーフでの出場となった工藤とともに再三右からボールを運びますが、ペースを掴むまでには至りません。
逆に愛媛は前半6分、ロングボールの跳ね返りを近藤が拾い、藤本→下川と渡って下川がダイレクトでクロス。
グラウンダーのボールがファーサイドまで転がり、近藤が合わせますがゴールならず。
序盤の印象は、ともに一進一退ながらもやや千葉側に息苦しさを感じるものでした。

右サイドで手詰まり感を出していた千葉、20分辺りから左サイド主体の攻撃へと切り替わります。
ボールキープの際、工藤が左にポジションを移動するなど厚みを見せます。

それが功を奏したのが32分で、ここも工藤が左へ展開するとともに、自身も左へと移動した所から。
左SBの下平が、工藤・船山・熊谷アンドリューとのパス交換から奥に進入する事に成功してクロス。
これをFWクレーベがヘディングでトラップ、収めようとした所を下川・前野のチャージを受けて倒れてしまうと、審判の笛が鳴りPKに。
キッカーは船山、GK岡本の逆を突いた右へのシュートはポストの内側を叩き、ヒヤリとしたもののゴールイン。

千葉が先制に成功すると、その3分後(36分)。
今度は右サイドからで、米倉のエリア内右へのスルーパスを工藤が受けると、一旦戻し小島・米倉が溜めを作ります。
そして小島がニアサイドにクロスを入れると、クレーベがダイビングヘッドでシュート、ボールはGK岡本の股を抜けてゴールに突き刺さりました。
2-0とリードを奪った千葉、以降は愛媛にペースを握られますが、シュートは許さず前半を終えました。

スコア上は理想的な展開でハーフタイムを迎えた千葉。
しかし相手の愛媛は、言うなれば前半2-0というスコアに慣れきってしまったチームであります。

逆転の愛媛。
そう呼ぶと逆転「する」方ととれますが、23節のヴェルディ戦では「される」方として目立ってしまいました。
目下2連勝中の愛媛ですが、連勝中はいずれも前半で2-0とリード、その度にDAZNの放送席では23節の逆転負けが話題になるという可笑しな場面も。

14節・新潟戦では0-2のビハインドから、後半の3得点で見事な逆転勝利。
その時スイッチになったのが大ベテラン・山瀬の交代出場で、この日も後半頭からボランチ・野澤との交代で出場します。
しかしあの時と違ったのは、そのままボランチに入るのでは無く、シャドーだった神谷をボランチに下げ山瀬自身はシャドーの一角に。
新潟戦ではボランチの位置で決めたミドルシュートが印象的だった山瀬ですが、この日はシャドーからの飛び出しを期待されての起用だったでしょうか。

そんな愛媛のベンチワークで始まった後半ですが、立ち上がりの愛媛のチャンス(近藤クロス→下川折り返し→藤本シュートもGK鈴木セーブ)の後は千葉に決定機が。
後半4分小島がエリア内右へスルーパスを出すと、受けた米倉が中へ折り返し、ここからシュートの矢玉を浴びせにかかる千葉。
船山がシュート体勢に入るもこぼれる→工藤が詰めてシュートもブロック→船山フェイントでブロックをかわしシュートもGK岡本がセーブ→クレーベが詰めてシュートもブロック、という蜂の巣状態をなんとか凌ぎ切った愛媛。

愛媛の反撃は6分、右ウイングバック・長沼のスルーパスを受けた山瀬がエリア内右でシュートを放つもブロック。
10分にはセンターバック・前野のロングパスで裏を取り、近藤がエリア内に持ち込んだ所新井に倒されて反則、新井に警告が出るとともにPKを獲得します。
これを近藤がGK鈴木の逆を突いてしっかりと決めました。
後半の狙いの一つであろうDFの裏狙いでまずは1点を返した愛媛。

すると14分、山瀬のロングパスから藤本が前線でキープし神谷→下川と繋がります。
下川は切り返しで戻ってきた米倉をかわすと、フリーの状態でエリア手前左からシュート。
豪快にネットを揺らし、あっという間に追いついた愛媛。

千葉にとっては立て直す暇も無く、1失点目とは違う攻撃であえなく崩されたという最悪のパターン。
その通りに以降しばらくは完全な愛媛のペースで展開する事に。
21分にはコーナーキックからの二次攻撃、エリア内右で茂木→山瀬と渡り、山瀬のクロスでファーサイドの下川がフリーでトラップする決定機。
これも決めれば下川はこの日ヒーローとなるのは確定でしたが、シュートをふかしてしまいチャンスを逃してしまいます。

同時に愛媛の勢いも止まり、以降は両チーム選手交代も交えながら、勝ち越しの隙を伺う展開に。(25分に千葉は為田→茶島、愛媛は藤本→丹羽)
千葉はさらに32分、工藤を下げて矢田に交代。
ここからにわかに千葉側に針は傾き、33分には右SHに回った小島がエリア手前右からシュート。(枠外)

一方の愛媛、最後の交代枠を使ったのは37分。
神谷→有田へと交代し、山瀬がボランチに回ります。
その直後に有田がシュートを放つ(38分・枠外)と、39分には下川のグラウンダーでのクロス、DFに当たってコースが変わり丹羽がシュートしますがGK鈴木がセーブ。
両チームとも選手交代で試合の流れを引き戻すという展開に。

千葉は40分、クレーベがエリア内右からシュートを放つというチャンスがあったものの決められず。(GK岡本セーブ)
最後の交代は船山に代えて佐藤寿というもの(45分)でしたが、この交代で逆に流れを失った感があり、それが終幕に繋がっていきます。

アディショナルタイムも3分が過ぎ、愛媛は前野がロングパスを通し、この日何度も左サイドで攻撃の形を作っている下川に渡ります。
彼のクロスが上がると、ファーサイドで近藤がヘッドで折り返し、そこに丹羽が飛び込んでヘディングシュート。
この土壇場の状況で流れるようなプレーでゴールを奪い、愛媛が勝ち越しに成功。
ラストプレーで千葉は米倉クロス→クレーベヘディングシュートという見せ場を作りましたが、GK岡本がこれをキャッチして試合終了。
新潟戦の再現を果たした愛媛、順位でも千葉の上にいく事となりました。(愛媛14位・千葉17位)

敗れた千葉は2試合連続の逆転負け。(前節・鹿児島戦は1-2で敗戦)
抜擢された米倉・工藤はまずまずの働きでしたが、工藤が逆サイドにまで動く分、米倉が右サイドで孤立してしまう場面が多かった。
そのため守備でも、愛媛に左サイド・下川の跳梁を許してしまった感があります。
新戦力も加わり、後は組織の部分で纏めるのが必要だと思いますが、その面で今の千葉は非常に頼りない。
監督である江尻氏の舵取りも、攻守にあいまいな印象で強い組織力は感じ取れません。
クレーベ・船山はじめ個々の選手頼みな局面が目立ってしまっている現在の千葉、明日はどちらになるでしょうか。

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DAZN観戦 2019年J2リーグ第26節 アビスパ福岡vs横浜FC

2019-08-08 17:26:41 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の福岡の記事はこちら(17節・水戸戦)
※前回の横浜FCの記事はこちら(18節・徳島戦)

これまで不振で残留争いを余儀なくされている福岡ですが、この日のホームゲームは観衆1万人超えと盛況。
前節上位の山形に勝利を挙げた効果か、はたまた相手の横浜FCに大選手・中村俊輔が加入した効果なのか。

福岡の本拠地・レベルファイブスタジアム(以下レベスタ)は、今季はラグビーW杯に使用されるという事で、前半は改修のため使用不可。
現在こそ福岡の試合に利用されていますが、9月にW杯が始まると再び利用不可に。
その影響もあってかこれまでホームでは僅か1勝の福岡、それも博多の森陸上競技場での事でレベスタでは未勝利。
10月中旬から再び使用可能になるとはいえ、今のうちに勝っておいた方が気分も良いはずです。

3連戦の最後の試合、福岡側は早速補強選手の加藤(前新潟)・山田(前町田)を起用する事で、チーム強化・ターンオーバーを揃って行う一挙両得のスタメン選択。
横浜FC側は、レアンドロ・ドミンゲス(以下Rドミンゲス)が休養のためかベンチ外、そのため4-2-3-1の3の部分に齊藤光毅・松尾・中山と若手が揃って起用されたのが目をひきます。
前節(山口戦)田代・松井が揃って出場停止でしたが、4-1の大勝に終わったため逆に良い休養となったでしょう。(松井はベンチスタートで後半43分に交代出場)

試合が始まり、福岡のサッカーを見ると、監督交代の混乱期に比べれば大分形は整ってきたようです。
チーム得点王のヤンドンヒョンも、以前に比べるとポストプレイがしっかりしてきた印象を受け、それでいてチャンスでは得点に絡む動きも怠らないと不動の1トップに恥じない存在になっていました。
前半13分、鈴木のフリーキックにバックヘッドで合わせてのシュートはゴールバーを叩き惜しくもゴールならず。
33分には輪湖のロングパスに松田がエリア内でトラップして左サイドへ、そこからのグラウンダーのクロスにスライディングで合わせたヤンドンヒョン、このシュートもゴールバーに当たりノーゴール。
後半10分にもエリア内右からシュート、GK南にセーブされるという惜しいシーンだらけの結果となったヤンドンヒョン、3試合連続ゴールはなりませんでした。

この1トップの働きや、両ウイングバック・石原と輪湖の上下動、ボランチ・鈴木のパスで攻撃を組み立てていく福岡。
ただ今春にセレッソから移籍してきたヤンドンヒョンは、既に33歳というベテランの域。
降りてきてパスを受けて出した後、そこから最前線に上がる事が出来ないというシーンも何度か見られました。
この3連戦は全てスタメンでしたが、過去2試合は後半途中に交代で退き、この日も後半30分で森本と交代されるなど運動量・スタミナ面が欠点でしょうか。
チームとしては、彼が降りてきた時・交代した時に得点を決められるシャドーの存在が欲しい所で、その1番手は松田(現在5得点)でしょうが現状でもタスクが非常に多いのが彼。
前線からの守備・空中戦・サイドに出てのクロッサー等、苦しいチーム事情を支えているだけにこれ以上の無理はさせたくない所。

一方の横浜FCも、1トップのイバがポストプレイヤーとストライカーを兼ねている、ベテラン故無理は出来ないという共通点が。
この日の前半は中央突破を図る機会は少なく、サイド攻撃が主となっていました。
右は中山と北爪、左は松尾と武田というサイドハーフ・サイドバックのコンビで崩す攻撃に終始。
イバのポストプレイが絡んだチャンスは1度だけ(17分)、トップ下であった齊藤光も前半は流れの中の攻撃に絡む事は微少。
惜しいシーンは前半26分のコーナーキックで、キッカー佐藤のクロスをイバが折り返すもウォンドウジェの背中に当たってこぼれ、エリア内右から中山がグラウンダーで入れる→齊藤光がフリック→エリア内左で松尾が折り返し→田代がシュートでネットに突き刺したものの、松尾の位置がオフサイドでノーゴール。
結局前半は0-0で折り返す事となりました。

就任して間もなくは、3トップによるポゼッションサッカーを目指す方針を採っていた横浜FC・下平隆宏監督。
しかし20節・岡山戦を境に修正、4-2-3-1あるいは4-4-2というフォーメーションでバランスを取り、そこから連勝街道を歩んでいます。(目下6連勝中)
天皇杯2回戦(仙台大学戦)を境に重用され始めた齊藤光に松尾と若手抜擢もスムーズに進めている中、ボランチには田代・佐藤を再び起用し、そこに大ベテラン・松井が絡む形。ただ草野の故障で若手の数自体が不足気味になっていますが
ここに中村がどう絡むのかが一般的な焦点となっていますが、補強ではむしろFW・皆川(前広島)が重点的に起用されており、中盤に関しては良いバランスを崩したくない所でしょう。
本来トップ下はRドミンゲスですがこの日は不在、ここから勝ち切れるか否か。

後半、福岡・輪湖が左サイドでのパス交換から抜け出してエリア内左でシュートを放ったのがオープニング。(2分・GK南がセーブ)
以降ヤンドンヒョンは中盤に降りてくるのがメインとなり、シュートは前述の後半10分のものだけで、福岡は攻めるものの決め手に欠ける場面が目立ちます。
エリア外からのミドルシュートがメインになり、そんな展開ではボランチ・鈴木の見せ場ともいえますがこの日は不発。
16分、松田のクロスがブロックされたこぼれ球を拾いミドルシュートも、威力を欠いたボールはGK南がキャッチ。
26分は左サイドで輪湖クロス→こぼれ球を石原ポストプレイ→受けた加藤がシュートもブロック、そのこぼれ球を拾った鈴木。
再びミドルを放ちますがゴール右へ外れてしまいます。

最も可能性があったのは22分の松田のシュートか。
左サイドで木戸のクロスがブロックされたこぼれ球を拾い、エリア手前左までカットインしてからのシュート、GK南が際どくセーブし阻まれました。

一方横浜FCの攻撃は、後半6分に齊藤光がトラップで加藤をかわして中央突破を見せたのが始まり。
Rドミンゲスの代わりを任されたこの日の齊藤光、消え気味だった前半とは打って変わってチャンスに絡み始めます。
8分にはカウンターからイバがポストプレイで左サイドへ、松尾からパスを受けた齊藤光、切り返しからのクロスでファーサイドでフリーの中山に。
中山は収めてからシュートを放ち、これは輪湖のブロックに遭いますが、結果的にこの形を作れた事が先制点に結びつきました。
後半18分にはイバ→皆川へと交代、イバのスタミナという要素もありますが、新戦力・皆川の起用は「サイド攻撃だけじゃあ無いぜ」というメッセージのようでもありました。(同時に武田も袴田に交代)

白熱した展開のなか、後半29分と少々遅れた飲水タイムの後ヤンドンヒョンもスタミナが切れたのか交代。(前述)
直後の31分に早速森本がエリア内でシュートを放ち見せ場を作りますが、試合の針は横浜FCに振れます。

32分、松尾が左サイドを突破して奥に入り、左ハーフゾーンの齊藤光へパス。
齊藤光はエリア内に入るも福岡の守りの前にバックパス、佐藤→袴田と渡りクロス。
これが輪湖の頭を越えてファーサイドで中山がトラップしシュート体勢に入るという、8分の場面と酷似した形に。
中山の放ったシュートは、慌ててブロックに入った輪湖の足に当たってGKセランテスを抜き去り、ゴールに突き刺さりました。
プロ初ゴールはとても貴重な先制点となった中山。

その5分後の37分、今度はゴールキックからのシンプルな攻撃でした。
皆川が頭で落としたボールに齊藤光が走ってトラップ、この動きで同じく拾いにいっていた福岡・篠原をかわし2対1の状況に。
エリア手前で左にパスを出し、受けた松尾はエリア内から落ち着いて右足でシュート、ゴール左に突き刺しました。
松尾もプロ初ゴールと、新人が揃い踏みで結果を出す記念日に。

一気に2点差とした横浜FC、以降はボールをキープしつつ福岡ゴールを脅かす理想的な展開に。
先制点を挙げた中山、以降2本シュートを放ったもののいずれもGKセランテスに阻まれ、この日2点目とはならず。
アディショナルタイムは福岡の猛攻を浴びるもゴールを許さず、試合終了のホイッスルが鳴り響きました。

7連勝を達成し一気に4位まで順位を上げてきた横浜FC。
前年はあと一歩の所で自動昇格は果たせず、プレーオフで涙を呑む破目となりましたが、今季はさらに順位を上げる事は出来るでしょうか。

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